異世界転移 122話目




商王国、正式な名称はリキッド王国と言う。

この国は邪神戦争が始まるまでは、平凡な1王国だった。


城塞都市の幾つかが合併し、その中でも1番力のあった城塞都市の支配者が王族に、それ以外が公爵や侯爵家になり国をまとめ、有力な城塞都市国家や小国家連合などに対抗していた。


そしてこの国が力を持ったのが邪神戦争が始まってからだった。


なぜかと言うと、邪神達は世界樹とその都市、アズ・エーギク・エーレ・ファを狙い軍勢を送り込んだり、魔人に破壊工作を行わせたりと暗躍し始めた。


その際、エルフや獣王国と通商で利益をあげていたリキッド王国は国をあげて支援をおこなった。


その関係でエルフや獣人達との交易はより盛んになり、元々湿地帯が多く農業にあまり適さなかったリキッド王国は重商主義に走った。


その結果、リキッド王国は商王国とも呼ばれるようになり、多数の商会が拠点を置くようになった。

そしてそれらは様々な商会が有ったが、特に国が大きく関与した重要な商会が有った。




その商会のもっとも重要な商いが、傭兵の斡旋だった。




「ってことで、カルタサーラの兵力は5万と考えていい、奴隷兵もいるがありゃ奥の手だし、野戦ならともかく攻城戦には向かないからな。」


「何度か国境で紛争をしてますが、そのたびに傭兵を引き揚げられて停戦してますからな、今回も同じように停戦するのではありませんか?」


「そうだろうな……まぁそれに、フェルデンロットからは離れてるし、うちから軍を派遣することもないだろうな。」


「じゃあ問題ないわね!」


「「「ははは!」」」


カルタサーラと商王国が開戦したが、フェルデンロットとは特に関係ないだろうっとなって解散しようしたが。


「「いや、うちには関係ある(から、っちゃ!)」」


エルフリーデとリンカが叫び、そして2人で相談を始める。


「お父様とお兄様に伝えなければだわ。」


「うちも獣王様に連絡するっちゃよ、それでエルフと今後どうするかを話し合わないとっちゃね。」


そう言うとエルフリーデとリンカは、大広間の不自然な場所に有る扉に向かう。

それはドライトが設置したどこにでも行けるドアーだった。


そしてそれぞれが獣王国とエルフの国につながる扉を潜り居なくなったのを確認すると、ケンは周りに居る全員を1度見回してから指示を出す。


「取り合えずフェルデンロットには関係のない話だが、後方撹乱を狙って変なちょっかいをしてくる可能性もある。

クッコネン、衛兵の数を増やしておけ、アランは厳しいと思うが巡回を強化しておいてくれ。

ただし無茶はするなよ? 雪が深くなれば遭難の可能性も高くなるからな、馬ソリも用意してあるが複数台での巡回を心がけろよ、解散。」


「「「はっ!」」」


ケンの言葉にハロネン達が返事をする、それを見てカルタサーラと商王国の戦争の話は終わったのだった。




「ふぅ……いい湯だ……そしていいオッパイだ!」


幹部との話し合いが終わり、その後の執務も終わったケンは風呂に入っていた……左右にミラーナとクリスをはべらせて、オッパイを揉みながら!


「ヒン! も、もう揉まないでぇ……」


「ご主人様ぁ……のぼせちゃいますぅ……」


ちなみに一戦どころか、二戦、三戦もしているのでミラーナとクリスは息も絶え絶えだった。


風呂で何してんだコイツらと言いたいが、日課になってるので仕方がないことなのだった!


「ミラーナ、こっちを向いて。」


「ケン……あ……ふぁ。」


「クリス、クリスもほら。」


「ご主人様ぁ……ちゅ、ちゅば……はぁ……」


「ふぅ……そろそろあがるか、あとはベットで……な?」


ケンはミラーナ、クリスの順で濃厚なキスをしてから顔を離すと、そろそろ風呂から出るかと言って立ち上がった瞬間だった。


「ケン大変よ、フォルトリが落ちたわって、ギャアァァァ! 何てものを見せてくるのよ!」


エルフリーデが風呂の扉を開けて走り込んできた。

そしてスッポンポンで立ち上がっているケンと、立ち上がっているケンの分身を見て叫んでいる。


「いやお前、風呂に服着て入ってくるなよ。」


「何を言ってるのよ、それよりも前を隠しなさい、前を!」


エルフリーデがチラチラとケンの分身を見ながらそう言っていると、脱衣場の方からドタバタと音がしてリンカが風呂場に飛び込んで来た。


「ケン、えらいことちゃよ! フォルトリが落ちたっちゃ!」


素っ裸で!




「「「リ、リンカさん、なんで裸で!」」」


「? お風呂に入るのに服着てたらおかしいっちゃろ?」


「ありがとうございます、ありがとうございます!」


素っ裸で入ってきたリンカに驚き問うミラーナ達、それに平然としてリンカはそう答えると、風呂場で土下座しながらリンカの巨乳にお礼を言っているケンを見直して言う。


「そんなことよりもフォルトリのことっちゃよ!

ケンも早く立って話を聞く……もう凄く立ってたっちゃ!」


起き上がったケンの股間を凝視しながら叫ぶリンカ、そしてケンはケンでリンカのオッパイを凝視しながら言う。


「いやリンカの乳首も立って……なんだと!?」


そしてケンはやっとことの重大さに気がつき、立ち上がると慌てて風呂から出ていくのだった。


「ケンのお兄しゃ……素っ裸なのよ!?」


「股間に何かついてます!」


「あれはこん棒じゃ、さすがは英雄のケン殿じゃな、お風呂でも油断なく武器を隠し持っているとわ!」


そして廊下に出て直ぐに、アンナとお泊まりに来ていたアクリーナとエルザに鉢合わせになってしまった!


「妹達に何を見せてるんですか!」


「ケン、こんな子供達になんて事をしてるのよ!」


「エルザ見ちゃダメよ、変質者よ!」


「えらいこっちゃね。」


「あ、服を着忘れてた。」


そして自分が服を着てないことを思いだし、罵られながら脱衣場に戻るのだった。




少し興奮しながら。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る