私は馬車に乗る!

 「ど、どうしよう...」

 「...魔法でそういうの無いの?...」

 「分かんない...」

 「まぁ前回と同じように進みながら休憩しましょう、今回も急いで無いですし物資も余裕がありますから少し旅路が伸びても問題は無いでしょう」

 「そ、そうですか...ごめんなさい...」

 「いえいえ、本当に物資が厳しくなってきた時は『ケルベロス』に働いて貰いましょう」

 「朝早い仕事は久しぶりだからきついなぁ...ん?旦那?前乗せた人たちか?」

 「あぁ、そうだ、顔合わせをしたこと無いのは今回初めての人だけだから一応自己紹介だけはしておこう、私は商人で馬車の御者を務めるルーカスだ、呼び方は自由で構わないよ」

 「俺は『ケルベロス』のリーダーをしているカイトだ」

 「僕はペスだよー♪」

 「...カイル...」

 「俺はアクタだ、よろしくな?」

 「...ん、あぁ、私か...私はミツキ...」

 「また一人美人が増えたな?...て..ん?ミツキってお前Bランクのミツキか?」

 「...やっぱりランクAのケルベロスじゃない...久しぶりね...」

 「ミツキ知りあい?」

 「...ギルドで仕事をしている時によく勧誘されたパーティーの一つ...まぁ何回か仕事をした事がある...」

 「にゃるほど...」


 世の中割と狭いのかもしれない その内面白い所に繋がりがあるかもしれない でもやっぱり初対面じゃなくてよかった 人見知りはいつ直せるかな...


 「じゃあ行きますよ、ドロシー様達は馬車の中にお乗りください」

 「はいはい、マルガちゃんきつくなったら言うのよ?」

 「分かった...リーアなら知ってるかなぁ...」

 「...知っているかもね...私は分からないけど...」

 「私の膝を使って大丈夫ですよマルガ様?」


 皆で馬車に乗ってあらかじめ敷かれていたクッションらしき所に座る 前三人で来た時は少し広く感じたけど4人で座るとちょうどいい感じになる ルクロンに行ったら何をしようかな


 「出発しますよー」

 「と言っても国を出るまでは歩くよりゆっくり歩いて貰うから特に揺れたりもしないがな」

 「...ちょっと気持ち悪いかも...」

 「...マルガ?まだ揺れてもいないよ?...」

 「マルガちゃんむしろ弱くなってない?」

 「マルガ様、最近運動してないですよね?圧倒的に原因がそこに詰まってると思いますよ?」

 「...皆酷い...」


 正直このスピードでこんな気持ち悪くなると思っても居なかった スピードだけで言えば私の歩くスピードと一緒なのにどうしてだろう 乗り物酔いっていうより自分の間隔で動いてないから気持ち悪いのかな? よく分からないや


 「...ねぇリーア...?こういうときどうしたらいい?...」

 「そうねぇ、酔い止めの魔法なんて聞いた事無いし...適当に考えてみるわ」

 「皆さん?国の外に出たので少し早くなりますよ」

 「分かりました、マルガちゃん頑張ってね?...」

 「...出来るだけ頑張る...」


 私はここから出来るだけ何も考えない状態で耐える事に意識を向けないと 対応策は全部リーアに任せて私は出来るだけ頑張らないと そのうちリーアがすごい魔法かすごい対応策を持ってくるでしょ


 「...うぷ...」

 「...マルガ?横になると楽かもしれないから私の膝使って...」

 「ミツキ...ありがとう...」

 「あー、前までは私かメリーの役割だったのに取られちゃった」

 「まぁマルガ様を任せれると考えれると割といい兆候じゃないでしょうか?そのうち沢山友達が居ますよ」

 「それならいいけど...マルガの性格考えたらそんな簡単に行きそうにないし...まぁなるようになるか」

 「うぐぅ...吐きそう...」

 「マルガ様?本当に無理になったらおっしゃってください、その時に休憩にしましょう」

 「...ごめんなさいルーカスさん...」

 「いえいえ、無理しないでくださいね?」


 結局迷惑をかけてしまった 次からはどうにかして酔い止めなり酔わない方法を見つけないと また馬車に乗ってる間はまともな食事が取れなさそうだ はやくどうにかしないと

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