第400話 新堂さんの怖い話~呪いのゲーム 前編~
「呪いのゲーム、ですか?」
「ええ。貴方は聞いたことありませんか?高宮さん。」
クールビューティーこと
お弁当を忘れた僕は、財布の痛手を我慢し、購買部へと向かっていた。
すると、見覚えのあるメイド服を着た女性が仁王立ちで出迎えてくれる。
「あ!
そう言うと、頬を膨らませて怒っていることをアピールされる。
「あ、あれ?」
「優ちゃん!」
「はひっ!?」
「潤ちゃんと優ちゃんは何!」
「え、えっと・・・お友達?」
「だったら?」
「え~・・・じゅ、潤ちゃん?」
「ニヘヘ~。」
あら可愛い・・・じゃなくって!?
「あの、潤ちゃん先輩はどうしてここに?」
「むぅ・・・まぁ、許してあげよう。えっとね、潤ちゃんは優ちゃんを呼びに来たの。一緒に新聞部に来て。」
「はい?何で新聞部に?」
「お昼ご飯、ご馳走しちゃうよ?潤ちゃんの手作り~。」
「ご一緒しましょう。」
お昼ご飯の誘惑には敵いませんねぇ。
そして今に至るのである。
「聞いたことないですけど・・・どういうゲームですか?」
「古いカセットゲームなのですが、どうやら元のゲームと内容が全く違うようでして。」
「へ~。」
レトロゲームなのかな?最新のゲームしかしたことないからカセットゲームって何だか新鮮。
「小耳にはさんだ話しになりますが、どうやらこの町にその呪いのゲームがあるそうなんですよ。」
「へ?ほ、本当ですか?」
マジかよ何それ興味あるわ~。
「ええ。高宮さんならそう言って頂けると思っていました。」
いやまだ何も言ってないよ!?
「では聞いてください。呪いのゲームの話しについて・・・。」
A君の家は両親が教師ということもあり、厳しい教育の下でA君は育ちました。
その中でも特にゲームに関しては厳しいものがありました。
ゲームで遊べるのは一日一時間。ゲームを買ってもらえるのは誕生日とクリスマスのみ。土日はゲームをしてはいけないなど。
だからA君が新しいゲームを買ってもらう時には既に新しい流行りが出来ており、A君が友達とゲームの話をするのはとても苦労したそうです。
「なぁなぁ!あのゲームやったか!?すっげー面白れぇの!」
「マジ!?俺も次の休みに買ってもらおうっかな~。」
そんな友達のやり取りに、A君は混ざれませんでした。
けれど、A君にも抜け道があります。
それはB君の家で遊ぶことです。
B君の家は親が甘やかしているので最新のゲームが全部あったのです。
だから帰り道にこっそりとB君の家に寄ってプレイしているところを見させてもらっていたんです。
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