仲良きこと

勝利だギューちゃん

第1話

妹が、夜空を見上げている。


「何を見ている?」

「いつか、私にも白馬に乗った王子さまが・・・」


今時、思うか・・・

夢見がちな女だ。


我が妹ながら、恥ずかしい。


兄が、短冊に願いことを書いている。


「お兄ちゃん。何書いているの?」

覗きこむ。


「こら見るな」

「いいじゃない。どうせばれるんだし・・・」


【いつか、僕のところにも、馬車に乗ったお姫様が来てくれますように・・・】


「お兄ちゃん・・・」

「どうした?」

「ううん・・・何でも・・・」


ロマンチストと言えば、聞えは言いが・・・

我が兄ながら、恥ずかしい。


≪よそ様には、言えないな≫


その夜


馬車が来た。

白い馬・・・

白馬。


王子様が乗っている。


「おお、我が麗しの姫。お迎えにあがりました」


妹は喜んでいる。(そぶり)


あほらしい。

ドッキリだろう・・・


そして・・・


馬車から、お姫様が下りてきた。


「私の愛しい王子様、私と結婚んして下さい」


兄は、鼻をしたを伸ばしている。(そぶり)

情けない・・・


・・・で、


「もういいだろ?父さん。母さん」

「満足した?」


正体を明かす、王子と姫。


「やっぱりわかった?」

揃って言う。


≪そんな、しわしわぶよぶよだぶだぶの、王子も姫もいらん≫

妹と、声をあげて言った。


「せっかく、喜ばせようと思ったのに・・・」

「嬉しくない」


毎年、家族ではこのような事をして、楽しんでいる。


意外と、いいかもしれない・・・・


多分。



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仲良きこと 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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