第5話原初の竜

 なんだ?!


 とんでもない圧迫感を感じるんだが?


 もしかしてとんでもないモンスターに狙われているのか?


(おう! 原初の竜ではないか、久し振りだな)


(おう無事であったか、原初の大樹よ)


 念話かな?


 頭の中にモンスターとセイの会話が浮かんでくる、2人は知り合いのようだがどう言う関係なんだろう?


(コイツは原初の竜と言って、神がこの世界を創世した時に我と一緒に産まれた原初の生命の1つだ。コイツは全ての竜の母であり父なのだ)


(それは御前も同じではないか、御前も全ての木々や草花の母であり父ではないか)


(そうだな、互いに随分と子孫が増えたものだ)


(それはそうと、ここにいる人間は御前が召喚したのか?)


(ああ、人間どもが100を超える勇者を召喚して我が境界に攻め込んで来たのだ、召喚魔法は使わないと決めていたのだが子供たちを護るために使わずにはおれなかった)


(やはりそうか、御前の世界が人間どもに攻め込まれたのを感じたのでな、見過ごせば生命の実や葉を手に入れた人間どもが力をつけ、余の境界にも攻め込んで来ると考え助力に来たのだ)


(そうか、それは気を使わせてしまったな、だが大丈夫だ、人間どもはここにいる英雄・ミノルと一緒に撃退してやったわ!)


(うむ、エルフたちも蘇(よみがえ)らせていたようなので、余も力が余ってしまって人間どもの首都を滅ぼして憂さ晴らししてきたのだ)


 なんだって?!


 攻め寄せて来た10万軍を殲滅(せんめつ)しただけじゃなく、首都まで滅ぼしたのか?


 そうなると、皇帝一族と首都を護っていた近衛兵団も全滅しているはずだから、帝国とやらも滅ぶしかないだろうな、こんな設定で話を続けられるのかね?


(そうか、まあ自業自得(じごうじとく)と言うものであろう、それで我がデュオに何やら頼んでいたようだが)


(うむ、珍しい物を食べているのでな、余も食べたくなったのだが、異世界の料理なら珍しいのも当然だな)


(そうか、御前は食いしん坊であったからな、だがミノルがいいと言わない限り食べさせてやれんぞ)


(そう言うな、御前と余の仲ではないか)


 セイ、御前の友達なのか?


(ああ、産まれた時からの長い長い友達だ)


 だったらできる限りの事はさせてもらうよ、セイから莫大な金を貰ったから少々贅沢(しょうしょうぜいたく)しても貧乏する心配もないしな。


(そうか、そうしてくれれば有り難い)


(おお! 食べさせてくれるか人間)


 俺の事はミノルと呼んでくれ。


(うむ、なら余の事も名で呼んでもらおうか)


 そうかい、ならなんて呼べばいいんだい?


(それはミノルが決めてくれ、余とミノルの間だけで通じる名だ)


 そうか、それなら竜からリュウと呼ばせてもらうよ。


(そのまんまだが、ミノルが決めたものなら仕方がないな。それでミノルが今食べている物を余にも食べさせてくれるのだな)


 ああいいですよ、ただ人間用なので、体長が100mを超えるリュウが食べた気になる量が集まるかどうか分からない。


(そうか・・・・・それは残念だ・・・・)


 まあ考えていても仕方がないから、取りあえず注文してみるよ。


(うむ、頼む)


 さて、1人前づつ運ばれてくるなら全部を大皿か大鍋にまとめなければならないよな、全部1皿か1鍋に入れてくれればいいのだが、それは欲張り過ぎだよな。最初に小海老の天ぷらを注文してみよう。


 小海老の天ぷら:900×1000人前=900000


 あああああ、やっぱり1人前が1000皿来たよ!


(大丈夫だ、余が風魔法で集めるからミノルの手を煩(わずら)わせる事はない)


 ほぇ~、凄いな、1000皿の小海老の天ぷらと付け合わせのサラダが宙(ちゅう)を舞ってる!


 しかも綺麗(きれい)に天ぷらとサラダを分けているよ!


 リュウ、サラダが嫌いなら俺が貰うよ。


(むむ、そうしてくれるか、余は基本肉食なのだ)


 ああ、俺は生野菜が好きだし、アイテムボックスに入れておけばいつまでも新鮮保存できるそうだからね。祖母ちゃんから高い物食べるのは贅沢(ぜいたく)ではないが、食べ残すのは贅沢だと言い聞かされて育ったからな。


「サラダ、アイテムボックス」


 俺の呪文と共にサラダ1000人前がアイテムボックスに収納された。リュウは美味しそうに小海老の天ぷらを食べているが、あの身体で1000人前で満足できるはずがないだろうな。全部1000人前注文して大丈夫かな?


(大丈夫だ、我とデュオを組んでのアイテムボックスはもちろん、ミノル単独のアイテムボックスでも楽々収納できるよ)


 セイを信じて順番に1000人前頼もう、まずは肉食と言う事だからチョリソーのホイル焼きからだな。


 チョリソーのホイル焼き :390×1000人前=390000


(コイツは舌先をピリッと刺激して美味いな!)


 そうか、気に入ってもらえてよかったよ。ならば麻婆豆腐も好きかもしれないが、豆腐を喰えるんだろうか?


(大丈夫だ、基本肉食だが試しに食べてみる、どうしても食べれ無いようならスライムに施してやれば無駄にはならん)


 なるほど、それなら大丈夫だろう。


 麻婆豆腐:900×1000人前=900000


(そうじゃ! 余もアイテムボックスを持っているから全部注文してくれ、見返りに今度来た時に余の抜け殻をくれてやろう)


 原初の竜の抜け殻なら価値があるのかな?


(何も知らぬのだな、人間の領域と接している亜種ドラゴンの鱗や皮であっても、そこそこ強靭な防御力と魔力親和性で超高額なのだぞ。まして余の鱗なら、1枚でも莫大な価値があるのだぞ)


 分かった、御土産も兼ねて全部1000人前注文してあげよう。


 4種チーズのフォカッチャ:290×1000人前=290000

 イベリコ入りミートボールのチーズオーブン焼き:553×1000人前=553000

 ハモンイベリコ(45g) ~スペイン産生ハム~:858×1000人前=858000

 海老の熟成黒豆板醤チリソース:790×1000人前=790000

 肉ニラ炒め:980×1000人前=980000

 ごちそうキャベツの回鍋肉:980×1000人前=980000

 麻婆豆腐:900×1000人前=900000

 スタミナレバニラ炒め:980×1000人前=980000

 ぷりぷり海老のチリソース:1080×1000人前=1080000

 小海老の天ぷら:900×1000人前=900000

 海老の特製マヨネーズ:980×1000人前=980000



「手持ち」

ドローン配送  :190億3430万8000

アイテムボックス:190億4578万9000


海老の特製マヨネーズ:980

ぷりぷり海老のチリソース:1080

肉ニラ炒め:980

ごちそうキャベツの回鍋肉:980

麻婆豆腐:900

スタミナレバニラ炒め:980

チョリソーのホイル焼き :390

ハモンイベリコ(45g) ~スペイン産生ハム~:858

ハンバーグとタンドリーチキン:1280

ポークジンジャーサラダ   :1058

じっくり煮込んだ牛ほほシチュー :1800

イタリア産豚肉のロースト    :2900

キノコ入りガーリック醤油ステーキ:2300

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