《第一夜》 妖精と夢とロザリーと
早くに目が覚めたので、
「おはよう! ロザリー。これあげる」
「おはよう。妖精さん。
どうもありがとう。
妖精はピンクの花を
花には赤いリボンがついている。なんてことない普通のリボンに見えるけれど、
「綺麗なリボンね。これはどうしたの?
誰かにもらったの?
それとも、妖精もお買い物するの?」
「ううん。
このリボンはね、ロザリーの運命の赤い糸で作ったの」
「へぇ、妖精ってリボン作れるんだ。
……って、えぇ――――――――――――?!」
妖精がリボンを作れるとは!
手で
しかし、そんな事よりも!
「私の、運命の赤い糸を……
……その、切って、使ったの?」
「うん。そうだよ?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
この妖精は自分の運命の人との
もう、運命の人に
これはまさに、
「大丈夫だよ?
ロザリーは運命の人にもう会ってるもの」
「え? そうなの? いったい誰なの?
ね、誰なの――――――――――――――?」
というところで、目が覚めた。
「あれ? 妖精は?」
『夢ですわよ』
「夢?
そうだ。夢だ。……良かった。
え? ロザリーは夢の中まで一緒なの?」
『まぁ。どんな夢を見ているかわかりますわよ?』
「えぇ!
じゃあ一緒に妖精に聞いてくれれば良かったのに!
運命の人が誰か、気になる!」
『また同じ夢を見るかどうかはわかりませんけれど、あなたが夢の中で
夢の中で手を貸した所で夢は夢なのだけど、
「これからは、たとえ悪夢を見ても怖くないわね」
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