私は旅に出る!②
今日は出発当日...結局朝になってもミツキは部屋に帰ってこなかったしママもあの後パパとお話したりして一対一で話せていない...最後になるかもしれないのに...
まぁしんみりしていてもしょうがない、タイミングが悪い時もあるし最後になるかもとは言ったけど転移魔法を使えばいつでも帰ってこれるからね、挨拶できなかったのはしょうがない
「...ミツキ遅いなぁ...昨日特に時間を決めた訳じゃないけど...朝には戻ってくると思ったんだけどなぁ...」
「そうねぇ...そんなにソワソワするなら昨日みたいに探索魔法使えばいいのに」
「それは...ぷらいばしーが...」
「そうだね、昨日探索魔法でミツキがお風呂に入ってるの感知しちゃってもじもじしてたもんね」
「言わないでよリーア!」
「あら?そんなので顔を赤くしてたらいつになったらソフィアは孫を見れるかな?」
「そもそも女の子同士で子供出来ないよ...」
「普通ならね、でも魔法っていう便利な物があるからね」
「...嘘でしょ...私は何も聞いてない...聞いてない...」
「ミツキにも教えてあげようかなー」
「だめだからね!?」
ミツキとそういう関係になるのは全然いいんだけどそうなった場合私が受けになるのは必然な気がする...それだけは避けないと...どうしてかは知らないけどミツキにいい様にやられる気がする
とにかく今はミツキを待って居るけど...本当に何処に居るんだろう、そろそろ心配になってきたし私もお腹空いたな...適当にパンでも食べようかな、空間魔法に沢山詰めてるからね...色んな国に行って美味しい物沢山集めて食べてみたいなぁ...
◆◇◆◇
「お昼になっても戻ってこない!ミツキは何処に行ってるの!」
「探索魔法使えばいいじゃない...お互いがお互いに待ってたらどうするの?」
「む...そういう場合もあるのか...ちょっと待ってよ...探ってくる...」
「そうね...居なかったらちょっと何か起こってるかもしれないけど...」
「...ごめんなさい!」
「え?いきなり謝ってどうしたの?」
「...ミツキがお風呂入ってました...ごめんなさい...」
「...覗き魔ね、ミツキに報告しよう...」
「ごめんなさい!」
どうして今お風呂に入っているんだろう?というかタイミング!どうしてこうなるのよ!...本当に...
「...というかなんて今お風呂に入ってるの?」
「私に聞かれても...案外遅く起きちゃったとか?」
「ありそう...とりあえずもうちょっと待っておこうかな」
今お風呂に入っているっていう事は上がったら家から出るのかな?...今のうちにママの所に行ってお話出来るか見てこようかな。そろそろお昼だからママも休憩している頃だろうし
◆◇◆◇
「...ママ?...今大丈夫?」
「...」
「...あれー?ママ?...居ない?...」
「マルガ?中から何か聞こえない?」
「んー?...」
「えほっ...えほっ...」
「ママが咳をしているだけじゃない...?風邪かな...ママ?入るよー」
この前話したときはママそんなに体調悪そうじゃなかったけど...どうしちゃったんだろう、ママそんなに外にも出ないし風邪もあんまり引かないと思うんだけどなぁ...
「ママー?大丈夫ー?....ママ!?」
「えほっ...あぁマルガちゃん...ちょっと待ってね...」
「ママどうしたの!?血吐いてるよ!?」
「これはね...まぁ気にしないで...えほっ...えほっ...」
「大丈夫じゃないよ...鑑定魔法で見るよ?...」
「見なくてもいいよ...大丈夫大丈夫...」
絶対に大丈夫じゃないでしょ、明らかにおかしい量の血を吐いてるし...と、とにかく鑑定を!
「鑑定!」
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名前:ソフィア・ルクロン 種族:人族 年齢:32 状態:衰弱
体力 : 27(760) 魔力 : 150
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鑑定魔法でパッとみた感じだからよく分かんないけど明らかに病気で弱くなっている...どうしたんだろう?鑑定魔法で病気の種類分からないかな....回復魔法でどうにかならないかな...どうしようどうしよう
「...大丈夫よマルガ...これでも魔法でよくなってるのよ...だから安心して...」
「でも...でも...明らかに...血を吐いてるし...病気だし...」
「本当に大丈夫よマルガちゃん...」
「どうみても大丈夫じゃないよママ!...待ってよ!どうにかするから...」
「マルガ!...大丈夫だから...旅に出なさい...ね?」
「...ママ...」
「魔法でどうにか出来ない事もあるのよ...?」
「...」
「ほら、マルガ?ソフィアがああ言ってるんだから...早く準備して出ましょ、ミツキもそろそろ出てくるよ?」
「...ごめん...なさい...ごめんなさい...」
「あら?謝る事は無いのよ?私は大丈夫だもの」
「マルガ?泣かないのよ、お別れの時はちゃんと挨拶をしましょ?」
「う...ん...行ってきます...」
「行ってらっしゃいマルガ、いい旅をしてくるのよ?」
結局笑顔でお別れできなかった...今の私は多分泣き顔でぐちゃぐちゃになっているだろうな...本当に最悪だ...ミツキももしかしたら昨日のうちにこれに気づいて話していたのかな?...分からないけど...
あぁ、本当に最悪だ
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