笑顔の押し売り

何かあってもニコニコしながら

そうねすごいね

って言っていれば

争いは起こらないし

私に対して酷い事する奴はいない


と思っているから


私はいくつでも笑顔の安売りをするし

いくらだって褒めちぎるし

それなのに私を害する人のこと

心の底から嫌いになる


なぜなら


私が人に対して良い人間を演じているのは

「私は貴方にとっていい人間ですから、私に酷いことをするのは許しません」

という押し付けだから


痛い目にあいたくないし

悲しい想いをさせられたくないから

先手を打っているんだよ


…そんな狡賢い考えに気づいたのは

つい最近のこと


「仲良くしよう、ね?」

ってニコニコしながら握手して

「ね?」の所で思い切り相手の手をにぎりしめている

まるで脅しだ


それでもきっと

私はこれをやめることはできないだろう


とってもとっても臆病だから

傷つけられたくないから

そのためならいくらだって笑うから

いくらだって謝るから


裏切ったら ゆるさないから

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