前のエピソード――私は対決をする！

　「...そんな簡単に蹴散らされる魔獣ではないのですが～...まだ沢山いるのでどうしますか～」

　「どうするも何も...こう？」

　魔力弾で全員一撃で沈んでくれるから楽だよね、それに動きが鈍いから攻撃される心配もないし...この場合私が得た威圧ってリウムに対して天敵なんじゃあないかな？数の暴力も出来ないしそもそも魔獣の良さも生かせないし...威圧様様だね！

　「こうなったら植物魔法で...」

　「もしかしてリウムって同時に魔法を使えないの？」

　「...いや...普通は同時に魔法使えないから...」

　「え？」

　まさかミツキから突っ込まれるとは思っても居なかった...なるほど同時に使えないのか...つまりリウムはもう脅威じゃないって事だね

　「くそっ...そ、そうです、謝ります！」

　「え...」

　「謝りますしなんでもしますから！暴力は反対です」

　「えー？...リウムがそれを言う？...」

　勝ち目が無くなったのが分かったのかリウムはいきなり懇願をしてきた...ただ私には効かないしミツキにも効かないと思うんだけど　都合のいい話だよね、自分がやる時は何も容赦なく傷つけた癖に、自分が同じ目に合いそうになったらそれを誤ってチャラにしようとするなんて...都合がよすぎるよね？

　「...そう...」

　「私はミツキに任せるよ？...何もしないって言ったら私がするけど...」

　「そんな...」

　「...大丈夫...リウム？」

　「はい？...なんでしょうか？」

　ミツキとリウムが向かいあった瞬間にリウムがチャンスと言わんばかりにミツキに手を伸ばした　流石に私もそれを予想していなかったので反応が遅れたがミツキはまるで予想していたかの様に反応して伸ばして来た手を躱した

　「...大人しくしてたら...一発殴るだけで許したのに...そこまで外道なのね...」

　「なんでっ...くそっ！」

　「...言葉遣いも汚くなってるし...じゃあね？...『狐火』」

　水色の炎がリウムにくっついたと思ったら一気に燃え上がり一瞬でリウムが黒焦げになっちゃった...全身やけど？...痛そう...

　「...はぁ...最後とってもびっくりした...ミツキは予想してたの？」

　「...目が死んでなかったから...チャンスを窺ってる気がして...」

　「にゃるほど...私は完全に油断してたよ...」

　「...どうしようかな...これ...」

　「黒焦げの事をこれって言わないでよ...これって死んでるの？」

　「...いや...生きてるけど...そのままなら死んじゃうかも？...」

　「ミツキにあんなひどい事したんだもん...死んでも...」

　「...マルガ？...それ以上は言ってはだめだよ...」

　「うぐ...分かった...」

　さて...どうしようか...この事もパパに報告した方がいいだろうし...なんならベスティアにも報告しないと...王がこんな状態になったら国はどうなるんだろう　私達に全く関係が無いと言ったら嘘になるけど...

　「...とりあえずこの施設から出よう...現在の場所も把握しないと...」

　「分かった...じゃあ転移しないで...歩くよ？」

　「...行こうか...」

　私とミツキで歩いて上に上がる...エルフ達は既に最初であらかた制圧出来ていたのか追加で私達を襲いにくるようなエルフは居なかった

　大惨事だね...壁も床もぶち壊されているし、エルフ達も何人か倒れているし、え？助けないのって？ミツキを傷つける様な人たちなんてそのままでいいでしょう？

　　　　　　　　◆◇◆◇

　「...わぁ...ここに繋がっているのかー」

　「...なるほどね...」

　地下を上がるとこの前話したリウムの家...の様な所に出てきた、ここの地下だったのか...ここの窓を外を見るとエルフは居るが地下の音とかは聞こえてないのか普通に生活をしている　あの場所はもしかして割と機密なのかな？　まぁ私達はとんずらしちゃおうかな...結果リウムが助からなかったりエルフがあそこで動けなくなっても...正直いい気味だ...としか思えないからね