私はお茶会をする!

 「よくぞいらっしゃいました、国を代表して歓迎します」

 「はっは!よく来たな!歓迎するぞ!」


 どうしてこうなったのだろう、国に入ってベスティアの国城に行くまでは特に何も問題無く行けたのに...気づいたら私は一人でベスティアの王と王妃に会ってるんだけど...どういう事?一応知ってる顔で後ろにソウナ姫は居るけど...どうしたものか

 どうしてこうなったか記憶を辿ってみよう、まずは国に入った時にミツキが仕事はここまでとか言って馬車から降りて...馬車自体はそのまま国城へ向かったんだよね。うん

 その後にお城に通されて...気づいたら周りにケモミミの可愛いメイドが...そしてそのまま運ばれて今に至るんだよね、メリーは何処行ったんだろう?


 「...あの...私はどうしてここに?」

 「ん?呼ばれてきたんだろう!娘二人がお世話になったからな!」

 「メイド達には来たらここに連れてきてもらうように伝えて居たから...もしかして少し強引だったかしら?そうだったら少しごめんなさいね?」

 「...い、いえ...いいのですが...というか娘二人?...」

 「あら?ミツキとソウナとは話した事無い?」

 「...ミツキ!?」

 「あらあら、もしかして何も聞いてないのかしら?」

 「お母さま、私も話したいのですがいいでしょうか」

 「あら、勿論、ソウナちゃんもいらっしゃい」

 「お母さま...マルガ様の前でちゃんはやめてほしいのですが...」

 「それよりミツキが娘って話を聞きたいです...」

 「それなら本人も呼ばないといけないわよね?」


 ミツキは今何処にいるのだろう、この国に入ってからどっかに行ってしまったから分からないんだよね、でも王妃は分かっているみたいだしちょっとだけ待ってみるか、どんどん相手のペースで物事が進んでいくのは正直よろしくないけどまぁしょうがないだろう


                ◆◇◆◇


 「...お呼びでしょうか...」

 「はい、呼びましたよ、5人でお茶会をしましょう」

 「...それは...」

 「少なくともマルガさんは貴女との話し合いを求めてますよ」

 「...」


 私は何か声を掛けた方がいいのだろうか、ただ少しだけ、少しだけミツキに隠し事をされていたって考えただけなのに胸が苦しくなって声が出ない、私どうしちゃったんだろう


 「...分かりました...」

 「お姉さまはマルガ様に何も伝えてないのですか?」

 「...そうね、自分の事を特に何も言ってないわね...」

 「それはちょっと可哀想です、今からでも伝えるべきです、自分がどんな人なのかを」

 「?...ミツキは王族なの?」

 「...ん...まぁ元って判定になるのかな...一応ソウナの姉になる...」

 「交流会でも伝えた通りは姉さまは王位継承権を私に譲り辞退なさったのです」

 「...つまり私のママとパパと面識があったのは?...」

 「それは元々俺達とお前たちの夫婦が仲良くて俺達が娘と合わせた事があるからだな!まだあの時はミツキは小さかったがな!」

 「...私は元々王位継承権はあったんだけどお父様とお母さまのおかげで好きに生きてたんだけど...ちょっと一回だけ家出気味に国を出て共和国に行ってたから...まぁ帰って色々ゴタゴタを直しながら...まぁ最近継承権をソウナに譲った...というか私が辞退した...」

 「...じゃあ...いや...ええと...」 

 「...どうしたの?何か言いたい事あるなら言っても大丈夫だよ...?」


 言いたい事は沢山あるのだけれど何を言おう?あの告白の返事の話?それともソウナ姫と話したい事?それともミツキととっても似ていたあの学校長的な人?どうしよう


 「マルガ様って交流会の時はあんなにハキハキしていたのに今は借りてきた猫みたいに大人しいわね、もしかして緊張しているんですか?」

 「...緊張しているというか...まぁ緊張している...」

 「そうですか...じゃあマルガ様は私達に何か聞きたい事はありませんか?なんでもいいですよ」

 「...うーん...」


 聞きたい事...聞きたい事...少なくともさっき自分の中で出た告白の返事に関しては少なくともここで聞くことじゃないし...こうなったらお茶を濁す意味でもメリーが何処に行ったのか聞こうかな、あとはあの学校長についてだったり

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