悪役令嬢コーチ
ニート
第1話
なんで私がこんなことに……
婚約破棄され仕事しないといけなっくなったからと言ってもまさか教師になるなんて……
学生時代なんとなく教育系の大学に入ったため教員免許の単位は卒業単位としても認定されたからそのついでで取っただけであって教師になるつもりなんて毛頭なかったのに……
理系科目だったこともあってか採用試験にはわりとすぐ通ったが、運動部の顧問を任されてしまうことになるとは思わなかった。まあ、担任やるよりはマシだと思って渋々選択したのだが……!?
体操競技部といっても自分には女子体操競技の経験すらまったくないし専門のコーチもいるわけではないため、安全のことも考えてできるだけ毎日行くよう言われてしまった……どうせ弱小だから行かなくても結果は変わらないと思っていたのだが見通しが甘すぎたようだ……。
ぼろい体育館に足を運ぶとこれまたぼろい器具ばかりが置かれている……
あん馬に吊り輪、平行棒、そして幅1メートルほどしかない長さもたいしてない床運動用のフロアなどすべてがボロボロである、だからといってこんな地区予選どまりの部活にまともな部費など下りるわけもないためそれらを部員たちが磨いたり直したりしながら騙しだまし使っているという状況だ。
オナシャーァアアアアアアアアアアアアアアアッス!!」
すでに部長が来ていた。彼は今年3年生になり部のエースでもある。身長は188㎝ほどで85㎏の細身の体型だ。
他の部員と同じで高校から競技を始めたらしい、得意種目は平行棒と鉄棒で個人総合の成績も部内では1,2を争うというなくてはならない部員だ。(いたところで弱小なのは変わらないようだが)
「早いわねぇ~ほかの3年生は?」
「まだ来てないんスか、ホントあいつらゴミだなぁ」
部長は倒立や柔軟などアップをし始めていた。
他の部員は……あ、来たようである!!
「うぃーっす!」
「おめぇらおせぇぞボケ!! 殺すからな家族全員」
「しゃーないっすよ、俺らの担任ホームルームが無駄に長いんだし」
「言い訳してないでさっさと着替えろやガイジ!」
彼らは2年生、ということで体操歴はまだ1年ほどだが部員がいないため団体戦などには必要不可欠な存在なのは間違いない。具志堅は190㎝ほどあるが鍛えており力技に重きを置かれるようになった現代ルールの吊り輪が得意というちょっと変わったやつ、もう一人は田中で跳馬や床のタンブリング系が得意なバネのある選手だがまだ
競技歴間もないくせに怪我ばかりしてるのが心配要素である。
「しゃーっす!」
「ちぃーっす!!」
15時半を回り続々と部員が集まってくる、アップを終えた部長は今日やる種目のセッティングに取り掛かり始めたようである……。
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