私は寮に行く!

 舞台袖から話を聞いていてそのまま話が淡々と終わり...なんて事も無く次に寮の説明に入った 入学式に寮の説明があるなんてどれだけ寮に入る人が多いんだろう?なんて思っていたらどうやら寮に入るのは義務ではないのだがここに居る全員が入るらしい ルーナちゃんが近いと嬉しいな

 なんて思いながらメリーと合流し、ジト目で睨みつける事にした じとーっと見ながら無言の圧力で問い詰める


 「なんですか?言いたい事は言わないと分からないですよ?」

 「...なんで挨拶なんていう事を秘密にしてたの?」

 「半分はああいった状況になった時にマルガ様が人前で喋れるかという試練です」

 「...もう半分は?」

 「ソフィア様の思い付きです」

 「やっぱりママか!」


 ママめ、いつかお家に帰ったら何かしらの方法で仕返ししてやる 

 寮は学校の敷地内に大きく一軒あるらしく皆がそこに泊まるらしい 入学式が終わった為皆でそこに移動して今から部屋の抽選をするらしい いい部屋だと嬉しいな、何がいい部屋なのかは全く分からないんだけど


 「説明されてましたが、ほとんど皆がここで住むことになるのでどうか人間関係でギスギスするのはやめてくださいね?」

 「任せて欲しい、人間関係なんて作らなければギスギスする心配も無い」

 「それは無理かと思いますよマルガ様?」

 「どうして?」

 「それは寮に近づけば分かりますよ」


 一体どういう事だろう 近づけば分かるとは言われたけど気になる物は気になるし少しだけ考えてみようかな でも人間関係って私から作ろうとしなければ広がる事は無いと思うんだけどなぁ 考えてみてもよく分かんないや


       ◆◇◆◇


 「来てみたけど..人が沢山居るなぁ...」

 「あれ?マルガ様もここに住むんですか?」

 「まじか!...ここでマルガ様とお近づきになれば...」

 「わぁ...マルガ様と同じ所に住めるなんて素敵...」

 「マルガ様と仲良くなれば..ぐへへ」


 最後の奴は絶対に却下! というかなんで私こんなに人気者になっているの? ただ挨拶しただけなんだけど...美人とはよく言われるけど傾国の美女っていう程美人な訳じゃないし多分顔が整ってるだけだと思うんだよね?うーん、これが王族パワーなのかな?


 「えー..どうしよう」

 「こういうのは無視するか全部対応するかですよマルガ様」

 「...無視で行こう、心苦しいけどあの数とお話するのは私の心が辛くなりそう」

 「分かりました、どうやら部屋は一番上の角部屋みたいです、よかったですね?」

 「それがいい部屋なのか全く分からないけど...まぁメリーがいいっていうならきっといいんだろうね」


 いい部屋を取れた理由が運がいいなら嬉しいけど王族だからいい所に入れちゃおみたいなちょっと権力が入ってる気がしてならない まぁここは素直に喜びたいんだけどいまいち何がいい部屋なのか分かんないからあんまり喜べない悲しみ...別に部屋の中身は一緒だと思うしね?あれかな?高い所ほどいい所っていう、知らないけど


 「高い...階段嫌い...一番上の何処がいいの...」

 「これくらいの階段でへばるのは赤ちゃんとマルガ様ぐらいではないでしょうか?やっぱり運動しないといけないですね...」

 「うぐ...流石に自分でもやばいとは思ってるけど...めんどうくさいし...」

 「大丈夫ですよマルガ様、学校に行くときと階段を下りて帰ってくるときに階段を登るだけです、これで比較的体力はましになるはずですから」

 「そんな拷問みたいなことを毎日...!?」

 「マルガ様は魔法に頼りすぎなんです、もし魔法が使えなくなった時どうするんですか?」

 「...どうするんだろう...考えた事も無いかも」

 「魔法特化なのが本当はまずいんですけど...マルガ様の場合全てカバー出来るほど出来ちゃうのが問題なんです、もっと他の事も頑張ってみましょう?」


 他の事か...考えた事はあるけど運動が苦手な時点で魔法を頑張るか勉強を頑張るかの二択だし私は好きな事以外の勉強はお世辞にも出来るとは言えないし どうしようかな?

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