第19話 楓の供述

 わたる先生が、喜恵ちゃんの両親を殺したことを知ると、今まで黙ったままの楓は黒澤先生を突き落としたのは自分だとあっさり認める。

 楓は、わたる先生がいないと生きて来られなかったと話始める。幼少の頃、楓は父親から性的虐待を受けそれを知られた母親から暴力を受けていた。わたる先生は、楓を守るために楯となり母親から暴力を受け、父親にも楓に変な事をしないように話したことで暴力を受けていた。小学生のわたる先生と楓は両親から逃れるべく自宅に灯油をまいて火事を起こした。両親は火事で死んでしまい、二人は多額の保険金を手にしたが、わたる先生が高校卒業を機に、二人で今の家を建てて今までずっと住んでいた。保育士の学校に通い二人とも保育士の資格を取得して、わたる先生は保育園に楓は自身の精神疾患があったため、自宅で幼稚園前までの小さな子を預かる保育園を開業していた。そうやって支えあってきたなかで歪んだ正義感ができてきたのだと園田はなんとも悲しい幼少期の二人の話を楓の供述で知らされるのであった。

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