私は帰りの挨拶をする!
なんやかんやでベスティアに来て三日が経った、お仕事は全部終わったけどやっぱり疲れちゃった、それに魔法を見せる約束はしたんだけどあの後からソウナちゃん忙しそうで部屋にすら来ないなぁ...別にいいんだけど
「メリー?あとどれくらい滞在になりそう?」
「どうでしょう...私達の用事は終わったのでベスティア側を待つしか無いのではないでしょうか?」
「うーん...ミツキも全然来ないし...ちょっと質問しに行こうかな」
「そうですね、それが一番いいと思いますよ」
でも私この部屋からあんまり出なかったら何処につながってるか全く分かんないや...どうしよう...ミツキでも呼んでみたら来るかな?
「...呼んだ?...」
「まだ呼んでないかな!?...ミツキはいつの間に読心術を身に着けたの...」
「...読心術?なにそれ...私はマルガの思いが...冗談だからそんな目をしないで...?」
「それでなんで来たの?」
「...ううん、ただ部屋に来ようと思ったら話声が聞こえただけだよ...」
「ああ...ミツキ?私達っていつ帰るの?」
「...え?聞いてないの?...いつ帰っても問題無いよ?...」
「え?そうなの?え?いつ帰っても問題無いっていつまで居ても問題無いと同意?」
「...まぁそうなるね...って言っても母様達も一週間ぐらいしか想定していないと思うけど...」
「うーん...帰っていいんだったら帰れるけど...まぁミツキのお母さん達に挨拶はして帰ろうかな...」
「...そ、そうだね...」
どうしたんだろう?なんか歯切れ悪いけど...もしかして体調悪いのかな?それだとしたら体調治るまでここに居てもいいけどねぇ...
「...取りあえず母様の所に行くよ...」
「分かった!行ってくるねメリー」
「はい、行ってらっしゃいませ、荷物はまとめておきますね」
「お願い!」
部屋の事はメリーに任せて私は帰りの挨拶でもしちゃおう、でもミツキがあんまりいい顔してないからちょっと心配になるな...もしかして説明の時に何かあったのだろうか
「...入るよ...」
「あら?どうしたの?」
「...マルガが帰りの挨拶するって...」
「そう?だったら二人きりで話でもしたいわね~」
「...え?...ま、まぁ大丈夫...かな?...」
「じゃあ案内していいわよ」
部屋に私が通されてミツキは部屋の外に出ていく、なんか緊張しちゃうなぁ...それにやっぱりミツキに似ている...まぁどっちかっていうとミツキが似ているんだけど...うぐぅ...
「取りあえず...私達は明日には帰ろうと思います」
「早いわねぇ...もうちょっとゆっくりしてもいいのよ?」
「それでもいいんですけど...国に帰ってからやりたい事が出来たので」
「それはミツキも関係している事かしら?」
「関係...うーん...」
関係しているのかなぁ...あれ?でもパパに言われた信用出来る人と一緒なら旅に出てもいいって話、ミツキならOKじゃないのか...うん!関係するね!
「あら?もしかして関係無いのかしら?」
「えっ、いや、関係ありますっ...とっても大事です」
「さっきミツキから色々聞いたんだけど...とってもびっくりしたわね...」
「そ、そうなんですか?何聞いたんですか?」
「そうねぇ...とっても簡単に言うなら甘々な話ね、口からはちみつが出そうだったくらい...それに自分の娘があんな表情したのを見たのもあんなに喋ったのを見たのも初めてだったわねぇ」
「それは...もしかしてミツキがさっき歯切れが悪かったのは...」
「思いのほか喋ってしまったのとそれを私が話すのが嫌だったんじゃないかしら」
「そうですか...よかったです」
「私からは挨拶というより聞く事が一つだけありますね」
「...はい」
「...マルガさんはミツキと一生...向き合う覚悟はありますか?」
一生...よく分からないね、一生ってどれくらいなんだろう、私はミツキの一生を向き合う覚悟なんて無いのかもしれない
「...一生向き合うは...無理だと思いますが...まぁ私からは愛想が尽きる事は無いと思います」
「...まぁ満足のいく答えではありませんがいいでしょう、まぁいつでもいいのでまたベスティアに遊びに来てください、もうここは貴女の家でもありますから」
「私の家...はい!」
涙目になんてなってないよ、私はいたって冷静だからね、だから泣いてないったらない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます