死体の状態

第三話


少年の自殺の現場は……

いや、少年の遺体はとても痛ましいものであった。

少年は教室で首を吊っていた。


少年の体には無数の傷があった。


現場に置いてあった安物の包丁で行ったのだろう。

自らの首を浅く切り、左手首を切り、右脚の太ももを突き刺していた。

そして最も大きな傷はであり、致命傷となったのは腹部にある傷だった。


包丁を突き刺し、腹で無理やり動かそうとした痕が見られる。

突き刺して痛みにこらえながら少しだけ刃を下した痕があった。

安物の包丁を使ったからだろう

上手く切れなかったのか、切る恐怖で思いどうりに行かなかったのか。首と手首には数度の仕損じた痕があった。

太ももの傷も何度か刺したようである。


首を吊ったであろう場には血だまりが出来、

首を吊る前に切った、・刺したを行ったであろう場には周辺全体に血が飛び、

四方の壁にまで広がっていた。

首を吊る前に手放したであろう包丁には、既に黒ずみ乾燥し始めたと見られる

少年の血液が余すところなく

付着していた。


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