第9話 書斎の秘密

 資産家の金倉氏の屋敷は、まさに成金趣味全開だ。邸内はラブホテルと見間違うくらいケバケバしい。


 書斎も図書館かと思うほど本が並んでいた。しかも経済書や数学関係のむずかしいモノばかりだ。


「うゥ…… 何だ。これは……😱💦💦」

 本棚を見ているだけで頭が痛くなってきそうだ。漫画やラノベは見当たらない。


 ショパンはたのしげに本棚の一冊を手に取り読み始めた。

 タイトルを見ると『フェルマーの最終定理』に関する本だ。


「……😌✨✨✨」

 ショパンは熱心に読みふけっている。

「……😓💦💦💦」

 その本の何処どこが面白いのか、僕にはサッパリ解らない。


 そう言えば、本棚にはずい分と数学関係の本が並んでいた。

 どうやら被害者は、かなりの『数学オタク』らしい。


 やがてショパンは何かを確信したのか、微笑みを浮かべ静かに本を閉じた。

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