私は体力測定を受ける!②

 「マルガさん、話は聞いた?」

 「聞きたくはなかったですけど...体力測定って何をするんですか?」

 「まずは持久走ね、ツバキさんとかが一緒に走ってくれるらしいから頑張ってね~」

 「えっ」


 なんて言った?持久走? 私の希望は最初で砕け散ったのだった 体力本当に自信無いけど大丈夫かな、試験になるか心配なんだけど 魔法を使えば行けるかな?


 「今回魔法は使っちゃだめですからね~」

 「えっ、なんでですか?」

 「今回測りたいのは純粋な体力ですから~」

 「嘘でしょ...」

 「本当です~、さぁ運動着に着替えてさっさとグラウンドに行ってちょうだい~、担当は私と学校長がするからね~」

 「嫌すぎる...頑張るけど...」

 「頑張ろうねマルガちゃん!」

 「一緒に走るからせめてやる気ぐらいは出して?」

 「カエデさん...ツバキさん...私頑張りたくないです」

 「いや..がんばろうよ?」


 皆辛辣である、というか今まで運動をしなかった分が今に来たと思ってしょうがなく頑張るべきなのだろうか まぁ前世では運動は出来た方だから多分なんとかなるだろう...!多分


 「じゃあ最初は持久走ね、グランドを3周してちょうだい、はいスタート」

 「3周?先生もしかしてウォーミングアップ?」

 「違うわよカエデさん?マルガさんの年と体格的に3周くらいは頑張ってほしくてね?」

 「なるほど...私とツバキが居るから勘違いしていました、一応マルガちゃんの体力テストですもんね」

 「そうそう、それにもし3周走れなくてもどれくらい走れるのかとかどれくらい体力が持つのかを調べないと行けないからね~」

 「マルガちゃん大丈夫?」

 「ひっ...はっ...し、死ぬ...」

 「....」

 「マルガさん頑張って~、まだ半周もしてないわよ~」


 このグラウンド見たところ一周でちょうど1キロくらいあるみたい 今私が走ったのは多分100メートルくらいかな? というか100メートル走ったぐらいで本当にきついんだけど...むしろ3歳なのに100メートル走れたのがすごいんじゃないか?褒めて欲しいぐらいだ


 「はぁっ...はぁっ...し、死ぬっ...無理っ...」

 「マルガちゃんがんばれがんばれ」

 「もう少し頑張れ!」

 「ひぃ...はぁ..はぁ...無理です」

 「これが限界かな?」

 「お疲れ様!」

 「...ひぃ...死ぬかと思った...」

 「150メートルって所ですか?」

 「もうちょっと行けると思ってたけど...流石に無理ですか~」

 「ミツキさんって...どれくらい..走れるんですかっ...はぁ...」

 「ミツキは確か...20キロ走ったくらいで測定が終了したんじゃなかったっけ?」

 「そうですね~ミツキさんは20キロ走った後に余裕があったのでオッケーにしました~」

 「...ミツキさん...すごい...」

 「というかSクラスのメンバー全員20キロ走れますよ?」

 「簡単だよね!20キロ!」

 「う、嘘だよね?...」

 「本当だよ!」


 このクラスは化け物が沢山居るんだろうか というか皆運動神経良すぎではないだろうか? 私はもう少し体力付けるべきなのかな?


 「...あれ?...ふらふらしてきた...」

 「マルガちゃん大丈夫?」

 「...うぷっ...」

 「先生!マルガちゃんがやばそうです!」

 「あらあら、最初の測定で医務室に行く生徒初めて見たわ~」


 何か込み上げてくる物がある そう言えば朝食べたスープ美味しかったな なんて現実逃避しながら必死に耐えてるとカエデさんが私の事をおぶって医務室に走っていく そんなに走ったら揺れて吐き気が うぷっ


 「先生居ますか~」

 「はいはい、居ますよ?どうしました?怪我ですか?」

 「...だれ?...」

 「医務室の先生ですよ~、トト先生この子少し走ったら気持ち悪くなったみたいで~」

 「なるほど?分かりました、そのベッドに寝かせるかそっちの椅子に座らせてください、楽な体制でいいよ」

 「どうする?マルガちゃん!」

 「横になりたいです...吐く..」

 「吐くならそこに備え付けのトイレがあるからそこで吐くか外の吐いてほしいかな?」

 「...頑張って耐えます...」

 「マルガさん大丈夫ですか?流石に走ったくらいでそこまでグロッキーになるのは想像していませんでしたけど~」

 「マルガちゃんもしかして運動不足ですか?」

 「...運動不足ではあります...」

 「じゃあ吐きそうになっている理由はそれかな?多分運動不足なのにウォーミングアップも無しにいきなり走ったからだね。だめじゃないかシルフィ、走る前とかに準備運動をしないと怪我をしたりしてしまうよ?」

 「いつも皆が涼しい顔で20キロとか走るので忘れてましたね~」

 「まったく...どうする?えーとマルガくん?」

 「...どうするとは...?」

 「このままここで休憩するかいっその事もう帰ってしまうか」

 「...休憩しておきます...」

 「ごめんねマルガさん?一応体力テストは最低限終わらしたらそのまま帰らしてあげるから休憩して体力が回復したらもう一度教室に来てもらってもいい?」

 「...分かりました」


 こんなんで吐きそうになる自分が情けない 次からはもっと運動してせめて吐かないようにしないとな まだ吐いた訳ではないんだけど そのうち出る気がする、うん


      ◆◇◆◇


 「沢山寝た気がする...どれくらい寝てたんだろう?」

 「二時間ぐらいだよ、おはよう」

 「...おはようございます...えーと...」

 「トトだよ、トト先生と呼ぶといい」


 トト先生は白衣を着ていて眼鏡をかけていた 喋り方は少し中性っぽいけど見た目は綺麗なお姉さんだ この学校男の先生少ない気がする 


 「君が少し前にSクラスに入った子供で間違いないかい?」

 「はい、そうですけど...まさか噂になっているんですか?」

 「勿論なるとも、Sクラスに入った子供が居るなんて噂になるだろう?」

 「...うーん、あんまり分からないです...正直最近学校来てませんし...」

 「ふーん、まぁ回復したのならシルフィが待っているし教室に戻るべきだね」

 「分かりました、ありがとうございます」


 ずっと保健室に居てもサボりになっちゃうもんね でも戻ったらまた体力測定するのかなぁ?だったら保健室に戻る気がする 倒れてね


 「おかえりなさい、マルガさん」

 「戻りました...次は何するんですか?」

 「あー、その件なんだけど...マルガさんの体力の無さに驚いて学校長に相談したら無しになったから体力測定はこれで終わりだね」

 「...ほっ...また保健室に戻るのかと思ったからよかった」

 「それにしてもマルガさんの体力の無さは異常ね?」

 「昔から運動してないからでしょうか...?」

 「まぁそれも原因はあるでしょうけど...まぁあんまり無理しないでくださいね~」

 「分かりました...無理は嫌いなので...」


 無理は本当にだめってリーアから口を酸っぱく言われているから もしかしたらここまで体力が無いのを知っていて言ってたのかな? だとしたらもしかしてリーアって優秀? まぁ妖精姫だしね~ なんて思いながら学校長室へと向かう 学校からの依頼って言うのが何なのか聞いていないからね

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