第115話 学校の怪談~その12~
「さて、じゃあ次に話をしようかな。」
遂に六つ目か。
時間は問題ないし、最後まで聞けそうだな。
「六つ目は『黒板の眠る顔』ね。」
黒板の眠る顔?なんだそれ?
「なんっすかそれ?」
「うん、今は無き土曜の学校の日に起こった出来事なんだけどね。」
私が高校生の頃、勉強が苦手で特に英語の授業はついて行けませんでした。
その日の授業もついて行けず、授業中に眠くなってしまって居眠りしてしまいました。
やる気はあったんです。
だけど、土曜日ということもあり、また先生の声が心地よいこともあって、眠くなってしまうです。
当時の私は授業の仕方に問題があるんだと思っていたのが懐かしいです。
でも、英語の先生は優しい先生で大好きだったので、思ってても口にはだしませんでした。
確かあれは土曜日だったと思います。
当時先生が黒板に英文を書いてると、チョークがポキッと折れたんです。
「あれ?そんなに力入れていたかしら?」
少しだけ先生は変に思っていましたが、すぐに気にせず、折れた半分のチョークを黒板の縁に置いて、続けて書き始めました。
ところが、同じところまで英文を書き直すとまたチョークがポキッと折れたんです。
「変ねぇ。そんなに力は・・・。」
先生が別のチョークに持ち替えて書き直しても、同じ
「もう。なんなのかしら?はぁ。仕方がないわねぇ。」
授業を遅らせる訳にも行かなかった先生は最終的には諦めて空白を開けて英文を書き上げました。
「え~という訳で、この英文を訳してもらおうかしら。ん~っと、じゃあ出席番号14番の人~。」
「はい!」
不気味な黒板のまま授業が続き、初めて私は授業中に居眠りをしませんでした。
「珍しいじゃん!Aが眠らないなんて。」
「いや私だって毎回眠ってるわけじゃ・・・。」
「ダウト!」
「ぐっ。」
「ふっふっふ。私は毎回の授業中必ずAを見るから知っているのだよ。後ろの席を舐めてもらっちゃ困るね。」
「・・・すいません。」
「素直でよろしい。さて、この後さどうする?どっか寄っていく?」
「う~んそうしよっかな?」
私は友達と帰ろうとしたんです。
そしたら・・・「何これ?」っていう男子の声が聞こえたんです。
何となく気になって声のする方を見ると、授業が終わって日直の男子が黒板を消しているのが見えました。
「どうしたのかな?」
「さぁ?見てみる?」
「うん。」
ちょっとした好奇心から黒板を見てみると、黒板の消した跡が目を閉じた人の顔のように見えたのです。
「何これ?」
何だか不気味でした。
ちょうどチョークが折れていた箇所と同じ場所にその顔はあったのです。
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