【番外編】アイツとバイクと卒業と。
毎年恒例のお題小説の季節が
やって参りましたね。
これは昨年のやつですが作品整理の為
こちらに移動します!!
本編ではなくすみません…
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俺が相棒と出会ったのは20歳の時…
かれこれ20年近い付き合いになる。
相棒と出会ってからの俺は、起床してから就寝前まで片時も離すことなく、どこへ行くのもずっと一緒だった。
もう一つの相棒である250ccのバイクと共に色んな所へ出かけた。
俺とバイクとアイツは最高の相棒だった。
海の見える高台の空き地に止め上着のポケットから赤色の箱を取り出しアイツにライターで火をつける。大きく吸い込み、ふぅ~っと白い煙を吐き出した時の爽快感は今も覚えている。
「バイクでひとっ走りした後の
一服はたまらん!」
あっという間に消えて無くなったアイツ。
立て続けに次のアイツに火をつける。
そんなことを繰り返しながら海外線のワインディングロードを走り続けることが、若かりし頃の俺にとって最高に贅沢な時間だった。
「ん?稜さん変な顔して何見てるの?」
『こらこら、若かりし頃の自分を見て、物思いにふけっている彼氏に向かって変な顔とは酷いじゃないのはるさん!いやー昔のアルバムが出てきてさ、過去を振り返ってたわけですよ~。ほら見て?カッコイイでしょ?』
「へぇー、稜さん全然変わってないわね!
強いて言うならお肌のハリくらい?」
『それは、褒めてるのか貶しているのか
どちらかしら?いやー、この頃の俺はさ大酒飲みの喫煙者だった父親の影響なのか、今思えば不摂生な事ばかりしてました。亡くなった婆ちゃんが良く言ってたのよ、"お前はあんなの、やるなよ?"ってね。でも若気の至りってやつですわねー。』
「あー、稜さんに初めて会って話した時!
会社の屋上でも吸ってましたよね。でも、そういえば最近吸ってるとこ見てないかも。私は別に迷惑かからないなら自己責任で吸ってもいいとは思いますけど、もしかしてやめてくれたの?」
『そう、そうなんです!西園寺稜!約二十年の喫煙者生活に別れを告げたのであります!やっぱりさ、俺のが年上だし…はるさんと少しでも長く一緒に生きていく為に、もっともっと健康で居たいと思いましてね!だから…俺と結婚してくれますか!!?』
「え、ええ?!今ただアルバム見てただけですよね??この流れで言う??…でも、稜さんの熱意は伝わりました。まだ、”うん”とは言えないけどさ?本当に私の事考えてくれてありがとう。これからもよろしくね!」
「くそーーー!めっちゃいい事言ったと思ったのに!もう…昼からやけ酒だっー!!」
『あれ?稜さん?今健康に気をつけるって言いましたよね?もー、しょうがないわね?
仕方ないから私もやけ酒だー!』
「流石、俺の可愛い相棒ちゃんね!!
よーし朝まで飲むぞー!昼だけど!」
こうして、俺の相棒(タバコ)からの
卒業は今も続いている。
酒からの卒業は…難しそうだ!
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