第24話これからの生活費

 今回売り払ってもらった商品は、相場を知る為に黒胡椒以外の物もアーデルハイトたちに委託してした。まずは10kgの黒胡椒は10kg分の金と同等の価値があり、まがりなりにも騎士家の次期当主が直接商業ギルドに持ち込んだため、値切られることも騙(だま)されることもなかったそうだ。もっともバルバラが一緒で無かったら、騙(だま)されていた可能性はあるだろう。


結局高く売却できたのは

黒胡椒10kg:金10kg=金貨3333枚と銀貨6枚

上白糖10kg:銀10kg=銀貨3333枚と銅貨6枚

干椎茸10kg:銀10kg=銀貨3333枚と銅貨6枚

だった。


 購入したのは10人の獣人家事奴隷だが、1人当たりの平均購入価格は銀貨577枚だった。商品によって、金銀銅貨のどれかで売買することになるのだが、売り手がどの貨幣で売るかを決めることができる。買う側が売り手の希望に合わせて貨幣を調達する必要があるそうだ。


 幸い今回は、黒胡椒などを売却する際に金銀銅貨を望むままに調達できた。その御蔭で10人分の銀貨5770枚を、両替手数料なしで手に入れる事ができた。もしそうでなければ、金貨を銀貨に両替するのに2%程度の手数料を取られるそうだ。


 今回の売買で俺が使ったと言うか、支払ったのは以下だ。

身代金 :金貨100枚

魔道具分:金貨500枚

奴隷  :銀貨5770枚

生活費 :銀貨230枚(23日分)


俺の手元に残った貨幣は

金貨:2733枚

銀貨: 902枚

銅貨:  12枚


 問題は今後の生活費なのだが、日本に戻れずローゼンミュラー家の世話になる以上、彼女たちの利益になり続けなければ命の保証がない。彼女たちが目先の財貨に目が眩み、俺を殺して金貨と魔道具を奪う可能性があるのだ。


 そこで彼女たちがダンジョン都市で従士として召し抱えた冒険者・傭兵を、俺が自分の護衛に雇うと言う体裁を取って毎月金貨を支払う事にした。事情を聞けば、限られた領地で分家できなかった領民子弟が、ダンジョン都市で命を懸けて働いていたそうだ。元領民にしても、命懸けの仕事を止めることができて、従士として故郷に戻れるならそれが1番だ。もっとも冒険者ととして名を上げ財を築いていれば別だが、そんな者はいなかったようだ。


 そして俺が支払う金額だが、歩兵の日当は銀貨1枚と銅貨3枚が相場なのだが、ローゼンミュラー家の取り分も加えて銀貨2枚となった。次にローゼンミュラー家は辺境なので、隣地から食料を輸入するのに費用がかかる。そこで食費として1日1人銀貨1枚を支払う事になる。俺と10人の奴隷に傭兵10人で毎日銀貨21枚は必要だ。つまり合計で毎日41枚の銀貨が俺の手元から消えて無くなるのだ。

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