最終話 えぴろーぐだよ、さっそちゃん!

 「あの時は大変だった」

 地球へと帰ってきて数か月後。

 元に戻った自宅の縁側で、数か月前の事を章太郎は思い返していた。

 巨大ネズミとの戦いの後、章太郎はぐれーとさっそちゃんに乗せられてバースト星に連れていかれた。

 気が付いたら、見たことのないエメラルド色の空の下で猫の耳を生やした宇宙人達に拍手で迎えられ亡き祖父の友人だと言う偉い人と握手していた。

 

 地球への帰還はVIP待遇でバースト星の大船団で送ってもらい、そのまま地球とバースト星人の交流が始まり学生の身でありながら親善大使に章太郎は着任した。

 「良いじゃないですか♪ 私はあなたと結ばれてこの子も授かりましたし♪」

 大きくなったお腹をさする割烹着姿のまりあが隣に座る。

 章太郎とまりあは夫婦になり、章太郎の苗字は猫田に変わっていた。

 バースト星でまりあの実家に連れていかれ、歓迎と同時に一服盛られた結果だ。

 未成年だが色々あって、特例としてバースト星の法律に準拠してあちらに婿入りと言う星間結婚だ。

 地球人とバースト星人のカップル第一号として、時の人にされたりしつつ

忙しい日々がようやく落ち着いた平石家改め猫田家。

 「もう諦めましたよ、高二でパパになるとは僕の人生急変しすぎです!」

 涙を流す章太郎をよしよしと元凶のまりあがなぐさめる。

 年若い好みの夫をゲットして子供も授かりと、まりあは我が世の春だった。

 一番得をしたのが彼女である。

 

 「私達、社長の恋のキューピッドになっちゃった♪」

 「社長、隙が無いぜ」

 「拙者達の後継機も大量生産が始まったでござる」

 「姉さん女房ですわね」

 「司令官、おやつの時間ですわ」

 好き勝手に言うさっそちゃん達は、相変わらず章太郎の家で働いていた。

 彼女達の活躍も取り上げられて、今ではスマホ並みにさっそちゃん達がサーバントロイドと言う名で普及している。

 ネズミ駆除だけでなく、害虫駆除や育児に家事や介護のサポートなどに大活躍だ。

 「司令官、屋根裏にネズミ反応をキャッチしました! 命令を!」

 アンがネズミの存在をキャッチし章太郎に指示を求める。

 「またネズミ~? わかった駆除して、さっそちゃん!」

 章太郎が言うとさっそちゃん達が全員

 「「らじゃ~!」」

 と敬礼をして飛んで行く、さっそちゃん達は今日もご家庭の平和のためにネズミ達と戦うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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駆除して! さっそちゃん! ムネミツ @yukinosita

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