私は挨拶をする!
なんで私なんだ...!本当に! メリーは私が今までどれだけ対人関係から逃げてきたか分かっているのだろうか 分かっているからこんな仕打ちだと思うけど...!
「マルガ様~?早く舞台へどうぞ~?」
「マルガ...ちゃん?...ど、どうして舞台に呼ばれているの?」
「...私もよく分かんないけど...とりあえず行ってきます?」
半分ほど疑問形になりながらとりあえず席を立ち舞台袖へ向かう...パパが私に軽く手を振ってるけど私はそれを気にしてる余裕が無いほど実は焦っている
「では、ルクロン王国王女、マルガ様の挨拶です、お願いします」
「あっ...はい、王女っていうのも普通にばらすのね...メリー絶対に分かってたわね...!分かってたのに何も教えなかったわね...!虐めかな..?」
「マルガ様?舞台はあちらです、どうぞ」
舞台に上がってマイクの様な物の前に立つ 緊張しかしていないしそもそもいきなり立てと言われたのだから何も考えている訳も無い どうしよう
舞台の壇上に立ち少し考えていると前の席からひそひそ声が聞こえる様になってきた
「..あれが王女...初めて見た...」
「わたしも...」
「マルガちゃんが王女...?...もしかして不敬な事しちゃった...?」
最後に関しては絶対にルーナだろう、後で謝らないといけないなぁ そろそろ喋らないといけないんだけどなにを喋ろうかな 生徒を代表して挨拶だしそれっぽい事を言えばいいかな
「...ええと...私達はこれから沢山の困難に合うでしょう、学問、技術、人...その問題は自分一人では解決できないかもしれません。その様な問題を友人、いえ私達で協力していける様な学校生活にしたいと思っています、皆さん、これから一緒に頑張りましょう?」
最後に笑顔をセットして舞台から降りていく 長い演説をしてもよかったんだけどこれ以上人前に居ると緊張して何を喋ってるか分からなくなるし噛んじゃうかもしれない それはちょっと嫌なので短いけどそれっぽい事を言ってすぐに降りる事にした 舞台袖に降りた頃に拍手が聞こえて挨拶は成功した事が分かってかなりほっとした 最後に笑顔を作ってみたけど綺麗にできていたかな...ミツキが笑顔がいいって言ってたから笑顔にすぐ出来るように練習したけどちゃんと出来ていたかな 後でメリーにでも聞いてみよう
「緊張した...これって席に戻らないとだめなのかな...」
「後は簡単な説明ですので舞台袖で聞いてても大丈夫ですよ?」
「...そうですか...じゃあお言葉に甘えて...」
傍で聞いている感じ本当にただの説明だったので殆ど聞き流しながら考え事をしていた メリーと合流したらどうしてやろうかな...正直内緒にしていたのはいいとして試練とか言って不安にさせたのがとっても気になる...!いつの間にあんなに意地悪になっちゃったの! 許せない
◆◇◆◇
保護者の席からマルガ様を見ていて驚いた 正直今回の件ライル様とソフィア様から相談された時は反対だった 実際今日マルガ様の不安を煽るときはノリノリだったと言えば嘘になるけど 立派とはいいがたいけどしっかりとした演説をして皆の前に堂々と立つマルガ様はとてもすごいと思う ただ頂けないのが最後の笑顔だ あれは凶器だ 子供だけじゃなく大人まで落とすやっかいな凶器だ いつの間にあんな武器を身に着けてしまったのだろう
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