夜から本気出す。

やくろ

歩け

吸引力?

「リサ!これ持って!」


息をきらせて、教室の扉を勢いよくスライドさせて、幼なじみのユカが走って持ってきた、ワイヤレス掃除機。それにクラス中の目線が集まる。


「なにこれ?」


持たされた感想といえば、軽量型なのだろう。テレビの広告でやっていた機種だと思う。


「バキューム!今からこの教室を!」


ユカが机に登り、私から掃除機を奪って天井に掲げる。なんで英語?


「掃除しま〜〜〜〜〜〜〜〜す!!!」

「ちょちょちょちょちょ!!!!人はゴミじゃないからな!?」


その掃除機を私の顔に当てて吸い始めた。なんてやつ。


「だって来ちゃうんだもん!」

「何がよ!」

「ドラゴン!」

「は?」

「龍!」

「は?」

「リュウ!」

「は?」

「後ろ後ろ!」

「は。」


後ろを振り向くと、教室のドアからドラゴンの頭が覗いている。

大きすぎる。収まってないじゃん、結構高さギチギチでちょっと建物がギシギシいってる。


「だからみんなを匿う為にこの掃除機でみんなを吸い込んで、安全な場所にと思って…」

「いやよくそれで吸い込めると思ったね!?優しさしか買ってあげられなっ」


その途中で、ドラゴンに頭をくわえられ、目の前は真っ暗に。教室の騒ぐ声が遠のいて、私は意識をなくした。


突然すぎる。JKライフ要素が教室にいることでしか表現できないこの短さ…。

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