私は冒険者になる!

 今日は街の散策に行く!といっても一人で行く予定だったけどミツキさんがどうしても付いていくらしいからミツキさんと二人で街の散策をする

 朝ごはんを食べてから一緒に行く予定だけど...ベットから出たくないなぁ...


 「...マルガ...早く行こう...」

 「あと二十分...出来れば三十分...」

 「...起きないとドロシー呼ぶよ?...」

 「おはよう!!」


 起きないとドロシーに何されるか分かったものじゃない、もしかしたら一緒に寝てくれる可能性があるけど十回に一回ぐらいだから期待したらだめだ


 「...さっさとご飯食べて...」

 「...めんどうくさい...」

 「..しょうがない..食べさせてあげる...口開けて?...」

 「え?..あーん..?」

 「んっ..」

 「待って!?なんで口に入れてこっちに近づくの!?それ口移しだよね!?」

 「...まぁまぁ..」

 「だめだよ!?私の初めては渡さないから!」

 「...いつか奪い取る..」

 「だめだから!」


 もしかしたら一番警戒しないといけないのはミツキさんなのかもしれない そのうちいきなりキスとかしてこないかな、魅了状態もいきすぎると私にとってかなりやっかいかも?自分で魅了した訳じゃないんだけどなぁ..


 「..じゃあ行くわよ、最初に行きたい場所とかある?」

 「冒険者ギルド行ってみたい!」

 「...じゃあ冒険者ギルドいこっか...」

 「場所分かるの?」

 「..学校が休みの時とか昔から使ってたから..」

 「..おぉ...」

 「最近行ってないから顔を出す意味でも一緒に行く...」


 冒険者ギルドってお仕事としても存在しているみたいだけど頑張ったら普通にお金稼げるのかな?そもそも冒険者ギルドってどこまでできるんだろう?


 「..見えてきた..あの木造の二階建ての...」

 「おぉ..いかにもって感じだね..」

 「...取りあえず行くわよ?..」

 「分かった!」


 いかにもな冒険者ギルドのドアを開けると視線が一斉にこっちに刺さる いろんな種類の視線だ 好奇の視線 探るような視線 敵意むき出しの視線 なんで敵意むき出しなの?私じゃなくてミツキさんなら昔何かあったとか分かるけど..なんで私に敵意?


 「ミツキさんお久しぶりですね」

 「...久しぶり...」

 「ミツキさん誰ですか?」

 「..よくしてくれた受付嬢...名前は...なんだっけ?」

 「サラですよミツキさん...ひどい..」

 「...初めましてサラさん?」

 「初めまして、お名前聞いてもいい?」

 「マルガっていいます」

 「マルガちゃんね?今日はどうしたの?」

 「冒険者になりたいです!」

 「...えっ?...」

 「え?」

 「...マルガちゃん何歳かな?」

 「3!」

 「...なれなかったっけ?...」

 「一応なれますけど...3歳でなってもいい事ないですよ?」

 「なんとなく..!」

 「分かりました...じゃああっちの受付に来てください、私は必要な物を取ってくるので」


 そう言ってサラさんは何かを取りにいった 何が必要なんだろう?まぁ何かあるんだろうね 取りあえず案内された受付に行って待っとけばいいかな?なんて考えてたら顔がめちゃくちゃ怖いおじさんが近づいてきた 顔に斜めに傷入ってる、とっても痛そう


 「お嬢ちゃん、こんな所に来てどうしたんだい、迷子にでもなったのかい?」

 「..もしかして優しい人?」

 「はっはっは、こんな仕事をしている人が優しい訳ないだろう、迷子じゃないならいい、邪魔したな」

 「絶対に見た目で損している人だ」

 「...私もそう思う..行こう?マルガ...」

 「分かった...」


 行こうと思ったら今度はイケメンらしき人が来た ミツキさんを見ながらニヤニヤと悪意のある笑みをしている 嫌いなタイプだなぁ...


 「よぉミツキ!最近来ないと思ったらいつの間に子持ちになったんだ?」

 「...死ね...」

 「いつまでソロでやるんだ?そろそろ俺たちのパーティーに入れよ、可愛がってやるよ!」

 「..行こマルガ..」 

 「いいのあれ?」

 「...気にしないで...」

 「気が変わったらいつでもこいよ!子供と一緒でもいいからよ!」

 「...はぁ...」

 「ミツキも大変そうだね」

 「...まぁ慣れてはいる...私にはマルガが居るから特に誰かに行く予定も無いし...」

 「もう動揺しませんよ、流石に慣れましたからね!」

 「...マルガ好き好き..愛してる..結婚しよ..」

 「ごめんなさい!恥ずかしいです!」


 なんでギルドでこんな恥ずかしい思いをしないといけないのだろうか 冒険者になりたかっただけなのに あの顔に傷のあるおじさんが暖かい目でこちらを見ている お願いだからそんな視線を向けないで欲しい 恥ずかしい


 「お待たせしました...なんで顔赤くなっているんですか?」

 「大丈夫です、早く終わらせましょう!」

 「そうですか..では、始めましょう」

 「はいっ」

 「..まずマルガさんは冒険者ギルドに関してどれくらい知ってますか?」

 「...依頼出来るぐらい?」

 「じゃあ最初から説明しましょうかね、まず冒険者ギルドは人に依頼をしてその依頼を受けてくれる人を探す場所です」

 「...偉くざっくりしてるけど...子供向け?」

 「うるさいですよミツキさん、それで冒険者としてギルドに登録して頂くと依頼を受ける事が出来ます」

 「うんうん」

 「冒険者ギルドの存在意味はまず依頼にランク付けをしてランク付けをした冒険者にその仕事を割り振ります、中には危険な依頼もありますので実力に則った依頼を受けていただきます」

 「うんうん..」

 「後は..例えばモンスターを倒して素材を持ってきましたらギルドで買い取ってますし逆にこちらから回復アイテム等を買う事も出来ます、後はこれは場所によりますが大体は困ったらギルドに行けば街について教えてくれたり場所を教えてくれたりします」

 「..なるほど...」

 「まぁ簡単にこんな感じになります、因みにランクはF E D C B A S SS の八段階となっております」

 「..以外と多い..」

 「例としてミツキさんは現在BランクですがBランクは一人前..ソロで行けるギリギリのランクとなっております」

 「決められてる?」

 「..違うよマルガ...これ以上はパーティーが要求される依頼が多いだけ、護衛とか、実力によってはソロで上に行けるらしいけど大変」

 「現在SSランクはこの世界で二名しか居ません、Sランクはパーティでなら複数ありますがソロとなりますと5人居たと思います」

 「...大変そう」

 「Sランクはもう国を救ったとか大型の魔物を単独で倒したりしたら一発で上がりますがSSランクはもう古龍殺しでもしないとなれないかと..」

 「..ある程度分かった..最初はFから?」

 「一応スキップ出来る方法もありますがこれはギルドマスター監修の元試験を受けて頂いて実力があると判断すれば上げる事が出来ます、ただこの方法で上げれるのはBランクまでです」

 「...にゃるほど...」

 「説明は以上です、分からない所はありましたか?」

 「今の所無いかなー?」

 「では登録しましょう、書ける範囲でいいのでこの紙に必要事項を書いてください、文字は書けますか?」

 「大丈夫!」

 「...分からない所があったら言って...」


 流石にここら辺は大丈夫な気がする 書かないといけないのは..まぁ名前と魔法使いっていうのと..緊急連絡先?ドロシーでいっか


 「書きました!」

 「はい、ではこのタグに血を垂らして頂きますか?」

 「血?」

 「はい、血です、マルガさんの情報を血を媒体にしてこのタグに登録します」

 「..わかった...」


 小さいナイフで指を少し切り血を垂らす これでいいのかな?


 「はい、ありがとうございます、これで登録は完了です。ようこそ冒険者ギルドへ」


 私はこの世界でついに冒険者になったのだ あんまり本腰を入れる気にはなれないけどね、勉強もちゃんと出来てないし ただこれで私の身元はちゃんと保証される物になった はず

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る