第323話 百物語合宿~その2~

「着いたでありマスよ~。」

「おおー!」

高原というからどんな感じかなぁ~って思ったけど、結構いい場所だなぁ。

周りに建物は無く、目の前を草原の水平線。

後ろは世界を拒絶するかのように林が広がって・・・うん、個人的に好きな場所です。

何よりも白を基調とした洋館のようなこの建物・・・。

「大きいなぁ。」

「そうだろう。私も去年来た時同じような感想を持ったよ。」

「誰だってそう思うわよ。」

「さて、じゃあ部屋に持ってきた荷物を置いたら広間に集まろう。優君と尾口先生は千夏に案内してもらいたまえ。」

「はい。」

「よろしくね千夏君。」

「では、こっちでありマス~。」


「ここが尾口先生の部屋でありマス。この別荘で一番の部屋でありマスよ。」

「おお!景色がいいね~。いや~すまないね。急な参加なのに。」

「いえいえ。ここを自分の家だと思って好きに使ってくださいでありマス。こちらに一応地図も置いておくでありマス。」

「ありがとう千夏君。」

「ではでは。優殿も行きましょう。」

「はい。」


「ここが優殿の部屋でありマス。」

正直に言おう。

そんじょそこらのホテルよりしゅごい・・・。

てか、一人部屋って・・・贅沢ぅ!

「ヌへへ。実はここ、自分が子供の頃よく使っていた部屋なんでありマス。」

なん・・・だと・・・。

「もしかしたら、自分の匂いがついているかも、でありマスよ。」

ご、ごくり・・・。

「ではではお早めに広間に来てくださいでありマス~。」

千夏さん、貴方は罪な人だ。

こんな部屋・・・いや御部屋おへや

僕は無事でいられるのだろうか。


「全員揃ったな。」

「そうね。どうよ優~千夏の別荘凄いでしょ。」

「はい!正直ビックリです!」

自分の理性の固さにもビックリです!

てか・・・。

「み、皆さん着替えたんですね。」

「ああ。いつまでも制服のままではしわができてしまうからな。」

「何よ優、あんたは着替えてないの?」

理性との戦いでそれどころでは・・・てか、皆さん私服姿新鮮過ぎません?

正直・・・眼福です!

「皆さん飲み物をどうぞでありマス。」

な、何ィぃぃぃぃぃぃぃ!!?

あの千夏さんが緩い服だと!?

いつものかっちりきっちり制服では見ることの無い谷間が・・・やべぇ・・・。

「ん?どうしたでありマスか優殿。」

「麦茶のおかわりはありますか?」

アッぶねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?

谷間を凝視しているのがバレるかと思った。

「・・・イラッ。」

「痛っ!?痛っ!?痛いですって式子さん!?足を踏まないでくださいよ!?

「知らないなぁ。」

あ~合宿最高です。

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