私は犯人を捕まえる!②

 「という訳でベスティアの姫、特に貴女には人質としてどんどん使うのであんまり抵抗しないでくださいね」

 「どうせ私の姉が止めてくれるわ、それに逃げれたマルガ様が衛兵を呼んでくれるわ」

 「ほう、ルクロンの姫は逃げたのですか...まぁいいでしょう」

 「逃げてないよ!」


 いきなり飛び出して思いっきりキックする、うぐ、着地ミスった...やっぱり慣れない事はするもんじゃない...足首がすっごい痛いなぁ...


 「いたた...何処から...あれ?いつから居たんですか?ルクロンの姫」

 「今来たのよ...いった...」

 「ちょうどいいですね、大人しく捕まってくれるんですか?」

 「そんな訳ないでしょ?」


 さっき大人しくしている間に魔法をストックしていたからね、取り巻きくらいなら...ってあれ?囲まれるの早くない?どんだけ動きが統一されてるのよ...本当にテロリストもどきかな、どっかの軍買い取ったんじゃないかな?


 「大人しくしてたらあんまり怪我させないぜ?」

 「ルクロンの姫を人質に出来たら国を取ったも同然だぜ!」

 「...はぁ...バカしか居ない」


 本当に捕まえたいなら有無を言わさずに捕まえるべきなのに、私が女の子だからって油断しているのかな?バカだなぁ なんて思いながら魔法を使う、使う魔法はね、さっきぱくっ...借りてきたインフェルノだね、何気に便利、火が簡単に広がるから


 「インフェルノ!」

 「うわっ!なんだ!?こいつの周りに大量に炎が出てきたぞ!」

 「下がれ下がれ!火が付いた奴は下がって消せ!」

 「こ、この炎全然消えません!助けてください!」


 うーん、まさに阿鼻叫喚、私の事を見ていた生徒達もそこまでやる?みたいな目で見てるし...なんでそんな目で見られないといけないんだ!頑張って助けてるのに、まぁいいか


 「うわぁぁ!助けてくれ!」

 「熱い、熱いぃぃぃ!!」


 流石に無力化出来たら消してあげよう、恨みは沢山あるけど殺したい程恨みが溜まってる訳でも無いしね、それにこのフードを被っている女の人はちゃんと避けられているからね、ただこの部屋に人質が居るせいで逃げるに逃げれないのかな?魔法のおかげで殆どの人が無力化出来たからさっさとそのフードで隠れている顔を見せて貰うよ


 「あら...ルクロンの姫...ですよね?こんなすごい魔法をお持ちだったんですか...中級...上級...どっちなのかな」

 「どっちだろうね、私はそういうの特に気にしてないから...」

 「これは...見逃してもらえる雰囲気でも無いですね...どうしましょうか」

 「貴女が大人しくしてお縄になるなら...まぁ無傷になるかもよ...ちゃん...」

 「...!?...バレていたんですか...?」

 「...まぁ...ね」


 気づいたのはさっきなんだけど、探知魔法だと魔力とかが分かるからそれで似ているなとは思ったけどまさか本人だとは思わなかった、だから半分カマを掛けたんだけど当たりだったみたいだね


 「...どうして...って聞きたいけど大人しく捕まってもらうよ?」

 「どうしましょう...逃げたい所なんですが...マルガ様には大人しくして貰いましょうか」


 ミルちゃんは構えた、ミルちゃんって私が知っている姿だとちょっと魔法が出来る優等生って感じだけど何が出来るのかな?

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