私は依頼を受ける!②

 「じゃあ依頼は任せたぞ、後先生の件もドロシーと相談してからでいいからよろしくのぉ」

 「...もしかしたらパパとママにも相談しないと行けないけど大丈夫?」

 「勿論構わないぞ、マルガが思っている不安要素を全部潰してから考えて貰ってもいいし、あんまり乗り気じゃなかったら断っても問題ないぞ」

 「...分かった...」


 先生かぁ 私先生が出来るか全く分からないんだよね、まず人に教えるの苦手だし というか人と話すのも接するのも苦手なのに先生なんて出来るのかな? ドロシーに相談はしてみるけど... というかドロシーがこういう仕事をすればいいのではないだろうか?魔法の知識沢山あるし?多分だけど人と話すことも苦には思っていないみたいだし...むしろなんで今何も仕事していないんだろう? なんて思ってたけど考えたらドロシー私の魔法の先生っていう仕事をしていたね 最近リーアに魔法の話を聞いてるせいでドロシーは先生っていうより家族な気がするなぁ... パパとママより一緒に居るしね なんて思いながら今日はまっすぐ帰る事にした


       ◆◇◆◇


 「ただいまー」

 「おや、おかえりなさいませ」

 「セバスチャン...久しぶり?」

 「はい、お久しぶりです」

 「最近見なかったけどどうしてたの?」

 「最近はルクロンに帰って家に顔を出していたりライル様とお話をしたりしましたね」

 「パパと...?いいなぁー...」

 「最近忙しそうでしたからね、たまには来ると言っていたのでそれを楽しみにしといてください」

 「分かった...ところで皆は何処行ったの?」

 「ドロシー様とメリーは食材を買出しに行きました、ミツキ様は仕事を探しに行きましたがいい依頼が無かったらそろそろ帰ってくる頃でしょう」

 「...ふーん...じゃあ私部屋に居とくから皆来たら相談したい事があるから教えて?」

 「はい、わかりました、私も同じように皆さまにライル様からお伝えして欲しい話を持ってきたので集まりましたらお呼びしましょう」

 「...ん...パパから話?...」

 「そうです、といっても悲報とかそういう悲しい話ではありませんので、まぁ期待しといてください?」

 「...分かったぁ...じゃあ皆帰ってきたら呼んでねぇ...」


       ◆◇◆◇


 「依頼...いつ行こうかなぁ...一人でこっそり言ったらドロシーとミツキさんに怒られそうだなぁ...あぁ...うーん、でも...こっそり行こうかなぁ」

 「こっそり行ったら一番怖いのはメリーな気がするけどね?」

 「リーア...悩んでるんだけどあんまり私のわがままに振り回したらだめだと思うんだよね?」

 「ふーん?私はそうは思わないけどね」

 「...よし決めた!今回の学校の依頼は一人で受ける!」

 「...本当に大丈夫かしら...せめてミツキとか連れて行った方が良い気がするけど...」

 「大丈夫大丈夫、多分なんとかなるよ~」

 「...心配だわ...私も行くけど本当に油断だけはしないでね?...」

 「任せて任せて...じゃあ皆来るまで寝ようかな...」

 「はいはい、おやすみ」


 リーアは一体何を心配しているのだろう 私が今まで危ない目にあったことがあったかな? 今回は吸魔石を探すだけだもの ついでに人も探すけど そういえばノアから探してほしい人の特徴聞くの忘れたな... 今度ギルド行って依頼を受ける時に聞いてみようかな というか待っているだけなのも暇だし今から皆が帰ってくるまで眠っちゃおう 惰眠を貪るのだ...


       ◆◇◆◇


 「...マルガ...起きて...帰って来たよ...」

 「...ううぅん...後5分...」

 「...マルガ...起きないとキスするよ...」

 「...ううん?...ミツキ...さん?...」

 「...さん付けしたね...んっ..」


 頬に柔らかい感触が...えっ!?私キスされた!? ちょっと待って!? 


 「ミツキさん!?」

 「...またさん付け...もう唇奪っちゃおうかな...?」

 「ちょ、ちょっと待ってください!というかここ私の部屋!」

 「...どんだけ呼んでも起きないから...かなり近くで呼んでやっと起きたと思ったら約束破ったから罰あげただけ...」

 「普通に起こしてくださいよ...」

 「普通の子はゆすられたら起きる...マルガがおかしいだけ...」

 「ぐぬぬ...分かったよ..起きるよ...」

 「...皆下で待ってるよ、ご飯食べながらセバスチャンの話聞こう?」

 「...そういえばそうだった...」


 皆が来るのを待っていてそのまま寝たんだった 帰ってきてからご飯も食べてないからお腹空いた...私どれくらい寝ていたんだろう?確かお昼に帰ってきて寝たから...あれ?もう外が暗い? そりゃお腹もすくよね、食べたの朝だけだもん 


 「...おはよう」

 「おはようマルガちゃん、ほらご飯出来てるから座って?」

 「おはようございますマルガ様」

 「...ほっぺ柔らかかった...」

 「ぐっ...思い出させないでミツキ...」

 「...次は唇行く?...」

 「...初めてが罰ゲームなのは嫌だな...どうせならちゃんとキスしたい...」

 「マルガちゃんが可愛い事言ってる...さては好きな人が出来たな!」

 「なっ!?で、出来てない!出来てないから!」

 「...本当に嘘がへたくそ...それで誰なの?...」

 「ミツキさん?殺気が出てますよ?落ち着いてください」

 「...メリー...分かった...」

 「というか集まったのはセバスチャンの話を聞く為じゃないの?!私の話はいいから!」

 「...後で部屋で聞くからね...」


 どうしよう 私の中で今ミツキから逃げる事が一番重要になってしまった 私嘘つくのも誤魔化すのも苦手だから絶対に言っちゃうもん 言ったら今までの関係じゃいられなくなる? それだけは絶対に嫌だ ぎくしゃくした関係になるくらいならもう少しタイミングが後でも私はいいと思うんだよね 逃げてないよ?本当だよ?

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