第401話 新堂さんの怖い話~呪いのゲーム 中編~

「こ、これが今話題のゲーム?」

「ああ。結構難しいけど面白いぜ。」

この時、A君は不思議とそのゲームがどうしてもやってみたくなったそうです。

だから次の誕生日には必ず買ってもらおうと思いました。

けれど次の誕生日までまだまだ月日があり、日に日に気持ちが大きくなっていたA君はいつしかどうにかしてこのゲームを手に入れたいと思い始めました。

母親に頭を下げて頼んだり、祖父母に駄々をこねたり、友達に自分の持っているゲームと交換してもらおうとしたりと、色々試みました。

しかし、成功することはありませんでした。

次の手を考えながら父親と散歩をしていた時です。

通りがかった公園でフリーマーケットを開催していたのです。

「お!フリマか。懐かしいな~。なぁ、A。ちょっと見ていこうか。」

父親に手を引かれ、フリーマーケットを見て回っていると、“中古ゲーム安売り中!”という看板に目が留まりました。

A君は僅かな望みに賭けて、そのお店に走って行き、中古ゲームの中からあのゲームを探し始めました。

「違う、違う、違う。これじゃない。これも違う。これも・・・あった!!」

運が良かったのだろう。A君は中古ゲームの中にあのゲームがあるのを見つけることが出来たのです。

「1000円・・・どうにかして買えないかな。」

頭をフル回転させ、A君はどうにかしてそのゲームを買おうと考えました。

すると、予想外な出来事が起こったのです。

「ゲームか。よし!今日は気分がいいから買ってやろう。」

「え!?本当!?」

なんと、ゲームに対して良い印象を抱いていない父親が買ってくれると言い出したのです。

A君はようやくあのゲームを手に入れることが出来たのです。

大喜びのA君はその夜、パッケージをうっとりとした表情で見ては、頭の中でどう遊ぶか想像していました。

そして誰にも、特に年の近い弟に盗られないように大切に押し入れの宝箱に閉まって月曜日を楽しみに待ったのです。

そして月曜日、学校が終わると駆け足で家に帰りました。

「ただいま!」

なんとここでも予想外のことが起こったのです。

「あれ?母さんいないの?ん?これは・・・。」

テーブルの上には祖父母と弟を連れてお友達の家に遊びに行ってくると書いてある置手紙があったのです。

一日一時間のゲーム。だけどバレなければ母親たちが帰ってくるまで遊んでいられる。そう考えたA君は急いで自分の部屋に行きました。

「え?」

部屋に入って目に入ったのは、あのゲームが机の上に置かれていたことです。

「確かにしまったはずなんだけど・・・ま、いいか!よっしゃ!やるぞー!」

ちょっとしたことにA君は気にすることなくあのゲームを遊び始めました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る