第43話

鍵を手に入れたので、さっき開かなかった部屋に戻ってみる。

さあ、今度こそ開いてくれよ……。

まずは鍵穴に入れる。

お、入った。

さて問題は次だ。

回るかな?

なぜか緊張して、ゆっくり、慎重に回す。

ガチャッ。

と小気味いい音が鳴った。

いやぁっふぅーーー!

思わず叫んでしまった。

鍵が開いただけでこんなに嬉しいのは、

小学4年生の時に3時間閉じ込めらていたトイレの鍵が開いた時以来だなぁ。

まぁそんなこんなでついにこの部屋に入ることができる。

これで何もなかったらドアを蹴り飛ばして八つ当たりしてやる。

と、なんだか妙にフラグっぽいことを思いながら部屋に入る。

予想をある意味裏切り、部屋の中にはいくつかの物があった。

もちろん宝箱もだ。

近くにあるやつから調べていこう。

入ってすぐのところには植木鉢があった。

ちゃんと植物が生えていた。

こんなところで育つのかな?

と思ったけど、まぁゲームの世界だからとスルーした。

植物はしっかりと葉がついていて、かなり高さがあった。

僕の身長は163cmだけど、この植物はもっと高い。

180cmくらいかな?

なんだっけ?こういうの。

あぁそうだ、クリスマスツリーに使うやつ。

最近はあんまり飾らないけど。

もみの木だっけ?

それに似ている。

すぐにまきにされそうだ。

でもなんでこんなところに植物が?

またモンスターとかじゃないのか?

そう思って観察してみると、根元というか株元?に何かあった。

モンスターかもしれないから、注意して近づく。

そこには緑色の液体が入って容器がささっていた。

あれだ。

よく観葉植物がとかにささってるやつ。

あれによく似ている。

ためしにそれをとってみた。

すると、さっきまで葉までついていたもみの木もどきはみるみる枯れていき、

最終的に植木鉢だけになった。

もう一度さし直す。

するともみの木もどきはすぐに復活した。

すげぇ。

なんだこれ?

このさすやつ(アンプルっていうんだっけ?)がこのもみの木もどきの生命の維持をしてるのか。

このさすやつは他の植物にも使えるのかな?

なんか使えそうだったから回収しておいた。

植木鉢は念の為壊しておいた。

そのまま破片が残っていたからモンスターじゃなく、ただの植木鉢だったみたいだ。

その中に種みたいなのがあったので、それも割ってみた。

すると、割れた種は消えていった。

やっぱりあのもみの木もどきはモンスターだったのかな?

種?が消えたところには小さな黄色い石があった。

黄色い石は初めて見た。

赤い石じゃないのか?

かなり小さかったため、ポケットに入れておいた。

入れたのを忘れないようにしないと。

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