第30話 不死身

僕の彼女は、『不死身』だ。

まだ、誰にも言っていない。


「ねぇ、マー君。また殺して。お願い」


僕は、躊躇なく彼女の心臓を包丁で突き刺した。


「………………」


「…………ダメ…か」


「今度も死ねなかったね」


彼女は、すでに傷が塞がり、元に戻った柔肌を悲しそうに何度も触っていた。


今では、彼女に死を与えることが僕の使命のようになっている。


好きだから。

彼女が望む死をーーーー



「これで首をはねたら、どうかな」


チェンソーを片手に持つ、狂った彼氏。


「うん。お願い。……マー君、大好き」


「僕もだよ」


お互い狂っている。

だけど、彼女と秘密を共有し、僕は今とっても幸せだ。

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