第129話 生きるは死・死は生きる

多分、あの世でも私は1人でしょう。


でも、私がいた事を忘れないで下さい。


このノートを見た人は、私が必ず殺しに行きます。


死死森零子。


里奈は思わずノートを落とした。


「な…何これ…私達、助かるどころか…こ…こ…殺される」


波は無言のまま膝をついた。


明日香や杏子は体が小刻みにに震えた。


章は唾を飲み込み、ファイルの方を見た。


そこには、当時の霊子のクラスメートが書かれていた。


章は震え、興奮し声を荒げた。


「なぁ、吉沢先生の机の写真、確か200年前だよな?…こ…ここにか…書かれているの300年前になってて俺達が写ってるぞ?」


里奈はファイルを章から取りあげ、確認した。


宮本里奈…家族全員死亡。


三沢瑠璃…家族全員死亡。


内田明日香…家族全員死亡。


とクラス全員の家族が死んでいた。


「これ、多分、前世の前の更に前の出来事じゃない?…私達は霊子と関わって家族を失った?けど、直接関わった私達は何で無事だったの?」


里奈の言葉に波が言った。


「じゃあ、私達生まれ変わる度に霊子に会ってるって事?…そんなの、どうやったら私達助かるの?」


里奈は返事もなく、ファイルを読み漁った。


そこには担任、吉沢健と書かれ写真も貼られていた。


「やっぱり…吉沢先生も、私達同様巻き込まれてた…じゃあ、先生は復讐を?」


杏子が詰め寄る。


「でも、先生は生徒も殺したよね?」


章は里奈見た。


里奈は次のページをめくる。


学校名…死別世煉高等学校。


「学校名が少し違う…でも似た名前」


明日香が次のページをめくった。


白紙のページが続いた。


最後の1ページをめくった。


そこには初代校長の写真が写ってた。


だがその人物は、死死森霊子と書かれ霊子に瓜二つ。


里奈は直感した。


やばい。


これは逃げられない。


死ぬ?怖い…死にたくない。


逃げなきゃ。


「みんな逃げよう…早くしないと殺される」


波は慌ただしく言った。


「どこに?外も危険だよ?…あんな、木から血が流れたり、血の雨が降る場所には、行きたくない」


章も続いて言った。


「こんな事なら…生き残らなきゃ良かった。」


里奈はみんなを連れて、屋上に向かった。


屋上の扉の前まで着くと、したの方から物音がした。


里奈が確認しに行った。


「みんなは、早く屋上に行って、私が見て来るから」


里奈は壁を背に預け、片目を出し廊下の様子を伺った。

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