第358話 百物語合宿~その4~

涼しい風が緩やかに吹く朝。

朝食の後、何して遊ぶのか。

レクリエーションみたいなものがあるのか。

そんなワクワクとは裏腹に今日も今日とて変わらずの怖い話に花を咲かせる我々なのである。

「優君。朝食、とても美味しかったよ。」

「ありがとうございます。と、言っても簡単なものですが。」

「いやいや。料理ができることの方が重要だよ。でも、出来れば今度作ってくれる時は、目玉焼きは半熟にしてくれ。あのとろっとしたのが好きなんだ。」

「了解です。」

「ふふっ。今後の参考にもしてくれよ。」

えっと・・・?

よくはわからないが、明日も目玉焼きがいいのか?」

「あたしはしっかり焼いてある方が好きだけどね。わかった?優。」

「え?あ、はい。」

「自分は優殿の料理なら何でもいいでありマス。」

「ちょっと!」

「それは私たちも同感だよ千夏。その上での、好みの話さ。」

要するにみなさん目玉焼きが好きってことでよろしいのでしょうか?

「さて、本日の予定だが・・・期待したことになるかはわからないが、一応イベントを用意してある。」

「イベント?ですか。」

「ああ。まず、午前中は昨日からの引き続き、百物語。そしてお昼は柑奈からの提案でバーベキューだ。」

おお!BBQ!

「フヘヘ。実はこのためにいいお肉をご用意したでありマス!」

「いいですね!」

「そして午後は百物語を行い、夜は私からの提案でこのメンバーで心霊スポットに行ってみようと思う。」

「し、心霊スポットですか!?この近くに!?」

「ああ。去年は知らなかったが、今年は事前にこの周辺を調べたんだよ。そしたら、ね。」

心霊スポット・・・正直怖いけど、好奇心もあるなぁ。

「以上だ。ちなみに、本日中に百物語が終われば明日の最終日は何かイベント事を考えようと思う。どうだろうか?」

「いいわね!青春真っ盛りのあたしたちが引き籠って怖い話ばかりじゃもったいないものね!」

「自分も賛成でありマス。」

「僕も同意見です。合宿最終日は遊びたいですよね。」

「決まりだな。では、昨日の続きを始めようか。」

あ・・・そういえば。

「あの、始める前に一つ聞いてもいいですか?」

「ちょっと優、そんなのは後にしなさいよ。」

「いやでも・・・。」

「何だい優君。」

「尾口先生は・・・何をしてらっしゃるんですか?今朝も朝食に出てこなかったので、部屋の前に置いときましたけど・・・。」

「・・・。」

「式子さん?」

「ハッキリと言えば、ナニをしているのかわからないな。」

「ええ。興味ないし。」

「自分はいない者と扱っているでありマス!」

みんなひどっ!?

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