第44話川崎競馬場グルメ3 餃子 ロト7当選

12月15日14時20分:川崎競馬場1号スタンド


 今日も朝7時からファミリーレストランでバイキングを愉しみ、その後で富士見公園に遊びに行った。17万平方メートルの広さで、野球場・テニスコート・弓道場・相撲場・プール・自転車コース・市民広場・ふれあい公園など多くの運動施設があり、太郎君と花子ちゃんを遊ばせるには丁度いいと思ったのだ。


 いろんな人たちが競技をしているのを見学し、市民広場の広々とした芝生で駆けまわり、富士見公園コミュニティガーデン「はぐくみの里」で活動している人達を見たりした。


 川崎競馬場の開門時間まで空腹に耐えて、開門と同時に1号スタンド2階の餃子屋さんで買い食いをした。昨日は4人一緒に食べようとして、パドックに出るまでの10分が忙しかったが、それでも今日も、4人一緒に食べることを選んだ。


 綾香さんはワンタン麺と餃子を注文し、俺はみそちゃーしゅうめんと餃子、太郎君と花子ちゃんはしょうゆちゃーしゅうめんと勝カレーに餃子をつけて食べた。


 同時に注文していたのが、パドックで食べるためのイカから揚げ・フランクフルト・からあげ・さつま揚げ焼き・コロッケ・焼き鳥で、全部4人前注文した。


「この餃子は強烈ですね」


「はい、私臭い大丈夫ですか?」


「僕こそ大丈夫ですか」


「僕も臭い~?」


「花子も臭い~?」


「4人と臭いから、いいか?」


「いいよぉ~」


「花子もいいよぉ~」


 ここの餃子のニンニクは強烈だった!


 生にんにくを喰っているんじゃないかと思うくらいニンニクの量が多く、全体的にパリッと焼き上がっている。みそちゃーしゅーめんにはニンニクが利かせていると言う話だったが、餃子の強烈なニンニクで全然分からなかった。


「餃子屋メニュー」

餃子(6個) :350円×4=1400円

餃子定食   :550円

(ライス・スープ・漬物付)

からあげカレー:650円

(スープ付)

カレーライス :520円

(スープ付き)

勝カレー   :750円×1=750円

(スープ付き)

ソース勝丼  :550円

(スープ付き)

イカから揚げ :300円×4=1200円

ワンタン麺  :550円×1=550円

ワンタン   :400円

フランクフルト:200円×4=800円

からあげ   :300円×4=1200円

さつま揚げ焼き:150円×4=600円

コロッケ   :150円×4=600円

焼き鳥2本  :300円×4=1200円

とんこつらーめん:500円

しょうゆらーめん:500円

みそらーめん  :500円

各ちゃーしゅうめん:650円×2=1300円

ざる中華:350円

ライス:150円

ライス大盛:250円

ラーメン大盛:+200円


小計:7650円






「あの子脚痛い~」


「花子にも痛いと言ってるぅ~」


「おい、厩務員さん、その馬混合跛行を起こしているぞ、チェックしないと予後不良になるぞ!」


「なんだと?!」


 また目立ってしまった!


 昨日は怪我をした子がいなかったからよかったけれど、今日は第6競走で脚を傷めている子がいた。当然の事なのだが、太郎君と花子ちゃんが俺に教えてくれるから、俺が馬を牽いている厩務員さんに注意する事になる。


 厩務員の中には、全日本2歳優駿で同じように怪我をした馬を指摘した俺達を覚えている人がいたようで、関係者の間で評判になってしまっていたようだ。他の競馬場でも起こったように、第7競走以降は俺達の前を通る時は、ゆっくりと馬の状態を見せてくれるようになった。


 今日はネット投票と現金投票のそれぞれで、301万5700円づつ勝つことが出来た。何時もよりは少ない勝ちだ、だがそう思ってしまった自分が怖い!


 太郎君と花子ちゃんは、1年後には妖怪屋敷に帰るのだ。こんな風に金銭感覚が狂い、常識を失ってしまっていたら、破滅してしまうのは目に見えている。


 いや、俺だけならいいのだ、50を過ぎた1人者のおっさんが破産しようが死のうが大した問題じゃない。だが、そう、養老馬が路頭に迷う事になる。駒田牧場や景浦牧場が、俺から預かっていた養老馬を処分する決断をしてくれたらいいが、決断が出来なければ一緒に破産してしまう可能性もある。


 少なくともすぐに処分はせず、ギリギリまで肉にしないように努力する可能性がある。直ぐに肉にしてくれれば、少しは資金を残して当たらな事業に乗り出せるだろうが、彼らにその決断が出来るだろうか?


 いや他人の事ではないのだ、自分さえ常識を維持しつつけられれば、誰にも迷惑をかけずに理想を成し遂げることが出来る。全ては自分次第で、1年後には太郎君と花子ちゃんがいなくなる事をわきまえて、全ての行動をしなければならないのだ。


ネット投票:301万5700円

現金投票 :301万5700円


 今日も俺達4人は、ぶらぶらと歩いてホテルに戻ったのだっが、明日は中山競馬場に行くので、近くに毎日朝食を食べているのと同じファミリーレストランがないか探してみた。それと何時ものように、中山競馬場内で食べる場所を、事前にネットサーフィンしながら色々と探してみた。


「勝也さん! ロト7当たってます!」


「ふぇ! マジですか?」


「本当です、2口で総取りになっています」


「僕も宝くじネットで見てみます」


「そうしてください」


 昨日と同じように外れているとばかり思っていたので、20時から確かめられる当選を見ていなかった。綾香さんい言われて、急いで宝くじネットを見てみると、1等5億1791万7800円が2口当たっている!


 6つを同じ番号にして7つ目を全部買うやり方で全て買い、それ以降は5つを同じ番号にして、6つ目7つ目の番号を順番移入れ替えると言うやり方が、何を買ったのか分かって調べやすい。だが今回は、太郎君と花子ちゃんに好きな番号を選んでもらったから、何を買ったか照合するのが面倒だった。


 俺が宝くじを持っているので、綾香さんには買った時のマークシートを持ってもらっていたが、それを見て確認してくれていたのだろう。こんなに早く見つけてくれたと言う事は、太郎君と花子ちゃんの力を俺以上に信じてくれているのだろう。


「本当だ! 1等が当たってる! 綾香さんももう1度これを見て確認してください」


 俺は当たりくじを綾香さんに渡して確認してもらったが、間違いなかった!


 万が一ウェブサイトが間違っている可能性もあるが、その時は発狂ものだ!


 今日は金曜日の夜だから、金融機関に行って換金してもらうのは、どんなに早くても月曜日になる。だが月曜日は、朝から換金で忙しいし、帯広競馬場まで飛ばなければならない。時間的に間に合うかどうか微妙だが、帯広にも取り扱い銀行の支店はあった。


 すでに航空機もホテルも予約しており、輓馬についての売買の約束もしているから、行かない訳にはいかない。いや、連絡さえ入れれば大丈夫だろうが、性格的に約束を破る事に抵抗がある。


「帯広の支店」

帯広支店:北海道帯広市西二条南10-17-1

イオン帯広店出張所(ATM):北海道帯広市西4条南20-1

いちまるフードプライス店出張所(ATM):北海道帯広市東5条南3-12-1

セイリョーいちまる店出張所(ATM):北海道帯広市西18条南2-5-17

マックスバリュ稲田店出張所(ATM):北海道帯広市西5条南35-2-26

マックスバリュイーストモール店出張所(ATM):北海道帯広市東4条南16-6

マックスバリュ春駒通店出張所(ATM):北海道帯広市西19条南4-25-1


 そこで川崎や羽田周辺に、取り扱い銀行の支店が無いか調べてみたら、川崎市川崎区にも幸区・中原区・高津区・多摩区・麻生区にもそれぞれ1つ支店があり、宮前区には出張所も入れれば3店舗ある事が分かった。


 だから換金できないと言う事はないだろうが、問題はかかる時間だ!


 宝くじの高額当選の場合は、高額当選者としての心得が事細かに書かれている「その日から読む本」を渡されて、浮かれた高額当選者の気持ちを害せずに、安全に巨額のお金を運営するノウハウを教えてくれると、以前ネット記事で読んだことがある。


 それと本人だと証明する物が必要だったはずで、運転免許証や健康保険証などの身分証明書を用意しておかなければならない。確か当選金額が100万円以上なら、印鑑も必要だったはずだ。


「綾香さんは身分証明が出来る物を持っていますか?」


「免許書があります」


「印鑑はありますか?」


「いえ、印鑑は家に置いたままです」


「月曜日までに作っておいた方がいいですね」


「ではネットで、直ぐに印鑑を作ってくれる店を探してみます」


「実家に帰られて、実印を持って来られてはどうですか?」


「家に帰るのは嫌なんです」


「父さんが嫌いと言われていましたが、お母さんも嫌いなのですか?」


「母は父の言い成りの人でした、私が色々あって自殺しようと家を出た事で、さすがに父の悪行に嫌気がさして、私の味方をし出してくれてはいますが、心底信頼できる人ではありません」


「では家に帰るのはともかく、実印を待ち合わせの場所にまで持ってきてもらってはどうですか?」


「勝也さんお1人では、競馬場で大変ではありませんか?」


「中山競馬場なら早く終わりますから、夜に人の多い場所を指定してお母さんと待ち合わせて、そこにまで印鑑を持ってきてもらうのではどうでしょう?」


「そうですね、中山競馬場のクリスマスイルミネーションに持ってきてもらうのなら、勝也さんも太郎君も花子ちゃんもいてくれるので、安心して会う事が出来ると思います」


「どうされたんですか? 以前お父さんと対決した綾香さんとは思えないですね」


「勝也さんや太郎君、花子ちゃんと一緒にいる時間が長くなれば長くなるほど、引き離される事の恐怖が強くなってしまいまいした。あの時はまだ少し自暴自棄になっていて、父がまたなにかしようとしたら、その場で死んでやるつもりでした。今ではもう死ねません、勝也さんや太郎君、花子ちゃんと離れるなんて考えられません」


「ありがとう、綾香さん。そう言ってももらえて、僕は幸せです」


「僕もお姉さん好きだよぉ~」


「花子もお姉さん好きぃ~」


ロト7:5億1791万7800円×2口=10億3583万5600円

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