JAPARIPARK SPECIAL LIVE

しゅがーらすく

JAPARIPARK SPECIAL LIVE

 隊長らによってセルリアンの討伐、解決後ジャパリパークが再オープンしてからたくさんの人がパークに訪れるようになった。セルリアンの件もあり、緊急時にはパークガイドによる避難誘導、定期的な避難訓練、フレンズ達による探検隊、警備隊の組織、強化、ハザードマップ作成など安全対策が見直されるようになった。そんなパークでは現在空前のアイドルブームとなっている。中でもロイヤルペンギン、コウテイペンギン、イワトビペンギン、ジェンツーペンギン、フンボルトペンギンで構成されたペンギンアイドルユニット「PPP(ぺパプ、Penguins Performance Project)」はパーク内では勿論、外でも知らない者はいないと言われるほど有名で人気だ。そんなPPPの人気に影響を受けたのか、歌ったり踊ったりして有名になりたいと考えるフレンズが現れ始め、サーバルキャット、アライグマ、フェネックによる「どうぶつビスケッツ」、ドール、ミーアキャット、マイルカによる「はなまるアニマル」、ブラックバック、タスマニアデビル、オーストラリアデビルによる「ばってんジャパリ団」、カタカケフウチョウ、カンザシフウチョウによる「Gothic×Luck」など、多くのアイドルグループが結成されていった。

 しかしそんなアイドルブームの裏で問題になっていることがある。

 ファンの心ない行為である。

 例えば、グッズやチケットを買い占め転売する者、会場内で録音録画飲食をする者、応援ライト(ひかるぼー)やタオルを振り回し、隣の人やアイドルフレンズ本人に当たるなど、ルールを守れない、危険なファンが増えているのである。勿論、ルールを守って楽しんでいるファンもいる。だが、ルールやマナーを守れないファンのせいでルールを守っているファンが不快な思いをしているのである。


 …というのはちょっと前の話。今ではファン全員がルールをきっちりと守っている。なぜだろう、何があったのか?と不思議に思うだろう。それは、とあるライブでファンがきっかけで起こった事件?にある。それは「神ライブ」と呼ばれ、今でもファンの間では崇拝、信仰…といった一種の宗教的な扱いになっている。

 その「神ライブ」ではどんな事が起こったのだろうか。紹介していこうと思う。


 世界動物の日(10/4)パークセントラル 18時 晴れ 野外 座席あり指定 空が薄暗くなってきている。

「本日は、ジャパリパークスペシャルライブにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。」

 PPPマネージャーのマーゲイの声が入るとともに、会場内はさらに盛り上がりを増し、拍手が巻き起こる。今日はジャパリパーク再開園一周年を記念して、パーク中のアイドルがパークセントラルに集まる特別な日、ジャパリパークスペシャルライブである。しかもこのライブがすっごーいのはアイドルが集まるだけでなく生演奏で行われ、ステージ裏では「PB(Penguins Band)」のマゼランペンギン(ギター)ヒゲペンギン(ドラム)アデリーペンギン(キーボード)マカロニペンギン(ギター2)キングペンギン(ベース)ケープペンギン(その他)のフレンズがそれぞれ楽器のチューニングを行っている。ステージはドームを半分に切ったような形となっていて、超満員である。

「開演に先立ちまして、お客様にいくつか注意点がございます。会場内では飲食禁止となっておりますのでご飲食のほうはご遠慮くださいませ。携帯電話、スマートフォンの着信音などは他のお客様のご迷惑となりますので、電源をお切りくださいますようお願い申し上げます。また、会場内での録音、録画行為は関係者以外禁止となっております。発見した場合、データを消していただきますのでご了承くださいませ。また、会場内でスタッフが他のお客様のご迷惑となるような行為を発見した場合、注意、退場していただく場合がございます。『記録よりも記憶に残るライブにしましょう~!!』」

「おおーー!!」パチパチパチパチ

 会場からはより一層大きな拍手が起こる。

 ~ステージ裏~

 キン「PBの方はチューニングばっちり、楽器の方も万全ですコウテイさん。」

 コウ「準備できたみたいだな。(白目)」

 イワ「気絶かよ!」

 フル「んぐー」

 プリ「もうフルル、大丈夫?ライブ前に何やっているのよ!」

 ジェ「ジャパリまん喉に詰まらせたんだと思います…」

 プリ「はあ…はい水…」

 サー「はいはーい!どうビス準備できたよ!」

 アラ「燃えてきたのだ!」

 フェ「燃え尽きないようにね~」

 ブラ「我らも準備できている!漆黒の闇を見せる準備がな!」

 ミー「ドール、振り付け大丈夫ですの?」

 ドー「もちろんです!」

 カタ「漆黒の闇?その程度の黒が…?」

 カン「本物の黒である我らが本物の闇だ。」

 ブラ「何ィ!?」

 オー「喧嘩しないでよ~」

 プリ「皆準備はできたみたいね!輪になって肩を組んで?掛け声行くわよ!」

 肩を組んで円になる皆。

 プリ「それでは、最高のライブにしましょう!けもの…」

 全員「フレーーーンズ!!!」


 アイドルの登場を今か今かと待っているフレンズやゲストたち。そこに再びマーゲイの声が。

「お待たせ致しました。それでは、ジャパリパークスペシャルライブをお楽しみ下さい!」

 会場の拍手とともにサンドスターのテーマが大音量で流れる。観客のペンライトは緑に染まる。

「ぷしゅー!!」ジェットスモークの演出が入る。そして3+5+6人に別れた影が。

 お馴染みのホルンの音に鐘の音…そして曲のスタートを合わせるためヒゲペンギンがドラムを4つ刻む。

 一気に14人が表れ、照明が明るくなる。

 始まった。

「♪Welcome toようこそジャパリパーク 今日もどったんばったんお・お・さ・わ・ぎ!!」

「う~がおお!!」会場全体から発せられる気合の入った声。

「ここはセントラルちほー、今日は来てくれてありがとう!」「皆、気合はいってるね~」「よーし、アライさんも負けないのだ~!」「皆、行くわよ!」「もっと張り切らないと!」「一生懸命がんばります!」「超ロックだぜぇ!!」「会場緑だね~」全員「おおおおお」

 東へ吠えろ「うーがおお!」西へ吠えろ「うーがおお!」

「よ・う・こ・そ・ジャパリパーク!!!」「おおおおお!!!!」拍手と歓声

 一曲目からこんな気合で後が持たないのではというくらいの勢いだ。

 サー「夜行性のみんな~!こんばんは~!サーバルキャットのサーバルだよ!皆すっごーい気合だね。こっちにもびりびり伝わってきたよ~。」

 アラ「アライグマのアライさんなのだ!パーク再開園一周年おめでとうなのだ!」

 フェ「フェネックだよ~よろしくねー。世界動物の日でもあるよ~!」

 サー「じゃあ次の曲~」

 コウ「おいまてぇ!!!」

 サー「さっすが芸人~」

 コウ「いや誰が芸人だよ!」足踏み、会場の皆も合わせてジャンプする

 プリ「というわけでー」会場が笑いに包まれる

「ロイヤルペンギンのプリンセス!」「コウテイペンギンのコウテイだ!」「ジェンツーペンギンのジェーンです!」「イワトビペンギンのイワビーだぜ!」「フルル~」

 皆「何ペンギン~?」

 フル「フンボルトペンギン~!」

 サー「私たち~」

 3人「どうぶつビスケッツ×」

 5人「PPP!」わーー(拍手)

 フェ「ついでに後ろの芸人にも自己紹介してもらおっか~」

 キン「いや誰が芸人ですか!パート2!」足踏み ジャンプ

 キン「決まったな。それでは自己紹介といこうか。私はキングペンギンのキング、ベース担当だ。まだまだコウテイさんのようにカッコよくないがPBのリーダーやっている。」でゅいーん

 マカ「マカロニペンギンのマカだぜ!イワビーぱいせんにめちゃ似てるって言われっけど、この黄色いの、オレンジっぽくて繋がってんのが俺だから、間違えんなよ!担当はギターだぜ!」ぎゅーーん!!

 アリ「あの…アデリーペンギンです。アリーって呼んでください。担当はキーボード…目立ちたくなかったけどそこにいるヒゲッペに『お前キーボードできるんじゃね?』って言われてバンド始めました。まあ、今ではだいぶできるようになったんで…えっと…がんばります!」ジャラ~ン!

 ヒゲ「…アリーもっと自信持てよ!ヒゲペンギンの…えっと…あんまりヒゲッペって呼ばれたくないんだよね。バンドのやつならいいんだけどなー。あのPPPとかいうのにいるあの黄色いひらひらがうぜー岩野郎には呼ばれたくないんだよね。で、担当ドラム。メタルにいってやるよ!」どんどんどんしゃん!!!

 アリ「は、はい…」

 イワ「なんだよ、ライブ中に先輩に喧嘩でもふっかけるつもりかおい!?」

 ヒゲ「イワビー先輩を先輩だなどと、そのようなことがあろうはずがご・ざ・い・ま・せん!」

 キン「今先輩って…」

 ヒゲ「あ…う、うるせー!」

 笑い

 イワ「ほらほらー、俺のこと先輩って言ったよな、な、な~!」

 ヒゲ「やめろ!うぜー!!構うな!!」

 イワ「ほらほらほら~!」

 ラン「えっと~~~!!マゼランペンギンのランで~す!フルルさんに似ているけどいろいろ多いで~す。例えばこの黒線、二本だからね~。一応ギターだけど、いろいろできるよ~。よろしくね~」

 忍びよってくるあの影は…!?

 キン「あれ?」

 ヒゲ「ケープがいないぞ?」

 ケー「わわ~」

「ふぅーーっはっはっはっは!」タス「ケープとやらはばってんジャパリ団のメンバーになってもらうぞ!!えっと…返してほしければ返す!」

 笑い

 オー「素直過ぎませんか?」ブラ「全く…タスマニアデビルらしいな。だが、それでこそ我が右腕。」

 ラン「返して~」タス「いいぞ!」ケー「わっふ~い」

 マイ「ああ、それマルカの口癖、とった~泥棒だ!」

 おおおお!?(歓声)

 ミー「待ってマイルカさん、あなたの出番はもっと後ですの!」

 ドー「戻って戻って!」

 マイ「はぁ~~い!」

 笑い

 ケー「ケープペンギンのケープで~す!ボーカルとか吹奏楽やってます!よろしくお願いしま~す!」

 拍手

 キン「6人で!」

 6人「ペンギンズバンド!」楽器を一斉に鳴らす

 歓声

 ブラ「では我々闇のフレンズのintroductionといこうか…闇より出でし」

 2人「闇を糾い!」

 ブラ「この地を漆黒の闇で支配し混沌へと変える…我ら」

 3人「ばってんジャパリ団!」

「我が名はブラックバック!」

「タスマニアデビルだぞ~」

「オーストラリアデビルです~」

 会場の皆は光る棒で赤いばってんを作り出した

 ブラ「クックック…団員の皆、天をも焦がす炎の如く赤き滅亡の光『ばってん』を感謝する。そんな団員の皆に報告がある!」

 おおおおおお???

 ブラ「本日、新たなるレクイエムを宿した…新曲の宴だ!」

 おおおおおおおお!!!!ばってん!

 ブラ「というわけでどうビスPPPの皆さん、申し訳ないが我らのレクイエムがあるので一旦お下がりいただいて…」

 プリ「あ、そうね。」フル「ばいばーい」サー「まったね~」


 ブラ「では団員の諸君、お待たせした。我らの新曲!」

 3人「ジャパリラプソディ(狂詩曲)~ジャパリ団のテーマ~!!!」

 会場はすべての正義を制する悪の赤き照明とばってんに変わり、団員たちのテンションは最高潮に達した。そこにスピーカーから体に響く重低音とマカとランのギタースライドが加わる。

 ♪♪

 ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!

 更にダブルデビルのデスボイスが会場内に響く。もちろんマイクは外している。

(本創作内でははなまる、ばってんの曲は最初の1曲目を新曲として扱っています。2曲目も含めてタイトル、歌詞がわからない(私だけ?)ので。2019年11月公開日現在)


「ふーっはっはっはっはっは!!!」

 タス「どうだ!ジャパリ団の曲は~!」

 ブラ「血が騒ぐだろう?」

 オー「団員達のばってんはとても美しいですね!」

 ブラ「最高だ…実に素晴らしい!!特にマカロンのギタースライドには心が震える!」

 マカ・ラン「誰がマカロンだって?」「え?」

 笑い

 ブラ「おっとっと、すまない。」

 ??「お前たちだけで盛り上がるとは…」

 おおおおおおおっ!?!?

 ブラ「(一応知ってはいるが打ち合わせ通りに…)な、何者だ!!!」

「私はカタカケフウチョウ」

「私はカンザシフウチョウ」

 2人「我ら『Gothic×Luck』!!!」

 ふぉーーー!!!

 新たなアイドルの登場に会場は大盛り上がり。

 カタ「おい、ブラックバックとやら。」

 ブ「な、なんだ?」

 カタ「我らは光をも吸い込む本物の黒ダ。その吸収率99.95%だ。お前らの黒が光をいくら吸収したとて」

 カン「この黒を超えることはできぬ。つまり本物の黒は我らゴクラクにこそふさわしイ。」

 ブラ「っくっ…くそう。」

 オー「ブラックバックちゃん…」

 ブラ「…勝負といこうではないか!どちらが本物か、勝負だ!」

 カタ・カン「勝負?わけのわからないことを。」

 ブラ「会場の団員達に聞く。ゴクラクが本物の黒なら黄色、我々が本物の黒なら赤だ。天焦がす滅亡の光の棒で勝負しよう!」

 カタ「では光る棒を掲げてもらおう!」

 会場は黄色と赤色に別れた。ほぼ同点である。

 カタ「引き分けか…」

 ブラ「いい勝負だった。」

 握手、拍手

 ブ「では我らは退却だ。我が友に敬意を表して。」

 ダブルデビル「たいきゃ~く!!」

 カタ「ばってんジャパリ団…面白いチームだな。」

 カン「ゴクラクにも負けない闇のチームであったな。」

 2人「「では我々の踊りも披露するか」」

 カン「といってもカタカケ、何をするか決めていない。どうするか。」

 カタ「会場の誰か2人を選んで4つの中から2曲を選んでもらう。リクエスト形式といこうか。」

 おおおおおおお!?!?!?

 そう言って観客席の方に静かに飛んでいく2人。観客席ではゴクラクのリクエストに選ばれようと皆ペンライトを青や黄色にして振って必死にアピールしている。

 カタ「そこの君だ。」

 カン「君は選ばれた。」

 暗黒の選別、終了。拍手

 カタ「フレンズだな。しかもなかなかの黒だ。」

 カン「パークガイドか。帽子に羽飾りは二つ。」

 カタ「マイクを渡す。何の曲がいい?」

 カン「何が聴きたい?」

 ヤマ「あ、あの。私ヤマバクっていいます。「星をつなげて」がいいです。私の一番好きな曲です!」

 ミライ「ミライです。はあぁ~~~カンザシフウチョウさん…幸せですぅ~~えと、えっと…」

 カン「早くしてもらえないか?」

 ミライ「は、は~い!!「きみは帰る場所」が聴きたいです~~!!」

 拍手

 カタ・カン「決まりだな!」「バンドの方はできるか?」

 キン「任せろ!4曲練習済みだ。」

 アリ「ちょ、ちょっと不安…」

 マカ「自信持てよ!」

 ヒゲ「そうだぞ!あんだけ練習したんだ!」

 アリ「う…分かりました!」

 カタ・カン「それでは、Gothic×Luckで2曲続けて」

「星をつなげて、きみは帰る場所」

 会場は星をモチーフにした照明やセットにチェンジした。飛べるスタッフフレンズの力があってこそである。ミラーボールがきらきらと光り輝く。プラネタリウムにでも行っているかのようだ。二人のフウチョウの青、黄色いリボンの飾りが目立つ。その色のペンライトが周りで輝く。

 先ほどのぎゅーんというギタースライドは違い、クリーンで軽快な音。キングのベースピッキング音が響き、アリーのキーボードはきらきらと駆け上がる。アリーが曲に自信がなかったのはこのきらきらと音が駆け上がるパートが難しいからだ。(おそらく)


 ♪君に出会える毎日がずっと続くといいな 今日がまた

 踊るように

 歌うように

 眩しいくらい煌めいて

 悲しくて涙が出てもこの手を握りながら 「変な顔」って笑ってくれる君の事が大好きなの。

 だから一緒の今日が君と同じくらい 大好きなの


 ♪未来は光の向こう 不確かな物語が

 この先でほら

 僕らを待ってる

 手を繋いでさあ踊ろう

 誰も知らない世界も 怖くない君といれば 何万年たって化石になっても

 君のもとにさあ 帰れるんだ 旅は続いてく


 2人の幻想的な踊りに拍手をしない者はいなかった。

 会場の照明が少しの間暗転。明るくなるとそこには幻想的な踊りを披露してくれた二人の姿ときらきらの飾りは消えていた。マジックショーのような幻想的な退場である。我々は夢でも見ていたのだろうか、そう思わせるような演出だ。

 マイ「わっふ~~~い!!!!!」

 おおおお!?!?

 はなまるの3人がステージに登場。

 ミー「さっき一瞬登場してしまったからあんまり注目されていない気がしますわ。」

 笑い

 ドー「私たち…」

 3人「はなまる~……」

 全員「アニマル~~!!!!」

「ドールでーす!」

「ミーアキャットですわ!」

「マイルカだよ!わっっふーい!」

 全員「わっふ~い!!!」

 ドー「それでは聴いてください!はなまるアニマルで」

 3人「いつだってはなまる!バンドアレンジ!」

 じゃ~~ん!じゃーんじゃーん

 ♪Wow wow ダンス×3 踊ろう 騒げ(ふー) 尊いね まあるいこの世界 わ!(わ!)わ!(わ!)いつだって 私たちの味方さ 

 それゆけ探検隊 どんな時で(ふー)も いつだって そばにいるんだ いるなら それはもう はなまるだね!

 セルリアン討伐で活躍した探検隊の精鋭から編成されたアイドルグループということで歴は浅いが注目されている。ドールが探検隊兼はなまるのリーダーで実力はあるがダンスの方は一番下手でぎこちない。しかし更なる成長が期待できる元気でエネルギッシュなグループだ。

 拍手とペンライト振り

 ドー「わ~ありがとうございます~!バンドの皆さんもありがとうございます。会場のひかるぼーきれいですね~!オレンジ色は私の応援ですかー?」

 わ~~~

 ミー「ミーアキャットの…ベージュ?色はありませんね…白…ということで?」

 マイ「マルカはね~水色だよ~!わっふ~い!!」

 わっふ~い!「マルカ~~」

 ドー「いやー、こんなに大きなステージで踊るの初めてだから緊張して振り付けかなり間違えましたぁ~」

 ミー「次のライブに向けてドールだけ練習量2倍ですの!」

 ドー「うっ…。」

 ミー「当然ですの!ドールだけあの手をくるくる回すところ反対でしたの!」

 ドー「というわけで、次は大先輩どうビスの皆さんなので私たちはこれで…ありがとうございました~」

 ミー「ごまかさないで!待ちなさ~~い!」

 笑い

 マイ「皆~ばいば~い!!」


「いえーーい!!」「なのだ~~」「わ~~~」

 サー「はなまるアニマルかわいかったね!」

 アラ「でもアライさんのほうがかわいさでは負けてないのだ!」

 フェ「アライさんかわいいよ~!ふふふ~」

 アラ「ふぇ、フェネック…急になんなのだあ!?」

 Foooooooooo!! おおお!?

 サー「ねー私は?私は?」

 フェ「う~ん…まあ、いいんじゃない?」

 サー「ひどいよ~」

 笑い

 サー「さて、それでは…新曲の方披露するよ!バンドの皆はちょっとここでQK!」

 ケー「やっとQKだよ~」

 マカ「俺より出番ねーのに疲れてんのかよ~」

 笑い

 キン「では後でな!」

 ラン「またね~~!」

 サー「ありがとね~」

 アラ・フェ「ありがとなのだ~」「ありがと~」

 拍手。マカとランはギターをギタースタンドに立て、ステージ裏に入ってく。

 サー「次の新曲には「だんだんだーん」とか歌詞が上の方のスクリーン?に乗るから皆掛け声よろしくね!それでは聴いてください!どうぶつビスケッツで」

 3人「わっはっはっえがお!」


 ♪わっはっはっとガオガオ(ガオー)寂しくない一緒だから

 わっはっはっ笑顔ハロー(ハロー!)

 ドキ・ドキしちゃうねいつも ワンツースリーでGO まだ見ぬ場所へ~!


 アラ「ふっふっふ!新曲は1曲だけ…そう思っているはずなのだ!驚けなのだ!実は…」

 フェ「これ以上はネタバレ禁止だよアライさん。皆さん、CDを買ってのお楽しみだよ~」

 おおおお!?拍手

 サー「え~それじゃあ皆がかわいそうだよ~いいんじゃない?発表しても。」

 フェ「これも戦略の内さ~。」

 サー「出た。悪いフェネックだ!う~ん、仕方ないかぁ…皆、音の出る円盤…CD買ってね!1ヵ月後発売だから!初回限定版は私たちのサインカード入りだからね~!」

 おおお~~拍手

 サー「はい、宣伝終了!次の曲、いっくよー!」

 わ~~~~~!!!

 サー「それでは聴いてください!ホップステップフレンズ!」

 Let’s hop step 皆集まってjump jump すっごい いい感じ!

 君とどこまでも~ゆきましょう!


 拍手

 サー「みんな~ありがと~!!」

 アラ「今日は最高の日なのだ!」

 フェ「まだまだ歌うから、楽しみにしていてね~!それじゃあ!」

 3人「一旦QK!」サー「座って待っててね!」


 風を感じてが流れる


 マー「いや~、皆さん。ライブ楽しめてますか~!?」

 全員「おおおおおおお!!」

 マー「楽しめているようで良かったです~。皆さんも、疲れているでしょうから、QKタイムです~。では、アイドルの皆さんとバンドの皆さんは集合してください!」

 アイドル・バンド「わ~~~、いぇ~い!」

 それぞれパイプ椅子を持ってきて集合する皆

 マー「はい、全員集合したみたいですので始めたいと思います。『ジャパリパーク、お便りコーナー!!』」

 拍手

 マー「このコーナーでは、ファンの皆さまから頂いた質問に、パークのアイドルフレンズが答えちゃいますよ~!…それでは早速。えー、」

 質問箱から一枚紙を取り出す

 マー「えー、お便りネーム「M字ハゲ」さんからPPPの皆さんに質問です。『皆さんの好きなフルルーツは何ですか?』」

 プリ「まずはフルルからね。どうせ秒で答えるから。」

 フル「う~ん…」

 マー・プリ「………?」

 フル「マスカット!」

 笑い

 マー「ええっ!?グレープじゃないんですか?」

 フル「最近のマイブームが、皮ごと食べられるナカベちほー産マスカットかな~。後、そのナカベ限定マスカット&ホイップクリーム入りジャパリまんかな~」

 ジェ「さっき『賞味期限切れる2時間前だしライブ前だから急いで食べなきゃ』って言って喉に詰まらせたアレですね。」

 笑い

 マー「これまた随分と高級志向ですね。」

 コウ「なぜ直前になって食べるんだ?」

 フル「だって~楽しみにとって置いたんだも~ん。そしたらライブの時間になっちゃって…」

 プリ「どんだけマイペースなの!?」

 笑い

 イワ「っていうかそのマスカット好きの件、グレープあいつに言ったら悲しむかもだぜ!」

 フル「ごめんなさ~い…勿論グレープも好きだからね~。」

 マー「他の皆さんは何のフルーツがいいですか?」

 コウ「私はリンゴだな。ホートクちほー産の。」

 イワ「俺は黄色いバナナとパイナップルかな~」

 プリ「私は気品溢れる果物の女王…メロン!」

 ジェ「え?(どうしましたプリンセスさん?)ちなみに私はイチゴです。」

 マー「私は桃です~。ぐへへ…ということで、2問目にいきます!えー、お便りネーム「パークの支配者」さんから、ジャパリ団の皆さんにです。ジャパリ団の団員入団条件が分かりにくいので教えてください。」

 ブラ「パークの支配者だと…!?我より先にパークを支配するとは…やるな~!」

 タス「早く質問に答えようぜ!」

 ブラ「よし、条件は簡単だ。我らジャパリ団の悪の考えに賛同し、かつ、我らに魂を売っても良いと思う強き志だ。そしてその魂は永遠に虚無の世界を彷徨い続け、二度と戻ることはない。」

 マー「えと、つまり…」

 オー「誰でも歓迎です、ということです。」

 マー「すみません。中二病用語分かりませんので…」

 笑い

 マー「では申し訳ございませんが最後の質問とさせていただきます。お便りネーム『私の戦闘力は3000円です』さんから、アライさんとフェネックさんに質問です。いつも仲良しアライさんとフェネックさんの出会いのエピソードを教えてください。」

 アラ「それはだな、アライさんがさばくエリアを冒険していたときなのだ。さばくのド真ん中で意識を失って倒れていたときなのだ。近くにいたフェネックが穴を掘って涼しくしてくれてな、助けてくれた上に出口まで一緒に行ってくれたのだ。なんとフェネックの持っていた水筒の水まで分けてくれたのだ。それからフェネックと一緒に冒険するようになったのだ。つまりフェネックは命の恩人なのだ!優しいのだ!ありがとうなのだ!」

 拍手

 フェ「嬉しいねーアライさん~。私も毎日楽しいアライさんが見られるから楽しいよ~。」

「フェネック!」「アライさん~」

 抱き!!

 マー「うずぐじー友情でず~~~(美しい友情です)」

 プリ「…というわけで、QK終了!立っていただいて…皆さまお待ちかねPPPと、どうビスPPPのパフォーマンス、お楽しみに!!」

 会場の拍手とともに照明が暗転。バンドとPPP以外退却していく。


 裏

 プリ「マーゲイ大泣きだったけど大丈夫かしら!?」

 マー「大丈夫です!ご迷惑をお掛けしました。ジャイアント先輩、演出の方とスピーカーは大丈夫ですか?」

 ジャ「ああ、大丈夫だ。任せな!ファンのハートをがっちりゲットだぜ!」

 マー「ありがとうございます。」


 マー「それでは、お待ちかね、PPPの登場です!!!」

 会場が明転、ヒゲッペがドラムのスティックを叩く

 1、2、12

 マカとランがギターを弾き始める。ケープはホルンを吹く。会場は青に染まる。

 純情フリッパー

 ♪夢色とりどり モノクロの羽で カラフルな時間 おいで×2 楽しんじゃおう

 光のシャワーを ほら 受け止めたらオーライ 不器用な翼で届けるんだ

 ぺたぺた ぱたぱた ぷかぷか ラブ・ラブ ぺパプ

 ぺたぺた ぱたぱた ぷかぷか ラブ・ラブ ぺパプ!


 大陸メッセンジャー


 ♪愛を込めface to face 伝えよう 心からface to faceおめでとう

 君が笑えば 他に何もいらない 時を止めeye to eye見つめよう 2人占めeye to eye まるごと

 一途な愛を 運ぶよメッセンジャー!


(タオルを振り回す。)

 ファーストペンギン

 飛び込めダイバー(ダイバー)最初の覚悟を(GO) 波を突き抜けて(GO) もっと深く知りたい

 追い付けダイバー(ダイバー)今は遠いけど(GO) あの背中のように(GO) もっと強くなりたい

 そうさ 誰よりも早くゆくんだ ファーストペンギン


 大空ドリーマー

 空は(空は)飛べないけど 夢の(夢の)翼がある(ふー)

 だから ぽたぽた汗水流して(いぇい)ぱくぱく大きく育って(いぇい)いつか大空を制すのだ

 泣いたり笑ったりpop people party PPP 

「自己紹介いく痛っ!!」「…コウテイ!」「ジェーン」「イワビー」「フルル~」「五人揃って」「PPP(だよ

 です…)」「合ってないですよ!」「はああ…」


 フルーツ!フルーツ!フルルーツ?


 バナナ りんご メロン もも いちご にパイナップル

 バナナ りんご メロン ああもっと食べたい!!

「誰かジャパリまんもってない?」「会場は飲食禁止だぜ!」じゃ~ん!

 PPPの曲は全部で5曲披露された。その間に事件が起きた。勿論彼女らはプロなので、途中で歌を切り上げるわけにはいかない。事件1…まずファーストペンギン。ファンがタオルを振り回す演出があるのだが、一部ファンがテンション上がり過ぎてタオルを宙に投げてファン同士ちょっとしたトラブル。

 事件2.…大空ドリーマーでテンション上がりまくったファンの手が滑りペンライトがセンターのプリンセスの脚に当たる。

 以上。

 見事なマカのソロギターはイワビーもびっくりの実力だ。会場内はソロギターパートの後に拍手が起こった。

 その後、PPP応援歌なる曲をPBが歌った。

 プリンセスは怒りと痛みをこらえているような悲しげな表情をしたようにも見えたが、ファンのためか、自分の顔をぺチンと叩き、笑顔をつくる。


 そのままどうビス、はなまる、ばってん、ゴクラクが合流、以下の曲が披露された。

 乗ってけジャパリビート

 ♪Oh welcome to ジャパリストーリー 君に(がおー)降り注ぐストーリー ほら とりとめない今日の日も近未来入れ歯ファンタジー アダム☆降臨!


 フレフレ・ベストフレンズ

 ♪忘れないで勇気(勇気)君のなかにあるよ(Oh baby)この広い世界で(世界で)解き明かす地図があるなら

 ほら何回だって何回だって 旅に出ようよ さあ続け(続け)進め(進め)未踏のエリア

 さあ続け(続け)進め(進め)未踏のエリア


 プリ「いよいよ最後の曲となってしまいました…」

 アラ「もう終わりなのか!?」

 ドー「楽しい時間というのはあっという間ですね…」

 マイ「マルカももっと踊っていたいよ~」

 カタ「それは私もだ。」

 カン「とても楽しい時間だった…」

 キン「我々バンドもだ。」

 ミー「ドールはこの後のレッスン2倍が嫌なだけですの」

 ドー「ばれました?」

 笑い

 サー「じゃあ皆準備良い?…それでは聴いてください!」

 3人「どうぶつビスケッツ×」

 5人「PPP+」

 3人「はなまるアニマル+」

 3人「ばってんジャパリ団+」

 3人「Gothic×Luck with」

 6人「 Penguins Bandで」

 全員「け・も・の・だ・も・の!」

 ♪Welcome Welcome ジャパリパーク 皆で輪になって 大冒険 過ごした時間が 奇跡だって呼び合えるように

 顔も 声も 毛並みも 皆それぞれだけど そんなの関係ない け・も・の・だ・も・の!


 その後、けものだもののアンコールが2回入り、やっとすべての歌を終え終了かと思われていたが…

 プリ「本日はお越しいただき、誠にありがとうございました!これからも、私たちパークのアイドルはもっともっと練習し、新曲もたくさん出してファンの皆さまを更に楽しく、勇気づけられるようなパフォーマンスをしてまいりますので、よろしくお願いいたします!本日は、本当にありがとうございました!」退場

 一人が…

 アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!

 続けて…

 アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!


 3回目のアンコールである。

 皆がアンコールに応えるため、ステージに戻る。ただ一人を除いて。

 おおおおおおお!!!ぱちぱちぱち!盛大な拍手喝采

 フル「アンコール出ているよ?」

 カタ・カン「なぜプリンセスあいつはステージに戻らない?」「アンコールだぞ。」

 イワ「どうしたんだよプリンセス!」

 ステージ裏放送室前

 プリ「ちょっとマーゲイ、放送マイク貸して!」

 マー「え、ちょ…」

 プリ『いいから貸しなさい!!!』

 キーン…

 マイクに電源が入った音がした。


 プリ「ロイヤルペンギンのプリンセスよ!皆、今日は本当にこれで良いわけ?」

 サー「どうしたのかな…?」

 アラ「のだ?」

 タス「なんだ?」

 アイドルも含め、会場がざわつきはじめる。

 プリ「最近、アイドルブームの中でファンの態度が今非常に問題になっているのは知っていると思う。私たちの仕事は、ファンを楽しませ、笑顔にすることだからライブを切り上げてまでこれを言うのは我慢していたわ。でももう限界よ。ファンの誰かが本当は手に入れるべきチケットを高く売るという転売を始め、今日のライブだって問題ばかりよ!グッズの買い占め…ファーストペンギンのとき、タオルを投げてトラブル。大空ドリーマーのときのペンライトも我慢していたのよ!それに、最後のアンコール、確かに終わらせたくない、こんなにも楽しいライブだから、終わらせたくないのは分かる。けど、皆体力は無限ではないし、いつかはそれぞれのおうちにかえらなくちゃいけない。ファンの為ならその思いに応えたい、そうは思うけど、粗悪なファンの応援には応えたくない。一部はわざとじゃない。だけど、それで誰かが迷惑しいているのなら、そうならないように気遣いなさい!自分だけでなく、皆が楽しいライブに、思い出に残るように…(グスッ)会場の食べこぼしを片付けるのは誰なの?あなたたち一人ひとりがルールを守らないと迷惑する人は誰?…がっかりよ。もうステージには戻らない。こうなるのなら、開催しなければ良かった…。ルールをしっかり守っていた皆さん、本当に申し訳ございませんでした…私は…ううっ…」

 会場はしーんと静まり返ってしまった。歌は終わったのに、誰一人として帰ろうとはしなかった。まるで時間が止まってしまったかのように皆動かない。いや、動けないと言った方が良いのだろうか。


 ?「プリンセスさんすみませんでした!」

 沈黙を破ってファンの一人が声を発した。

 フル「ん?誰か今、プリンセスさんすみませんって言わなかった?」

「プリンセスさんすみませんでした!」

 イワ「俺にも聞こえたぜ!」

 ジェ「聞こえました。確かに言ってます。」

 その声に導かれるように続けて口々にプリンセスとごめんなさいの声が響く。

 コウ「私が呼んでくる。」

 イワ「頼んだぜコウテイ。」

 しばらくして、コウテイに連れられて半泣き状態のプリンセスがステージに現れた。

 プリ「皆さま、私の方こそこんなことでいちいち怒ってしまうなんて…まだまだね。申し訳ございません。」

 ジェ「そんなことはありませんよ。ファンの皆さんも態度が良くないところありましたし。」

 イワ「そうだな…もう一度俺たちも、ファンの皆も、考えなくちゃな。ルールとか。」

 サー「ようこそジャパリパークへにも、「皆自由に生きている」って歌詞があるけど、だからって好き勝手になんでもしていいってわけじゃないもんね。」

 アラ「サーバルの言う通りなのだ。たまには良いこと言うのだな~」

 サー「たまにって何!?いっつも良いこと言ってるつもりだよ~!」

 笑い

 プリ「そういえば、最初に私にすみませんって謝ってくれた人は誰かしら。」

 フル「あの2列目の左の少年だよ~」

 プリ「あなたかしら?一番に謝ってくれたのは?」

 そういうと少年は小さく頷いた。その少年はフルルのような恰好、フンボルトペンギン柄パーカーと白い半ズボンをしている。

 プリ「今日は見苦しいところ見せてごめんなさい。お礼に何か一曲歌うわ。ステージに上がって!」

 そういうとプリンセスはその少年の元に駆け寄り、手を繋いで一緒にステージに上がる。

 プリ「まずは、勇気をもって一番に謝ってくれたこの少年に拍手!」

 会場はありがとうの声と拍手に包まれた。

 プリ「何の曲が良いかしら?」

 少年「フルルさんの『やくそくのうた』がいいです!僕、フルルさんの大ファンで。今日、お金がない中頑張ってお小遣い貯めてチケット買ったんです。しかもステージに上がれるなんて…僕もう嬉し過ぎて…」

 プリ「フルル、歌える?」

 フル「うん!でも音楽はあるの~?」

 プリ「アリー、弾ける?」

 アリ「え…でも練習してないから…すみません。」

 プリ「…じゃあアカペラで。」

 全員「ええっ!?」

 フル「わかった~。で、アカペラって何?」

 プリ「知らなかったのね…音楽なしで歌うのよ。」

 フル「じゃあ歌うね~」

 イワ「早速かよ!」

 その少年とフルルは手を繋いで歌う

 やくそくのうた


 ♪また 会いにゆくよ 遠くたって 君がくれた 夢をこの手に

 ねえ どんな君も 大好きだよ 全部 伝えるんだ

 一緒に過ごす幸せは ずっと変わらずに 続いてゆくから そばにいてね これからも


 フルル独唱。その少年もフルルと歌えてうれしそうな表情をしていた。

 そうして最後に「一周年だし特別だから。これが最後よ!」ということで「ようこそジャパリパークへ」でこのライブは幕を閉じた。


 ~DVD発売に向けて作業をするスタッフ達~


 スタッフA「何ですかこれは?」

 上司B「何だ、そんなに驚いて。お前も見ただろう、ジャパリパークスペシャルライブ。別にそんな驚くような…」

 ことはないだろうという言葉を遮ってAは「この映像見てください!!!」と言ってパソコンを見せた。

 そこには信じがたい出来事が映っていた。

 なんと、フルルとやくそくのうたを歌った少年の姿はその映像には映っていなかったのだ。

 A「映ってないんです。あの少年が。」

 B「お前、何か編集したな?そんなばかなことあるはずない!だって全員、その少年をライブで見たはずだろう!?一番にロイヤルペンギンのプリンセスに謝っていて…」

 A「そんなことしていません。それに…声も全く録音されていないんです。マイクの故障でもなさそうで。フルルさんの声や歌はきれいに録れているのに。撮れていなかったとき用の予備カメラとマイク5台でも同様の現象が。」

 B「どうするんだよ!勝手に編集したお前の責任じゃないのか?」

 A「そんなことしていません!」

 B「言い訳はもういい。せっかくのライブだぞ!パーク再開園1周年の記念の…はぁぁぁ、どうすんだよ。」

 後のことだが、このライブDVDは少年が映っていないまま発売となった。映像、音声の専門家に分析してもらったところ、現在の編集技術は素晴らしいが、ボーカルキャンセルや映像編集をすると元のものより劣化したり編集の後が残るため、まずありえないということでスタッフAの無実が証明され、Aはスタッフを辞めずに済んだという。そして、多くの転売ヤーなど悪質な人には何かしらの厄災があったそうだ。例えば、チケット転売ヤーは原因不明の高熱を出して入院、他の人も怪我、骨折など災難な出来事があったという。更に、それらのライブDVDが発売されてから映像を確認した者は衝撃を受けることになる。

「ライブの神様の怒りに触れるから迷惑行為止めた方が良い」「これが神ライブ」などと言われるようになった。

 霊媒師や神社、オイナリサマのフレンズに相談した者がいたが、神様なので祓うのはできない、寧ろ良い神様だということ、ルールを守れば何も悪いことはしないということが判明した。


 あの事件以来、パークのライブのルールは紐付きライトのみ、アンコールは2回まで…など徹底し厳しいものになったが、プリンセスと神様のお陰か、今では他のライブでも皆ルールを守ってライブを楽しむようになったそうだ。


 オイナリ「ん~、この桜でんぶ入り稲荷も美味しいですねえ~。ふぅ…ま、あの神様のお陰ですかね~。…フルルさんの人気が爆上がりしているのも。フルルさんは幸せ者ですね。……そうだ、東武ジャパリパークにアジとか巨峰でも持って行ってお供えしないといけないかしら…?」

 終わり

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