第147話 式子さんの怖い話~ひきこさん。中編その1~
「だから先生はどうにかして私に恥をかかせようと、わざと習ったことの無い問題を私に解かせようとしたが、私はそれら全てを返り討ちにしてしまった。」
うわ~お。
「幼い私は先生の心の闇を見抜けなかったんだよ。ふふ。笑えるだろう?」
「その・・・ね?」
「そう・・・でありマスね。」
二人のお気持ちをお察しします。
「だから一学期の終わりに先生は私に当てつけるように話し始めたんだよ。」
「それがきっかけかい?」
「ああ。先生はクラスのみんなに、正確には私に話したんだよ。『ひきこさん。』の話をね。」
『今日で一学期は終わります。そう言えばもう夏ですね。ということで先生から皆さんにとある話をします。その内容は口外しないように。いいですね?』
『『『はーい。』』』
『特に花咲さん!』
『・・・ええ。』
『チッ。これはある美少女のお話しです。その子はとても美人で、成績もよく、運動も平均以上できました。そんな彼女をクラスメイトは良くは思いませんでした。』
『ねぇ何の話これ?』
『しっ。最後まで聞いてみようよ。』
『だからでしょう。当然のようにクラスメイトからいじめを受けました。軽いものからどんどんエスカレートしていき、最終的には両手両足を縛られた上で、足を持って学校中を引きづりまわされたのです。』
『うわ。』
『こ、こわいよぉ』
『その結果美しかった顔はズタズタのボロボロになり、あっという間に美少女は醜くなってしまったのです。醜い自分の顔を見られたくないその子は家に引きこもるようになりましたが、両親が交通事故で亡くなると、すぐさま自殺してしまったのです。』
『あの、先生?』
『何でしょうか?先生の話は最後まで聞いてと教えてあるはずですが?』
『え?あの・・・すみません。』
『続けます。自殺で亡くなってしまった女の子は憎しみからいじめっ子を引きづってあの世へ連れて行くのでした。おしまい。』
「ようやく話が終わった。けれど、なんでこんな話を私たちに?そう思っていた矢先に先生は私を指さしてこう言ったんだ。」
『この女の子の名前からその悪霊はこう名付けられたのです。“ひきこさん。”と。似ていますねぇ。花咲式子さん。』
『ひ、ひきこさん?』
『確かに花咲の名前と・・・。』
『けどさ・・・。』
「クラスメイトの目の色が変わったのを私はすぐさま理解できた。そして、先生が何故こんな話をしたのか、もね。結果的に約束を破った生徒の一人が保護者に話し、先生は移動になったよ。」
けど式子さんは?
その後どうなったんだ?
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