迷惑な子
迷惑な子
それは凛が中学を卒業してから三つくらいの季節が通り過ぎた頃、突然訪れた迷惑この上ない招かれざる人物からのLINEだった。
そう、香織からである。
何を勘違いしてるのやら、凛にまた難癖つけてきた。 本当に女子高生って面倒くさい生き物です。
凛はもう自分の中で答えを出していて、香織とは友達とも思えないからこのまま全てを終わりにしようと、そうハッキリと意思表示をしたのだけれど香織はなぜか終わらせようとしない。
そういえばもうすぐクリスマス。また凛に高いプレゼントでも催促する予定だったのかしら。[#「そういえばもうすぐクリスマス。また凛に高いプレゼントでも催促する予定だったのかしら。」は中見出し]
でも凛はサンタクロースじゃないし、香織にお金を使うくらいならドブの中に溜まった落ち葉にくれてやる方がよっぽどマシだと言っていた。私もそう思う。
それに高校も違うのだし、今さら香織とお友達ごっこをやる必要などない。
凛にとっては触れたくない古い薄汚れた時間であって、もう香織と話すことなど何もないだろう。
そう、香織の存在そのものが、迷惑でしかないのである。
けれどやっぱり高校生にもなれば多少なりとも人間を見る目、というものを持ち合わせている社会的に真っ当に成長している子達もいるわけだし。
そういう子達の中では香織は、やはり奇異な存在に映るだろう。
つまるところ凛にしていたイジメの数々がいままさに香織に降りかかっていてもおかしくはない。
これこそが、因果応報であるといえよう。
人を呪わば穴二つ。
呪っていたのかしら?
凛を?
なぜ?
さあ、それは香織に聞かないと分からない真実でしょうね。
もう、そういう煩わしいしがらみから開放されたい。香織と関わることすらめんどくさい。
凛の言葉だった。
そうねもう立場が違う。生きている環境が違いすぎる。ならばこのまま香織との記憶など流してしまえばいい。
今の凛ならそれが難しいことではなくなっているのだから。
高校生になって、香織と違う高校に入って、そこでかけがえのないものに出会い見つけた凛は強くなった。
真実の友達。
そんな凛には過去はもう要らない。
凛は今やっと自分の足で立って歩き出したばかりなのだ。だから香織なんかに邪魔されたくはない。
過去を真っ白に消して流してしまえばいいのだ。難しいことなど何もない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます