休日の悲哀

「おはよーっす」

「おはよう!」

「お邪魔しております」


 休日、俺は学校が無いのを良い事にゆっくりと起きてくる。

そんな俺を迎えたのはいつものたてぼうの他に女性がいた。胸が大きいのが特徴の女ああ、この人は確か。


「すいません、相田真菜子さん、こんな格好で」

「いえいえ、お気になさらず」

「でも、なんでこちらに?」

「その、お話したいことがございまして」

「そういう訳で、30秒で支度してこい」

「はいはい」


 お天気のアナウンサー、相田真菜子さんであった、どうやら幽霊事件の相談に来たようだ、俺達はこのシェアルームを自宅兼事務所としてもいる、貼り紙や様々な掲示板で無料相談受けますとたてぼうが宣伝するので休日はこういうパターンが多い。


「お待たせしました、で、ご相談でしたね?」

「はい、最近、夜返ってくると鳴き声がするんです」

「………………さいですか、たてぼう、輪っぱ」

「あいよ、まさかお姉さんがね、ごめんです、霊能力者権限で緊急逮捕です」

「っへ?」


 相田さんは俺の言葉に女性が出す声ではないものを出しながらたてぼうに輪っぱ

まあ手錠をかけられていた、人は見た目じゃねぇとはよく言ったものだ。


「これはどういうことですか、なんで私が手錠を」

「あんた、幼児虐待したろ、あんたの後ろについているんだ、もう悪戯しない、いい子にします、だから叩かないで、痛いよ、痛いよってずっとそういってる、子供の霊がさ、後の話は警察に話してよ……そんで、ガキんちょごめんな」


 相田さんにそう説明しながら後ろに憑く元凶の子供の霊の首を絞め上げる、苦しそうに呻きを上げる。やがて白目を向けぐったりとし始めると天へと召されていく

これ以外に成仏のさせ方がありゃ、よかったんだが……ごめんな。


「そ、そんな事も分かるの、でも、でも仕方ないじゃない、あの子が仕事で疲れてるのにねぇねぇねぇねぇうるさいんだもの! うんざりだったのよ! なんであんなの生んじゃったのかしら! ねぇ、私のせいじゃないわ! そうって言ってよ」

「知りませんよ、俺達、ただの高校生ですよ」

「う、っひ、っへ、hっふ、あ、k っくけ、あひゃひゃにゃひゃんひゃy!」

「……壊れちゃったよ」

「ほっとけ、後は警察の仕事だ」


 この後、こんな事件が起きればいつものように来てくれる警察が引き取って行った、後日、家宅捜索を行うと押入れに3歳くらいの男の子の遺体が入っていたらしい。加害者の相田真菜子は完全に精神が壊れてしまい、調書も取れないだとか。ま、知った事かだが。


『えー、今日のニュースですが、○○県□□市で~』

「今日もこんなニュースばかりだな」

「景気のいいニュースを見たことが無いな」

「大体、誰が死んだ、何処で事故があった、うんぬん不景気だって話だもんな」

「たまの休日だ、もっと景気のいいニュースをしないかねぇ」

「近くにいい喫茶店があるらしいぜ」

「なんで、喫茶店の話?」

「いいなら売ってるかもな」

「駄洒落かよ」

「「HAHAHA、はぁ」」

 

 少しでも笑う、それが俺達の悲しみを吹き飛ばしてくれるんだと言い聞かせて。虚しいって解ってても





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