私はベスティアに行く!

 「じゃあ準備も終わったし...寝ようかな」

 「はい、お休みです、マルガ様、私はもう少し見直しして寝ますので先に寝ていてください」

 「...ありがとう...いつも本当にありがとう...」

 「なんですかその最後の挨拶みたいな感じ...明日も早いんですから寝てください...」

 「うん...おやすみぃ」


 そのまま眠りに入る、眠る前に見たメリーの顔はとても優しい顔をしていた、ベスティアに行って挨拶とか色々終わって全てを話し終わったらメリーにも休暇を与える事が出来るからね...何事も無く無事に終わってしまえば後は私だけの旅が始める、最初は何処に行こうかな 一人でベスティア行ってもいいしエルフとも喋ってみたいな...


             ◆◇◆◇


 「おはよう...今日ってどうやってベスティアに行くの?...ふわぁ...」

 「おはようございますマルガ様、今日は一応ベスティア側から使者が来てその馬車にマルガ様と私が乗って移動する形ですね...」

 「うーん...もしかして軽く浮遊魔法で浮いて馬車酔い防ぐ奴出来ない...?」

 「そう...なりますね、出来るだけ見せたくないので...頑張ってくださいマルガ様」

 「...はぁ...終わった...楽しくない旅になりそう」


 始まる前から既に憂鬱だ、私が居るんだし最初からルクロンで馬車を用意すればいいのに、まぁ最後に馬車に乗ったのも五年前とかだしね、流石にもう治ってるでしょ、だから大丈夫大丈夫


 「...お迎えに上がりました...マルガ姫...」

 「...ミツキが来るって聞いてたけど...かっこいい服装だね...今って何しているの?」

 「...それは馬車で話そうか...馬車酔いはもう治した...?...また膝枕してあげようか?...」

 「問題無いよ!全然余裕だからね!」


 正直最初から不安しかないけどやってみないと、もしこれで吐いたとしてもそれはもう馬車が悪い、私は悪くない、きっとそうだ


 「じゃあ行こうか...二日ぐらいかかるけど...御者も私の国の信用出来る人だし、中で何喋っても秘密は守られるよ、なんなら聞いてないしね」

 「...不安だけど...取りあえず馬車に乗ろうかな」

 「マルガ様?厳しくなったら言ってくださいね?膝ぐらいは貸しますから」

 「...これはマルガに色々聞かないと、もしかして浮気...」

 「違うから!メリーはそういうのじゃないって知ってるのに...」

 「そろそろ行きましょうか?あんまりここで時間を取ってもいい事ありませんから」

 「そ、そうだねメリー...」


 メリーの言う通りここでいちゃいちゃ...じゃなくて話し合ってても私達の用事には近づかないから、どうせなら馬車でだべってしまおう それが一番いい、問題は私が喋れる状態かって話なんだけど

 なんて思っていたら馬車が走りだした、私の体調は思った通り...


 「...うぷ...吐く...」

 「...大丈夫...?」

 「全然大丈夫じゃない...久しぶりにミツキと会ったのに話せないなんて...」

 「さっき御者の方に聞いた時にお昼に一回休憩を挟むらしいですからその時にミツキさんとお話しましょう、それまでは我慢ですよマルガ様」

 「...そうだね」


 お昼まで頑張ればミツキと話す事が出来る、そう考えたらなんとかお昼まで頑張ろうって気が出てきたよ、正直辛いけどミツキと話せるならそれでも頑張る気になるよね!

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