　「お空が綺麗だよ？」喜恵ちゃんが、カーテンを開けて楓に話しかける。

　「ほら、カーテンは開けないお約束だったでしょう？」楓は、キッチンから顔を出して喜恵ちゃんに注意する。

　「はあい。」

　楓がフライパンでチキンライスを炒めている。「喜恵ちゃんは、お家に帰りたい？」喜恵ちゃんがうつむきながら「…帰っても、叩いたり蹴られたりするから帰りたくない。」しばらくチキンライスを炒める音だけがしていたが、「じゃあここにいるの寂しくない？」と聞かれると「うん、お姉ちゃんとずっと一緒だから寂しくないよ。」笑顔でそういった。楓は、良かったといって玉子でオムライスを作る。喜恵ちゃんがケチャップで顔をかいた。

　二人は談笑しながら、夕御飯を食べていた。