私は噂を確かめる!

 「おい聞いたか?あの図書館の噂」

 「どんな噂だ?」

 「図書館に幽霊が出るって話だ、放課後に本を読みに図書館に行ったらしいんだ、そうしたら図書館の二階の廊下で本を積みながら銀髪で目が赤い子供が本を読んでいるって話なんだ」

 「なんだそれ...もう少し捻ってもいいだろう」

 「それがこの話色んな奴から同じ話を聞くんだよ、それに皆が口を揃えて言うんだ、とっても美人だったってな、幽霊は幽霊でもお姫様の幽霊なんて噂もあるくらいだ」

 「はっ、もし本当なら俺も会ってみてー、あわよくば仲良くなりたいなー」

 「俺も一目見てみたいぜ」

 「「まっ、噂なんだけどね!」」


         ◆◇◆◇


 街を散策してから一か月が経って私もこの学校に慣れてきた、ただ友達は増えたかって言われるとSクラスのメンバーとは仲良くなれていると思っている ミツキさんのスキンシップにも慣れてきた...気がする!


 「ねぇねぇ!マルガちゃん図書館の幽霊の噂聞いた?」

 「何の話ですか?カエデさん」

 「聞いてないの!?最近色んな友達から聞くんだけどね!図書館に幽霊が出るって噂なの!」

 「...幽霊なんて存在するの?...」

 「それが皆が皆同じ話をするから割と信ぴょう性が高いかも..」

 「...なるほど...」

 「私朝と放課後図書館に居ますけどそんな噂も幽霊も聞いたことがないですよ?」

 「それはマルガちゃんが可愛いから皆話しかけれないだけだよ~」

 「リウムさんまでからかって...」

 「放課後にさ!皆で噂を確かめる為に図書館に行かない?」

 「賛成~」

 「...まぁちょっと気になる...」

 「私は普通に図書館で本を読むので...皆で頑張ってください」

 「マルガちゃんは最近図書館に通ってるからね...じゃあマルガちゃん以外で噂を確かめよっか!」

 「分かった~」


 皆ノリノリだなぁ そんな噂聞いたことないけど 居たかなぁ?図書館に銀髪で赤い目の子供なんて見た事ないけどなぁ それにそんな幽霊が居たらヘルメスさんが面白そうに私に話をしそうだけど...


        ◆◇◆◇


 「ヘルメスさん、こんにちわ」

 「また来たね猫ちゃん、ここ一か月ぐらい通ってるけどよく読むね」

 「楽しいですから!..ヘルメスさん噂の話聞きました?」

 「んー?..あぁ幽霊の話だね?もちろん聞いたよ?」

 「あれって噂ですよね?本当の事じゃないですよね?」

 「なるほど、猫ちゃんは知らないのか..一応あれは本当の事だよ?」

 「本当なんですか!?」

 「本当だけど別に害は無いし放置していて大丈夫だよ」

 「そうなんですか...私も見てみたいなぁ...?」

 「猫ちゃんは絶対に見れないよ、本に集中しているし」

 「...それってどういう意味ですか?...」

 「傍目に見ておかないと分からないのさ」

 「...ふぅーん...」


 なんか意味深は事を言っているけど結局害は無いし私には関係のない事なのかな まぁミツキさん達が調べに来るみたいだしその時に話を聞けばいいかな なんて考えて居たらミツキさん達が図書館に入って来た 今から話を聞くのかな? 私は二階に上がって本を読もうっと


 「ヘルメスさん~こんにちわ~」

 「こんにちわ!」

 「...図書館では静かにね...」

 「はいはい、こんにちわ、噂でも確かめに来た?」

 「よく分かりましたね」

 「最近この話を聞きに図書館にくる子達ばっかりだからね?」

 「じゃあずばり...幽霊って居るんですか?」

 「居るよ、後ちょっとしたら出てくるんじゃないかな?」

 「...楽しみ...」


        ◆◇◆◇


 「そろそろ二階に上がって本棚がある廊下を一つずつみてごらん、お目当ての幽霊さんが居るはずだよ」

 「...分かった...」

 「どんな幽霊なんだろう...!」

 「楽しみです..」


 なんて話ながら4人で階段を上がって一つずつ廊下をチェックしている 一つ、また一つと


 「...あれじゃない?足見えてる...」

 「本当だ...なんか足見えてる...って事はこの廊下の先に居るんじゃない...」

 「ゆっくり行こう...!」

 「静かにですよ~...」


 流石にいざ幽霊に出会うとなるとこの4人もビビるのかゆっくりゆっくりと歩いていく そしていざ...


 「...!」

 「...これは...」

 「マルガちゃんじゃん...」

 「まぁそうですよね~」

 「リウムは気づいてたの?」

 「むしろ気づいてなかったんですか~?目の前に赤い目をした銀髪の子供が居たのに~」

 「...言われてみれば...確かに...」

 「というかこんなに近くで喋っても気づかないなんて...そりゃ幽霊だと思われるよね!」

 「...ここまで気づかないといたずらしたくなりますね~?」

 「...マルガは本を読んでいる時撫でるくらいならバレない...」

 「マルガちゃんには幽霊の正体教える?」

 「気づくまで放置かな!」

 「ですよね~」


  そういいながら二階から降りていくとヘルメスさんが面白そうな顔をしていた どうやらこの人は最初から分かっていたみたいだ



 「幽霊の正体には気づいたかな?」

 「まぁ分かりましたよ」

 「猫ちゃんは自分がどんな容姿かいまいち分かってないみたいだから皆でカバーしてあげるんだよ?」

 「...前途多難...」

 「取りあえずマルガちゃんには噂は分からなったで終わろっか」

 「...そうだね...」


  ◆◇◆◇


 結局私が帰る時間にミツキさんが来て私の事を回収していった 最近ミツキが私の事を回収する時に呼び掛けるとか肩を叩くとかじゃなくて最初から抱きあげて連れていく様になってしまった もう少し丁重に扱ってほしいなんて思ったりしたけどどうやらどんだけ肩を叩いたり呼び掛けても反応が無いらしい 私ってどんだけ集中しているんだろう


 「ミツキさんそういえば幽霊どうなりました?」

 「...あー...正体は分からなかったよ、ヘルメスに聞いたら分かるかもね...」

 「...なるほど...まぁそのうち分かるかな?」

 「...多分?...」


 どうやらミツキさん達でも分からなかったらしい まぁ幽霊なんて居るって言ってももしかしたらヘルメスさんがからかっただけの可能性もあるからね 気にするだけ無駄かもね そろそろ妖精魔法を調べないと レベルマックスなのに何も知らないのは流石に酷いからね 頑張らないと

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