戦勝パーティー

 Side 三枝 ユキノ


「いや~たんまりコイン(この世界の通貨)も稼げたし、戦利品も手に入ってよかったよかった」


 などと酒に酔いながらレベッカは何故か俺の隣にいた。


 アイは細かい報告を掲示板の住民向けにトラックの電子機材を経由して送信しているらしい。


 今いるのはウエストタウン。


 戦いが終わり、一先ずそこで戦勝パーティーを行っている。


 代表者のジェイクさん曰く、野盗の根城だった軍事基地の跡地をどうするかで頭を悩ませているようだが一先ず棚上げしてパーティーを楽しむことにしたらしい。


 このパーティーは一連の騒動で亡くなったウエストタウンの人間を弔いも兼ねているそうだ。


「お姉ちゃん達が町を救ってくれたの?」


「町を救ってくれてありがとう」


「我々が生きているのは君達の御蔭だ」


 ウエストタウンの人々に言われて悪い気はしない一方でこのパーティーが死者の弔いの儀式である事を考えると堪える物があった。


「レベッカは平気なの?」 

  

「なにが?」


「いや、このパーティーって死者を弔う催しって聞いたから」


「催し開いて貰えるだけ上等だっつー話だよ。昨日までピンピンしてた奴が呆気なく死ぬのも珍しくねーんだ。この機会に女を抱く算段立てたり、新たな男を見つけて家計をどうにかしようと考えている未亡人の女性とかいるかもしんねーぜ」


「身も蓋もないね・・・・・・」


 なんか真面目に考えている自分が馬鹿みたいに思えてきた。

 同時に不謹慎すぎやしないかとおも思った。


(言い方はアレだけど催し開いているもらえるだけマシか・・・・・・)


 その点については同意だった。

 

「ともかく今日はもうめんどくさい事は無しだ!! パッーと騒いで、パッーと寝りゃいい!!」


「もう何て言うかこう、突き抜けてるね」


 酔ってるのもあるのだろうが、今のレベッカはとても上機嫌だ。


 それにあれこれ難しい事を考えていても始まらないだろう。


 騒ぐのは難しいけど飲んで寝よう。

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