整備士のリア

 Side 三枝 ユキノ


 リア。

 十代半ばぐらいの女の子。

 やや茶色掛かった髪の毛、気の強そうな目に顔立ち。

 頭に掛けたフライトゴーグル、整備工の人が着そうなボロボロなつなぎ服を着ている。

 

 整備士は貴重ではあるが、シェルターのパワーローダーなどに興味を持ってウエストタウンからこの土地へと流れてきたらしい。


 リアは今日も大忙しだ。

 レベッカやアイもパワーローダーなどの整備点検作業などで大忙し。


 最近野盗の襲撃が増えていて、ここまで来ると作為的な物を感じる。

 ザギャの装備もただの野盗とは思えないぐらいに良い物があったみたいだし、この一連の騒動の背後に何者かいるのだろうか?

  

 この世紀末の世界で?


 それはそうと、今は格納庫でリアと色々と状況を聞いている。


「不幸中の幸いだけど、野盗が落とした装備で整備やら戦力増強できるのよね」


「素直に喜べないですね」


 リアの言っている事は分かる。

 正直複雑な気分だ。


「そうね。正直私の出番は無いかもとか思ってたけど、よくよく考えれば整備する機械にも整備が必要で数も限られているから――出番はあるのよね」


「お世話になります」


 リアの言う通り、整備などをを行う各種ロボットも数は限られている。

 どうしても人手が必要な部分が出て来るのだ。


「三枝さんのパワーローダーも一応整備してあるわ。流石にシャーマンタイプでは恰好がつかないから」


「ははは、ありがとうございます」


 以前、ウエストタウンの代表者であるジェイクさんから譲り受けたシャーマンもあるが今は世界が崩壊する前に使われていた量産機、ガバメントに乗っている。


 シャーマンとは違い、ヒロイックな外観で性能も段違いだ。

 アイ曰く、汎用性や整備制の面ではベルセルクを上回っているらしい。


「本当はアインブラッドタイプでもあればいいんだけど」


「アインブラッドタイプ?」


「最強のパワーローダーの称号を持つパワーローダーの名前。正直お伽話のような存在よ」


「そう言うのもあるんだ」


 パワーローダーって本当に色々とあるんだなと思った。


「ともかく強いパワーローダーは今後のためにも多いに越したことはないわね」


「うん。もっとシェルターから発掘したり商人から調達出来たらいいんだけど」


と、俺は頭を働かせる。


本音を言えばもっと色んなパワーローダーを見て見たいとか思ったりもするが。


金持ちが車などをコレクションする理由がわかった気がする。


……ともかく、今後のためにも備えていく必要はあるだろう。


ウエストタウンの代表者、ジェイクさんと相談してみようかな?



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