第3話
実習生の目
入院生活4日目、ようやく手術の痛みも和らぎ婦長より『明日から実習生をお付けしても構いませんか?』りょうしょ
と話しがあった。
翌日、専門学校生3人(男の子1人と女の子2人)が病棟に入って来た。
そして自分には、女の子の森田さんが専属で付いた。ミーティングや食事以外は、ほとんど一緒の状態になる。
自分は病気じゃないんで介護は必要ないので血圧測定したり脈測ったりと実験台になるだけ。
それで持って、ちょっと人見知りな竹下さん。
ちょっと面倒くさい役貰ったかな!…と思いつつ森田さんとの実習生活がスタートした。
自分の子供と同じくらいなので
我が子に対する感じで接した。
しかし、仕事に慣れてないせいか、かなり、緊張している
血圧測定を測ったら、後は患者に付き添うだけ…
最初はそれが苦痛だった。
彼女の緊張が伝わって来る。
どうにか話しを合わした。
『うちの子、韓流の歌手にハマってるよー』
『私も大好きです!』
と笑顔で言葉が返って来た。
しかし、自分は韓流なんて知らない。
まぁ〜自分の娘と同じように教えてもらったらいいかぁ〜と思いっつ接した。
森田さんはBTSの大ファンでいろいろ教えてくれた。
全く、うちの中3の娘と一緒であるので照らし合わせて見てしまう。
翌日.BTSは、ちょっとした事件を起こし、テレビ出演が中止された。
明らかにショックを受けている。
その時、神は舞い降りた。
会社の友だ。
『暇そうだから、なぞなぞ出すよ〜』
自分はちんぷんかんぷん…
森田さんと謎謎解きが始まった。
次第に森田さんは慣れたが、ここは4人部屋だ。
通常は和気あいあいで患者同士で話しをしているが、森田さん、その中には、なかなか入って行けない。しかし、病室で2人で話してたらアイドル独り占めみたいで悪いし…
くだらないが病室4人と森田さんも入れて、なぞなぞが始まりブームになった。森田さんも、少しづつ周りになれ心を開いた。
それにしても、若い子は無防備だ。森田さんだけかも知れないが…
毎朝、リハビリに行くんだけどリハビリ中、森田さんは座って見学している。小さい椅子に座ってるけどスカートの中が見えそうな状態…注意してあげたいが、言っていいものかどうか…親心で心配だ。
リハビリの女性の先生が気付き教えてあげた。
『親からも、よく言われるんですよね〜』あっけらかんだ。
本当、親は心配です。
ちなみに森田さんの親は自分より3つ下。
研修、終盤に近づくと、『今日の私の晩御飯、家族と何をたべたでしょ?』
なんて、いいオッサンに明るくしてくれた。
実習最後の日、森田さんに手紙を渡した。
森田さんは、その場で読んでくれた。涙ながらに頑張ります。と熱い握手を交わした。
頑張れ!森田さん!そしてありがとう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます