私のその日
私にとってその日は暖かく元気の出た日でした。
教室のドアを開けるまでは
寝覚めが良く、髪もいつもより上手くまとまり普段より気分が晴れた朝でした。
私は準備が早くに終わったおかげでいつもより5分程早くに家を出ました。
學校に着くと下駄箱で靴を履き替え教室のドアを何の気なしに開けました。
声がでませんでした。
私は頭が追いつきませんでした。
理解できませんでした。
ゆっくりとぶら下がってる彼を見ながら血の特有のにおいが感じられました。
ぽたり、ぽたり、ぴちゃり。
赤い血が彼から滴り落ちる音を認識しながら彼を見てました。
私は彼が生きているのを見た最後の人間でしょう。
彼は体をひねって私を見下ろしたかもしれません。
雫の滴る音と共に
かひゅー、かふぅー、かひゅー
ギシギシ、ギシギシ、ギシギシと音が今になって聞こえてきました。
彼は手に持った包丁で彼自身の腹を突き刺しました。
私は何も考えられませんでした。
私は身体を動かすことは出来ませんでした。
ただただ、音を聞き流しながら呆然としながら見ていたはずです。
思い出すのも嫌ですが、思い出せないのです。
時間がたっていいたのでしょう
誰かが来て、私に挨拶しながら悲鳴を上げました。
人が誰かの悲鳴を聞いて集まっているのでしょう。
私は揺さぶられながら、気を取り戻し悲鳴を上げました。
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