第8話狩猟(失敗)と罠作成

とりあえず、新機能を確認してみる事にする。

 

「ポチっとな」


おお、確かに事務所のパソコンとスマホが、地球のネットにつながりましたよ。


「よっしゃ、これでまた知識チートで俺スゲーな、可能性が出てきたぞ」

 

ついでに、もう一つの商品追加を試してみよう。何か手ごろなものは無いかな。

周囲を見回してみると、事務所の机の上に空のペットボトルが一つ。これを商品化して…いや待て、これは無い。空のペットボトルを追加したら、捨てても翌朝追加されるって事だろ、空のペットボトルなんて要らない。しかも俺が口付けて飲んだ奴を商品にして売ったら『私が入ったお風呂の残り湯です~』とか言って、ただの水道水を高額で販売した、どこぞの女性動画配信者なんて比較にならない、大炎上するだろ。勿論ネットではなく物理的にだけど

 「という事は…商品じゃないもので増やしたいもの? …………あ!」


 俺は再び外へ出てとある場所へ向かう。


 「レオノール~~~ちょっと、止めてくれ」


 レオノールは未だに、ミニショベルの練習をしていた。ちと頑張り過ぎではないだろうか。


 「あ、お館様。どうされましたか」

 「試してみたいことがあるんだ。ちょっと止まっていてくれ」


 俺はミニショベルの動きを止めさせて、商品化を試す。


 「確か、触りながら商品化だったな、商品化…値段は…ぼったくりの150万…いや、安すぎかも? 今は時価設定にしておこう。時価でたのんます」


 工事車両としての価値もあるけど、それ以上に結界があるからな。もし販売先で結界が使えたら、売った相手によっては不味い事になる。多分この世界のあらゆる攻撃に対して、唯一無二の防御力を誇る結界だ。絶対、敵対者に渡らないようにしなくては。


 「よし、ありがとう。終わったよ。店の敷地外に置いておいておけば、この機械も明日の朝には増えるからね」

 「え、これも増えるのですか?」

 「うん。増えたら一台あげるから、専用機にしていいよ。赤く塗るとか、自分の持ち物を示すマークを描くのもアリだよ」

 「ありがとうございます。何か考えてみます」



 「族長~耕運機増やせるぞ」


 そして、族長の元に行き、耕運機を2台ずつ商品化した。これで、明日からは従来の3倍の速さで増える事になる。


 「じゃあ、明日増えるから。十分な数になったら店の在庫には手をつけるなよ。未使用の在庫が無くなれば、新たに追加されてしまうからな」


生産コストはかからないけど、増え過ぎると置き場に困る。


 「分かりました。よく言い聞かせておきます」


 その後、軽バンや軽トラ、ダンプも商品化しておいた。

 資材置き場付近に近づくと、なにやら声が聞こえてきた。


 「リーダー自分はもうだめです。自分をおいて先に進んでください」

 「自分も、もう無理です。これ以上皆に迷惑はかけられません」

 「行ってください、リーダーここは自分が食い止めます」

 「お前達……俺だけを働かせる気満々だな?いいからとっとと運べ!まだ予定の半分だぞ。大体何を食い止めると言うのだ」


 資材置き場では、砂利やらセメント袋やら抱えて地に伏せた、ハイ・コボルト三名と彼らのリーダーである黒足がもめていた。


 「黒足~どした?」


 声をかけられ、俺に気がついた黒足達が一瞬ビクッとした。もしかして俺、怖い上司扱い? 君達とは熊討伐祝いやったなかじゃん。俺たち友達だよね? レオノールと対応が偉い違いすぎるよ。


 「お館様!大丈夫です、今運びます。我等の戦いはこれからです」

 「それ、打ち切り臭い。いやさ、そこにほら、ハンドフォークがあるじゃないか、何で使わないの?」


 なんか一斉に振り返ってハンドフォーク見て、愕然としている。確か最初に説明したよね? 狭いところだし慣れてないやつにフォークリフトは使わせられないけど、ハンドフォークなら使っていいよって。


 「…これ、全部担いで運ぶ気だったのか?せめで台車つかってくれよ」


セメントはあればあるほど良いから、売り場から移動するように頼んでいたけど、まさか担いで運んでいるとは思わなかった。


「冷蔵ケースに、スポーツドリンクが入っているから、飲んで休憩するといい」

 「ありがとうございます。休ませてもらいます」


 風呂を作るのには、大量のセメントが必要だけど、この世界にはミキサー車で配達してくれる生コン屋が無い。仕方がないから商品の電動コンクリートミキサーで、ちまちま捏ねていく予定だけど、一度に煉られる量が仕上がりで50kgしかない。最初は鉄筋コンクリートにタイルを張った、浴槽を考えていたけど2mx2mのサイズだとちょっと無理だな。ブロックに鉄筋入れて、モルタルとタイルで仕上げるか。強度がやばそうなら、壁面の外側に補強かな。

 俺は部屋に戻りネットで調べものをする事にした。


 「俺の知識じゃ細かいところは分からなかったけど、ネットが使えればどうにかなるな」


 風呂のついでに、住宅の建築図面や、施工中の現場写真などを集めて、参考資料としてまとめる。


「あ、小さい風呂ならFRPで浴槽作ることも可能か?」


サーフボードや車のバンパー修理用として、FRP用の樹脂やガラスマットも店で扱っていたから、あれを使えば出来ないことは無いな。なにせ材料が無料だから、失敗を恐れる必要は無いし、時間さえかければ何度でもやり直せる。

それと、檜風呂もあるか。なるほど、接続面をアリ溝という凸凹に加工して継ぎ目の隙間を無くす訳か。フローリング床材の差込部分と同じだな。凹の削り込みはトリマーで加工出来るから、凸をきちんと作れるかどうかがポイントだな。これも、道具と材料はあるから時間さえかければどうにかなるな。

後は展示品のユニットバスを増やして、複数並べるのも良いかもしれない。


「問題は給湯器だよな。流石に店の給湯器だけでは無理だから、石油給湯器をつけてみるか…」


ガス給湯器に比べたら、灯油ボイラーの方がまだ手が出しやすいよな。


 その後は畑に植える予定の、ジャガイモ・枝豆・スイートコーン・ほうれん草や・チンゲンサイ・ふだん草・しゅんぎく・水菜・ねぎ・大根・ごぼう・にんじん・サニーレタス・トマト・ナス・きゅうり、等々の栽培方法を調べる。一応、種のパッケージや苗に付随するラベルに簡単な栽培方法が記入されているが、より詳しい情報を探し栽培方法をプリンターで印刷しておく。


「この世界の気候が分からないから、いつ蒔けばいいか分からないのが問題だな」


 リリパットの長老やコボルトの族長は知っているのかな?


 さて、金銭と著作権が絡まない条件で、他にインターネットを使って出来ることは…あるな。

 俺はフリーソフトを検索する 。

 地図ソフトとか便利なものは無いかな…あった?

“Mgr view”

“誰でも作れる秘密基地”

“初めての城作り”

“自分で作れる日本のおもちゃ大図鑑”

“今日から使える家計簿”

“カロリー計算 脱リバウンド”

“素材スキャン 物知り博士”

“自動翻訳 バイリン君”

“暦ちゃん(農作少女キャラ)と季節のお野菜”

“永久保存版 原色世界の魔物図鑑”

“釣り馬鹿天国 秘密の仕掛集”

“にゃんとも不思議な餌皿”

“もふりんぐ バーチャル飼育ペット”

“簡単便利なゴーレム用兵術”

“めざせ無敵艦隊 今から作る戦列艦”

”安部晴明監修 実践陰陽術“

“答えは聞いてない はじめての圧迫外交”

“はじめての国創り”


 ずらっと出てきたソフトを眺める。何だろう日本に居た頃とは、明らかに傾向の違うものが並んでいる気がする。地球でしか通用しないソフトは初めから除外されているのだろうけど、ゴーレムとか安部晴明監修とか、地球じゃありえないソフトだ。いったい誰が作成しているのだろうか。そして傾向としては、ハウツー本や、シュミュレーションなどが多いような気がする。“にゃんとも”や“もふりんぐ”は少々毛色が違うようにも思えるが、単なる育成シュミュレーションゲームではないだろう。これは明らかに女神様と女神様や女神様の思惑が、多分に含まれた結果だろうな。特に後半は武力強化や建国にしか役立たない情報に思える…というか、最後は字が違くないですか。


 「俺にいったい何を期待しているのか。というか元日本人としては、圧迫外交を進められても熟せる気がしない。いや、もしかして警告?」


 女神様が何気なくこれを混ぜてくるって事は、やっぱり何かしら危険があって、戦いに備えろって事を匂わせているのかもしれない。


 そういえば、俺を殺してくれた国(現在その跡地在住)が滅びたのは聞いたけど、戦争なら相手が居たはずだよな。相手はどうなった? 思い返しても女神様からは何も聞かされてないぞ。


 俺は直ぐに、Mgr viewをインストールして起動する。多分これがMAPというかグー○ルアースのようなものだと思う。


 明らかに地球ではない星が表示され、回転しながら一点をズームしていく。思わず小声で『無駄に凝っている』と漏れた。これは外からこの星を見た映像らしい。Mgrとはマネージャーの略であり、その日本語訳としては“管理者”という意味が含まれている。つまり神視点の映像って事だ。


 モニター画面の中心はこの拠点のようだ。

画面をスクロールしつつ確認する。今までもナビの地図は見られたが、あれはナビ前提の地図なので、道の無い森はただ緑色に塗られただけで、表示される情報は極限られた。

 対してこのソフトは写真だ。正に神の視点で森を見ることが出来るし、周辺の町や村の細かな部分も確認することが出来るはずだ。


 「あ、これ街か?直線距離で250kmぐらいってとこか。森の端からだと200kmは、離れているって感じだな。街の大きさは…およそ直径30kmくらい…日本でいえば人口2~30万人ぐらいの地方都市程度か? いや、この世界には地球のような高い建物が無いし、食料の生産効率も悪いだろうから、日本の都市よりもずっと人口が少ないだろうな」


 やはりパソコンだと見やすい。広域表示にして確認すれば、都市の方角は森の真北だ。そして、森の北西から東南につながる川が見える。河上はどっちだろうか。幸い北の都市と接している川とは違う川のようだから、今すぐ侵略に使われるという事は無いように思える。


 「まあ、ここからリアルタイムで警戒する方法は無いし、地球の神頼みとは少し違うけど安全を神様に祈るしかないよね」


 あとは…森の中は葉で隠されて、上空からはよく分からないな。そういや皆、小動物や野草などを食べていたというけど、水はどうしていたんだろうか。



 「長老、探索部隊は戻ってきたか」

 「うむ。全員戻っておるぞ。今持ち帰った情報を整理しておる」

 「他の生物情報はあるか?」

 「今のところ無いのう。明日にでも一度報告するから詳細はそのときで良いかの」

 「わかった。それはまた明日頼む。ところで、森の中では水をどうして居たんだ」

 「それなら近くに細い川があったんじゃよ。それも地図に書いて明日説明するぞい」

 「分かった。よろしく」



 さて、今日は肉が手に入っているので、肉料理をすることにしよう。調味料の種類は少ないが、店員の休憩室に食卓塩と醤油とコショウの使いかけがあったので、これを使おう。塩を振っただけの焼肉でも良い。レトルトではない肉を食ってみたいのだ。

 そうだ、調味料もまとめて商品化しておけば、今後は気兼ねなく使えるぞ。

 

 調味料をもって、狩猟班が持ち帰った獲物を管理して居る人を探す。たぶん管理しているのはコボルトの女性だと思うのだけど、どこに居るかな。


 「わん」(おやかたさま~でぃーぶいでぃー見てもい~い?)


 移動中に、子コボルトから声をかけられた。例の熊の毛皮で作った毛皮のベストを着て、帯のようなもので止めている。ちょっと山賊風だね。熊の毛皮には魔物よけ効果があるらしいから、子供は皆着せられているようだ。


 「ん?DVDか、文字の勉強が終わったなら見て良いよ。今日は何を見るんだ」


 一度コボルトの子供達にDVDを見せてからというもの見る許可を貰いにくるようになった。放っておくと、長時間見てしまうので、一日1時間又は映画なら1作品終わるまでと、制限している。


 「わうん」(えっとね~“しんれれら”)

 「そか~しんれれらか~仲良く見るんだぞ」

 「わう~ん」(はあ~い)


 確か俺の記憶違いでなければ昨日も、一昨日も同じ“しんれれら”だったと思うんだけどな。同じものを見ているのか、何を見ても全部“しんれれら”なのか…まあ、満足しているならどちらでも良いけど。

 ”しんれれら”は日本語吹き替え版だけど、彼等は日本語を読ことも出来る。さすがに書くのは、ひらがなカタカナだけだけど、他の大人は漢字も読み書きができる。リリパットなど、子供でもかなりの漢字をかける。これはアプリの効果以外にも、リリパットの転生者(長老の父・故人)が文字を広めていたというのが一因らしい。リリパットは文章で報告すると意外とシンプルな報告になるからな。多分それが狙いだったのだろう。


 「あ、レオーネさん、今日獲れた肉を焼きましょう」


 肉を捜し歩いていると肉保管者の最有力候補に出会ったので声をかけた。


 「あの…お肉ですが、実はあまり無いです。ごめんなさい」

 「あれ?ツノシシ捕ってきていませんでしたか」 


 40~50kgはありそうなツノシシだったから量は十分じゃないの?


 「あれはもうだめです。モーブさん達は体が丈夫なので、食べても平気らしいですし、私達ほど鼻が利きませんから食べ物が無ければ食べるそうですけどね。けど、しっかり焼いても、肉が臭いですからお勧めできません。生きているハリウサギを絞めるなら、食べられますよ」 


 え?どういう事だ?狩猟班はあんなに喜んでいたのに、食えないのか?


 「えと、旦那さんは大猟だと喜んでいましたが?血抜きもされたようですし・・・」

 「全くあの人は・・・ごめんなさい、うちの旦那のミスなの。猟で殺した獲物は直ぐに解体しないとダメなの。時間が経って獲物が少し冷えてきた頃からどんどん臭くなるの。今までは大勢で囲んで捕って、できるだけ生かしたまま持ち帰っていたんだけど、大猟に浮かれて忘れていたみたいなの」


 え、血抜きすればOKじゃないの?


 「直ぐに解体するんですか?俺が血抜きするように指示したんですけど、間違っていましたか?」

 「私には、血抜きがどんなものか、よく分からないけど、持ち帰った獲物はちょっとダメな感じだったわ。たぶん殺してから時間がたち過ぎたみたいね。獲物を持ち帰るのに時間が掛かる場合には解体したお肉を、沢山の香草で包むようにして持って帰るの。そうすればちょっと香草の香りがつくけど肉が腐らないの」


 「そうですか、俺が余計なことを言ってしまったばかりに・・・」

 「いいえ、血抜きして直ぐに持ち帰らなかった主人が悪いので気になさらないでください」

 「分かりました。俺も、もう一度調べて見ますね」


 俺はもう一度パソコンの前に戻り、狩猟について検索する。

 


 あった。


 狩で獲た獲物は、傷から入った菌が血を媒介に繁殖しやすくなる?あ~獲物を汚れた槍や弓で殺せば、なお更か。そうして繁殖した菌で血が腐敗するから臭くなるんだな。対策としては何より速やかに冷やすのが良いので、猟師は血抜き後に川や池に浸けて、獲物を冷やすとな…徐々に体温が下がる状態は菌が繁殖しやすく、一気に温度を下げれば繁殖しにくいということか。そして、香草は、聞いた話からすればタイムっぽいな。タイムには強力な防腐効果があって、地球では古代ギリシア時代から死体の防腐剤や、料理の殺菌と香り付けに利用されていたらしい。


 俺が狩に出れば送還で、腐敗なしの保存が出来るけど、他にそんなことができるやつ居ないし、やっぱり生け捕りの方が良いのかな。スチール網の小動物捕獲器でハリウサギぐらいの小動物が取れているから、同じ仕組みの大型罠を試作してツノシシを捕獲してみるか。



 「という事で、新しい罠を作るから手伝ってくれ」


 黒足達を訪ねるとセメントやら砂利やらの、移動が終わって休憩中だった。流石に今は余力がありそうなので、気兼ねなく頼めるぞ。


 「罠ですか、罠というのはハリウサギを捕っているあれですよね。あれを作るんですか?」

 「いや、もっと大きな物を作ろうと思う。ツノシシを捕獲できるくらいが良いな」

 「はあ。分かりました何を使いますか」

 「あそこにある網とアングルと…」


 ツノシシ捕獲器は基本的に猪や鹿の捕獲器と変わりない。まずアングルで枠組みを作り内側から金網を取り付け、5面ふさいだ箱を作る。強度に不安があるので上下の中心あたりに一本補強を入れた。開口部の枠の外側にもう一つアングルを重ね固定する。上から見るとFのような形だ。この二重になっている隙間に落とし込みの扉を上から差込、網の途中にワイヤーをつけたストッパーを差し込む。ワイヤーは箱の上部から箱の奥に入れ適当な枝などつけて箱内に固定する。自然に扉が落ちず、中に入った獲物が仕掛に当たると落ちるように調整すれは、後は餌を食べに入るのを待つばかりだ。


 「もう一つ、くくり罠を作る。説明しながら作るので、マネをして作ってみてくれ。まず、スポーツ用品コーナーにある、このハンドグリップの加工だ。柄の部分を鉄パイプで延長する。パイプの先端が50cm程開く長さだな。次に片方のパイプ先端にワイヤーを固定し、もう一方のパイプの先端部に穴を開けワイヤーを通す。ワイヤーは引きちぎられない程度の強度でいいと思う。パイプから出ているワイヤーを5cmぐらい残して切る。ワイヤーに圧着スリーブ(電工用)を通して、もう一度先端を圧着スリーブに通し輪を作り、専用工具でスリーブをつぶす。ここまではいいか?」


 黒足達の手元を見れば、拙いながらも何とか形になっているようだし、続けてよいというので続行する。


「次に薄いアクリル板と針金、セロハンテープ、直径100φ長さ20cm以上の塩ビパイプを用意する。アクリリル板をパイプの内径に合わせて丸く切る。端に穴を開け針金を結びアクリル板をパイプのうち蓋(落とし蓋)にする。そして針金を・・・・・セロハンテープで・・・・これで罠部分が完成だ。後は仕掛ける場所に穴を掘り、蓋を上にして塩ビパイプを埋める。蓋と地面を出来るだけ同じ高さにするといいな。最後にパイプと罠に草や土を軽くかけて隠す。後は伸びたロープを丈夫な木に結びつければ完成だ」

 「これは…獲物が蓋を踏むと、穴に足を取られ、同時にパイプかられたワイヤーが外れ足に締まる仕組みですか!」


 黒足達は何故か皆驚愕している。地面敷設系の罠は檻より目立たないから驚いているのかな?その代わりピンポイントで踏んでくれないと掛からないんだけどね。


 「そうだよ。ちょっと実験して見ようか」


 罠を持ち寄り園芸用品売り場で実験する。


 「おお、これはすごい罠ですね。早速、仕掛に行きましょう」


 え?


 「いや、明日でいいんじゃないか?この罠は目立たないから皆に説明して、場所や

現地の目印を決めてから設置しないか?」


既に日が暮れかけているし、暗い森で罠設置とか俺やだよ。

 少々未練たらしく文句を言われたが、どうにか説得し翌日罠を仕掛ける事に決まった。


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