第127話 拷問

今日を必死に生きた僕の前に明日の『僕』が現れた。



「僕は、キミを殺さないといけない。だから悪いけど」


「……………」


「ごめん」


いつものように僕は、『僕』にナイフで胸を刺された。何度も何度も。



「……………はぁ」


顔についた生温かい血を拭き終わった後、チンしたコンビニ弁当を歌番組を見ながら食べた。



隣には、僕の亡骸。



「………」



風呂から上がり、酷い睡魔に襲われた。そのままソファーの上で寝てしまった。朝、目が覚めると昨日殺した僕は、跡形もなく部屋から消えていた。




僕は今日、明日の『僕』に殺されるだろう。それが分かっていても、僕は今を必死に生きている。

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