寮監先生
大浴場から上がった青バラ部屋とユーカリ部屋の6人はつなぎ温泉の湯にすっかり癒されていた。
「いや〜いいお湯だった〜」
「でしょ〜岩手のお湯は最高でしょう?」
「そうだ!今夜の夕食ですけど、まずは入寮初日という事で寮監先生より、歓迎料理が振る舞われるみたいですよ?」
「本当!?」
「ご飯の事考えていなかったから助かったわぁ」
「そう言えばもう夕食の時間かぁ」
「あっという間ですね」
「それでは一旦タオル類を部屋に置いて食堂でまたお会いしましょう」
「そうね。それでは失礼します」
青バラ組とユーカリ組の6人は2組に分かれてそれぞれの部屋に戻った後、タオルを置いてホワイトベアの寮内着のまま共有スペースである白兎寮の食堂にやってきた。
食堂は共有スペースではロビーに次ぐ広さで、日本神話の「因幡の白兎」の絵物語が壁絵として描かれてあった。
この日の食事内容は「入寮おめでとう料理」と称してビュッフェ方式だった。
「いっただっきま〜す!」
青バラ部屋とユーカリ組の6人が同じテーブルに座り、ビュッフェから取り出してきた料理に手を伸ばす。
「美味しそうですけど、白い
「それなら、食べ終わった後に着るとか?食事中は汚れてもいいパジャマで来て」
「いいですね!」
そこへ、
-カッカッカッ
食事中の寮生たちのところに現れたのは白兎寮寮監の玉川蓮だった。
蓮は天然パーマの赤髪ロングヘアーに黄金色のバニースーツを纏い、その上に黒色の長袖燕尾ジャケットを羽織った燕尾バニー姿だった。
「食事中失礼します。寮監の玉川蓮です。食べながら聴いてください」
(この方が女子兎高等学校白兎寮の寮を管理する先生!?)
牧が憧れの眼差しで蓮を見る。
「寮各部屋にある勉強机の引き出しの中に「寮生活の案内」という冊子にもありますが、皆さんがこの白兎寮で集団生活をする以上、寮の規則“寮則”を覚えて頂く必要があります」
(そう言えばまだ見ていなかった!)
「まずは寮の門限は午後の6時。消灯は10時です」
「はーい!」
(あれ?みんな納得した?)
周囲が一斉に同意する。
「寮内での服装に関しては寮内着に入っていたプリントの案内通りです」
「はーい」
「それから明日の入学式が始まる前に制服であるバニースーツの着付けを行います。寮からは明日朝6時に起床したら7時までに朝食を済ませて、今日着てきた私服で9時までに校舎へ向かってください」
「はーい!」
「学年毎にどの部屋に行けばいいかは明日誘導しますのでご安心を」
(テンポよくてわかりやすい案内だなぁ)
牧もまたビュッフェで取ってきた食事に手を付けながら蓮の話を聴いていた。
「それから最後に…」
(ん?)
「今日の歓迎のブッフェに揃えた食材は私の故郷、岩手県岩泉町の食材で揃えました!皆さんいかがですか!?」
厳しかった蓮の顔が一転して笑顔になって出身地の食材をPRした。
「サイコー!!」
「美味しいです!!」
「元気回復しましたー!!」
(道理で見た事のある、それも高級寄りの食材ばっかりだなと思ったら岩手県沿岸の人がチョイスしたからかー!)
牧を始め蓮チョイスの岩手県岩泉町食材で旅の体力を回復した白兎寮寮生達は明日の入学式に備えて10時、消灯と共に眠りにつくのだったを
(いよいよ明日入学式か。バニーガールへの一歩を本格的に踏み出すんだ、私…)
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