第73話 目指せ0PV!

 タイトルは自虐的ジョークだ。決して読まれないことを良しとしているわけではない。


 書いていない、更新していないし実力も伴わないので当然だが私の物はPVが少ない(今、「作品」と書こうとして憚られたので「物」とした)。しかし検索エンジンなどにかかれば興味あるワードがあればクリックする人もいるはずだ。そこで本当の所、どれくらいの方が訪れているのかとグーグルアナリティクスを仕込んでみた(意味もないし、どうせ直ぐに忘れて見なくなるので短期間で外そうと思っているが)。


 今週は最大でも一日10ビューに届いていない。一番少ない金曜日は一度だけ何かが見られている。敢えて「読まれている」とはしない。理由は何方でも理解可能だろう。


 こうなったら0ビューの日があったら面白いんじゃないかと感じ、息を潜めて様子を窺おうかとも考えたが、そういった姿勢は数少ない読者の皆さんに失礼だろうと思い留まることにした。


 タイトル別に数字だけ手繰ると、この「不定期実話」が一番なのも情けない。「灼眼の小刀」は600PVを超えているが二十三話、五万三千文字、綴って、やっとその結果だ。余程、力がある作者なら作品を置いておくだけで毎日PVが伸びていくだろうが、私のような者がPVを稼ごうとするなら新話、新作を投入し続けるしかあるまい。


 まぁ気にしても仕方がないだろう。精一杯やるだけだ。だが最近、「これくらいで良いか」と妥協している自分がいるようで自身に対する不信感を抱いている。所詮アマチュアだと割り切って気軽に投稿するのも有りだろう。しかし私はそこに罪悪感を抱くタイプなのだ。


 さて、PVが少ないという話だけでは詰まらないので、ちょっと「灼眼の小刀」の舞台裏でも語ろうか。


 主な舞台の「西」とは西六甲ドライブウェイである。「表」は表六甲、牧場は六甲山牧場、その他、六甲ケーブル山上駅や、そこにある天覧台、六甲オルゴールミュージアム、神戸市立森林植物園が描かれているのはご覧の方ならお分かりだろう。丁字ヶ辻とは表六甲を登り切ったところにある西六甲との交差点だ。428は国道428号線、有馬街道で、会話文の場となるバイク屋は私が初めて単車を購入したあるショップのイメージで構成されている。要するに、昔、或いは現在も私が頻繁に通る場所、行く場所を使っている。


 ストーリー作成も似たようなものだ。「静寂の鍛冶屋」は私が行った作業そのものであり「ドリーミングエスカルゴ」ではターボ化されたカタナが登場し、荒唐無稽と取られるのが自然だが、実際に私がイグナイター制作者からターボキットの譲渡を持ちかけられたところから来ている。その回にシャシーダイナモで測定されたエンジン出力と、それを叩き出した時の過給圧が記されているが、それらの値は先に述べたイグナイター制作者から提供を受けたものであり「本物」だ。「切削したピストン」と「ブロー」も、やり取りのメールから浮かんだ。「ハグレモノ輪舞曲」は屋外ガレージで雨曝しになっているSDRが再生できたら、が、きっかけだったし、「石橋は叩いて渡れ」はラジアルタイヤに興味を持ち、次に履かせようかと調べたことから始まった。「石橋」は勿論 Bridge Stone ブリヂストンだ。そして二話、掲載した「道の駅シリーズ」は私がカタナで出向き、この目で確かめ登場する食品類も味わった上でのリポートとなっている。金額が詳細に織り込まれているのも、そのためである。


 非常に長くなるので、これ以上はやめておくが、全話、実体験から得られたもので出来ていると言っていい。そこに僅かな創造を付加したのが「灼眼の小刀」だ。


 序でに触れておくと他の一話完結短編は古いフロッピーから出てきた一話を除けば眠っている間の夢だ。


 結局、私は「見たもの」を描写しているだけで決定的に創話力に欠ける。これからは脳内だけでも巧妙に面白いネタを書き上げるパワーを身に付けていかないといけない。


 はい。種にもなっていない種明かしと反省会は終わり。日記的長文にここまでお付き合いいただいた方々、ありがとう。感謝いたします。

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