第2話 あなたのおはなし
戦火に塗れた、京の都で。
断ち斬られた、血まみれの右腕を高く掲げて。
再び、
遥か昔の、あなたのお話。
空が青いと、あなたは言った。
喧噪に揺れる、東の都で。
白磁の如く透き通った右腕を、紺碧の空に掲げて。
空は、なんて美しいんだろうと、あなたは笑った。
今を生きゆく、あなたのお話。
静寂に包まれた、漆黒の海で。
遠い未来の、あなたのお話。
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