私は魔法をお披露目する!

「マルガちゃん?何か言いたい事はあるかな?」

 「....ごめんなさい?...」

 「なんで疑問形なの...というか隠すならもう少しがんばってよ...」

 「...ごめんなさい...」

 「...マルガは天然...可愛い...」

 「こんなうっかりだとは思わなかったね!」

 「ところでさっきの魔法はなんなんですか~?」

 「...空間魔法っていう魔法です...具体的な説明はツバキさんかミツキさんに聞いてください...」


           ◆◇◆◇


 結局カエデさんとリウムさんにもばれてしまった 空間魔法については色々な事を聞かれてつい答えてしまった 容量はどれくらい入るのか 魔力はどれくらい使うのか どのサイズが入るのか 根掘り葉掘り聞かれてしまった


 「へぇ...容量がこの教室くらい?殆どなんでも入るじゃん..なのに魔力は全然使わないんでしょ?すごいねぇ」

 「マルガちゃんうちと契約しませんか~、荷物運ぶだけのお仕事だよ~?」

 「こらリウム...こんな小さい子を商売に使おうとしないでよ..いい?マルガちゃん、この事は大人には本当に内緒にしていてね?」

 「わ、分かりました...」


 念入りに釘を刺されてしまった 正直こんな大事になるとは思ってなかったから油断していたといえば油断していたけど...でもそんな大事かなぁ?


 「マルガちゃん!そんな大きな事じゃないじゃん!とか思ってない?」

 「...オモッテナイデス,,,」

 「嘘も付けないなら正直に言えばいいのに...」

 「うそじゃないよ?」

 「分かりやすやすいから誤魔化せないよ!マルガちゃん!」

 「..それでね?一体何が大事かっていうとね?」


 カエデちゃんはこの空間魔法がどれだけ使えてどれだけやばいかを凄く具体的に教えてくれた まず商人がこの能力が持った場合荷物を運ぶ時の労力を考えなくてよくなる その上自分で護衛を雇ったりせず乗り合いに乗って運べばいいだけなのだ 荷物も持たなくていいのでそもそも全然疲労する心配が無いのだから

 そしてそもそもこの能力を悪用した場合どんだけ物を盗んだりしてもばれないのだ それがどんだけ凄くてどんだけ恐ろしいかを丁寧に教えてくれた 


 「分かった?」

 「...多分?」

 「取り合えず人前で見せたら...本当にだめだからね?ちゃんと信頼できる人の前でだけ...ね?」

 「分かった...」

 「いっそこの際マルガちゃんのやばそうな魔法全部把握しとくってのはどう?」

 「...凄くいいと思う...」

 「という訳でマルガちゃん?私達に魔法を見せてくれない?」

 「...別にいいけど」


 どういう訳か私はみんなに使える魔法を見せる事になった 私が使える魔法を把握して皆がどういう対策を取るのかは素直に気になる 中にはまだドロシーに見せてない魔法もあるけど事後報告で多分大丈夫でしょ きっと


 「じゃあまずは雷魔法とさっき出来るようになった付与魔法...そして空間魔法とそれの応用で空間転移、でもこの空間転移が全然出来なくて...この教室の端っこから端っこぐらいまでしか行けないんだよね....」

 「ぐらい?十分じゃない?...というかそれも恩恵が凄まじい事になるんだよ?」

 「でもですよカエデさん、朝起きてそのまま学校に来れる様になったらすごくないですか!?」

 「...マルガちゃんは平和だね...」

 「ええぇ?...後は...うーん、思い当たりが無いです...」

 「ふーん?じゃあ本気で隠さないと行けないのは空間系かな?」

 「...どうやったら隠す気になるのかな?...」

 「もう大丈夫ですからぁ...本当に大丈夫ですから..」

 「...次ぼろ見せたら私は罰を与えるわ...」

 「因みにその罰とは?」

 「責任を取って結婚よ...」

 「何の責任取ってるんですか!」


 一体いつになったら学校を案内してくれるのか 私がそう思って居ると鐘がなった どうやらお昼休みはここまでみたいだ 放課後か明日一人で歩こうかな... でも一人で歩こうとしても案内してくれる為に付いてきそうなんだよね 

 取りあえず私は空間魔法を人前で見せない様に真剣に頑張らないと じゃないと一生天然という称号を付けられる気がする...!

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